冬の遠征にも! 最強の補食「かぼちゃのポタージュ」
小さなイタリア料理店を東京・渋谷にて営むサカママとして、「食トレ×イタリア料理」をテーマに日々実践していることを発信していきます。
ジュニアアスリートの食事は試合当日の2時間前までに
あっという間に2025年も1カ月が過ぎ去り、チームの練習や遠征、スクールに明け暮れる日常に突入した我が家です。1月は体調を崩すことの多かった兄弟。胃腸に負担をかけず、それでいて必要なエネルギーを細かく補給できる食事とは何か、親子であらためて見つめ直す機会となったように思います。
「アスリートのための食トレ」の著者:海老久美子さんは、試合当日に食べるものの考え方として、エネルギー源を体内で最大限に貯められるように糖質中心であること、摂取したエネルギー源をうまく使うためのビタミン・ミネラル類の確保、そして摂取したエネルギーを速やかに使え、内臓に負担をかけないよう消化の良いものであること、と記されています。
試合の直前に無理してたくさん食べるのは最もタブー。よく噛まずに慌ててご飯やパンの糖質源を食べたとしても消化吸収が間に合わないので、試合中のエネルギー源として利用できないばかりか、お腹の負担となって身体の動きにマイナスに影響してしまうそうなので、食べる時間帯の調整が重要です。
そんな試合前や試合途中のエネルギー補給にピッタリな補食は何かと考え、たどり着いた答えが「スープ」。前回ご紹介した「トマト」をベースにいろいろな野菜をたっぷり使って作るミネストローネが、イタリアでは古くから家庭料理として家族の健康を支えてきた定番メニューですが、今回あえてスポットを当てるのは「かぼちゃ」です。
万能「かぼちゃ」で急速エネルギーチャージ
シェフいわくイタリア料理と「かぼちゃ」は縁深く、その栄養価の高さからトルテリーニやラヴィオリの詰め物、ニョッキに練り込むなど、手打ちパスタとの相性抜群の野菜だそう。自然の甘みを生かして、主食として美味しくいただける魅力的な「かぼちゃ」。
夏が旬の「かぼちゃ」ではありますが、日本でも冬至の日に「かぼちゃ」を食べる習慣があるほど、栄養価が非常に高い上に長期保存のきく貴重な野菜でもあります。
「かぼちゃ」のオレンジ色は見た目にも鮮やかで食欲をそそるのはもちろんですが、特にβカロチンが豊富で、野菜としては炭水化物も多いのでエネルギー源としても申し分ありません。ビタミンB群、C、K、ミネラル類も満遍なく含んでいるため、食の細いアスリートには大きな助けとなります。補食にこれほどピッタリの食材はないかもしれません。
そんな万能野菜「かぼちゃ」を寒い冬の遠征先でもうまく活用して、ジュニアアスリートのエネルギー補給を上手にしていきたいものです。
「かぼちゃのポタージュ」をスープジャーに入れて
今回は自宅でも簡