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ジュニアアスリートを支える最強パスタ「究極のカルボナーラ」

ジュニアアスリートを支える最強パスタ「究極のカルボナーラ」

小さなイタリア料理店を東京・渋谷にて夫婦で営むサカママとして、「食トレ×イタリア料理」をテーマに日々実践していることを発信していきます。

気がつけば一年で最も慌ただしい師走の到来。小6長男のジュニアサッカーのシーズンもついに終わりを迎えようとしています。同時に、今年一年間連載させていただいたこちらのサカママコラムも今回で最終回を迎えます。ふと振り返ったとき、私がこのコラムを通じて発信したかったこと、それは私がシェフである夫と共にレストランを立ち上げたその想いに通じていると気がつきました。

15年前の結婚式で私たち夫婦は「食育をテーマにした自分たちのレストランをオープンすることが夢です」と、列席くださった方々の前で宣言しました。その夢はなんとか叶い、オープンから艱難辛苦を乗り越えこの12月で11周年を迎え、自分たちはいつしか2人のジュニアアスリート兄弟の親となりました。

「食育」と一括りに語っていた結婚当初から、親となると「食育」の言葉が持つ意味の大きさと深さを思い知ります。「お腹がすいた!」と試合や練習終わりに子どもたちが空腹に耐えられず、手持ちの補食では足らず、出先でなんとなく入ってしまったお店の食事がしょっぱ過ぎたり、脂っこ過ぎたりで食べられず残してしまうようなとき、どうしようもない後悔と猛省が押し寄せます。

この残してしまった食べものを食べられたら生きられた命がこの世の中にはあることを散々話し合い、自分たちの浅はかな食欲で誤った決断をしたことに嫌悪し、家族で口論になります。

数々の失敗を繰り返した結果、食事は家まで我慢して、自分たちで作ったものを食べることがベストであり、それ以外は本当に吟味したお店のみに行くようにしようと心新たに誓うわけです。

食育の極み「究極のカルボナーラ」をアスリートに捧げる

私たちのレストランの代名詞は「究極のカルボナーラ」で、これまでメディアでも何度となく紹介いただいてきました。なぜカルボナーラを看板にしているのか。シェフである夫が料理人を志すきっかけがまさに「カルボナーラ」だからです。昔から無類のカルボナーラ好きで、日本で一番美味しいカルボナーラを作り、自分のレストランでお客様に食べてもらいたい、とサッカー選手の夢から料理人へと転身したのでした。

そして、あらゆるレストランで修行の日々を送りながらも、夫のカルボナーラ探究は続きました。最もカルボナーラに相応しい理想的な卵を探し求め、10年越しで地元埼玉県日高市の「たかはしたまご」に辿り着き、最初は断られながらも信頼を得て、無事自分たちのレストランで使わせていただけることとなり、今に至ります。

使わせていただいている卵は1つ約290円という驚愕の価格です。高価格の理由は、卵を産む親鶏を自分の子どもたちのように生産者が愛情を注ぎ、人間でも食べられるような良質な餌を独自に作り配合し、太陽光が燦々と差し込む清潔で気持ちの良い養鶏場で育てられた鶏が産む卵だからです。大量生産の卵は、親鶏を無理やり押し込めた日の当たらないストレスフルな養鶏場で、大量に卵を生産することを目的にします。それとは真逆をいく私たちが扱う卵は、まさに「食育」を体現した卵であると自負しています。

ジュニアアスリートにとって、良質なタンパク質とパワーの源となる主食(パスタ・米・パン)がいかに大切かはこれまで何度もコラムに記載してきました。前回の「奇跡のラザーニャ」も我が家の子どもたちにとってのお助け料理であることは前述の通りですが、「究極のカルボナーラ」は次男にとっての一番の大好物です。

他のレストランなどでカルボナーラを食べてみても全く違うようで、彼の発達した味蕾を満足させることができるのは、「究極のカルボナーラ」のみ。好きが高じて作ることにも興味を持ち、幼い頃から何度も何度もカルボナーラ作りを手伝ってきました。

カルボナーラの本場の作り方は至ってシンプル。牛乳や生クリームは一切使わないのが伝統に基づくレシピです。そのため何よりも卵と卵の火入れがポイントになります。卵液を作るときにパルミジャーノ・レッジャーノチーズをパウダー状にした「グラナ・パダーノチーズ」を混ぜてパスタと共に和えますが、このとき火を止めるのがポイント。そうしないと炒り卵のようになってしまいます。

そして食す寸前に香り高く削り仕上げるのが、ローマ発祥の羊のチーズ「ペコリーノ・ロマーノ」。究極に卵とカルボナーラにこだわり続けた職人の魂がこもった、卵とチーズを惜しみなく使ったこのパスタは、アスリートの体と心を最もケアして癒す究極のアスリート食なのではないかと思います。

私たちのレストランの名物「究極のカルボナーラ」、すべてのアスリートの方にご賞味いただきたい逸品です。

一貫して発信したかったのはジュニアアスリートを支える食事のあり方

全12回のコラムでは、基本的に私が日々実践していることを中心に4部構成でお届けしました。

1ターム目は野菜に焦点を当て、「トマトソースパスタ」「カボチャのスープ」「ニンジンサラダ」はすぐにでも作っていただける、実際に私も作れる手軽な料理を紹介させていただきました。ぜひ今後の食卓にお役立ていただけたら嬉しいです。

2ターム目は、タンパク質の補給源となる「パルミジャーノ・レッジャーノチーズ」の有効性や鶏の串焼き「スピエディーノ」で増量、ご褒美飯として料理を自分で作ることで好き嫌いをなくす方法などをご紹介しました。日々の食事に少しイタリア要素を加えてみると、メリハリがつき楽しいのでおすすめです。

3ターム目は、アスリートの揚げ物との付き合い方、魚料理でタンパク質を取り込む方法、野菜とフルーツの活用法について綴りました。

そして最終章の4ターム目は、小麦粉や砂糖の摂取についてどう考えるか、血糖値の乱高下をさせないために推奨される食べる順番について取り上げさせていただき、この最終回では満を持してアスリートに捧げる「究極のカルボナーラ」をご紹介いたしました。

ジュニアアスリートたちの食との関わり方について、ふと迷ったとき、読み返していただき、もし何かのヒントになれば幸いです。

まだ始まったばかりの長いサッカー人生をどう応援していくか

小6長男はいよいよジュニアユースに向けての準備期間へ突入です。小学生時代に積み上げたことをベースに、自分にしっかりベクトルを向けて、まだ始まったばかりのサッカー人生を存分に楽しんでもらいたいと心から願います。ジュニアユースに進んでしまえば手が離れてしまい、きっとジュニア時代とは全く異なる親との関わり方になるでしょう。長男との残りの3カ月を大切にしたいです。

小1次男はもはや週7日のサッカーとなってしまっている毎日で、親としてはもう少しオフを作ってあげたい思いと葛藤します。今は無双状態の次男ですが、井の中の蛙にならないよう、次なるチャレンジを応援したいと思う年の瀬です。

夫であるシェフは2人の子どもたちにとって、所属する地元チームのコーチでもありました。パパコーチという立場の難しさと、オーナーシェフという本職との両立に苦難する日々だったと振り返ります。

親にとっても子どもたちにとっても一度しかない自分の人生です。本人の想いを最優先にしつつ、それでも現状に甘んじることなく、時に難しいチャレンジへの背中を押してやり、やらぬ後悔よりも挑んでからの後悔を親子共に経験できたらと思います! 日々頑張る全国のサカママとその家族の皆さん、今しか味わえない一度きりの子どもたちとのサッカーライフを全力で共に楽しんで参りましょう!

WRITER PROFILE

Doppietta

東京・渋谷にて小さなイタリア料理店【カーサベッラ】を営むサカママとして「食トレイタリア料理」をテーマに日々実践していることを発信します。

サッカー兄弟(4月より小6&小1)、夫(オーナーシェフ・地元チームのコーチ・現役フルサッカー選手)、サカママ歴8年目で野菜ソムリエ食育フードジャーナリストな私の4人家族。

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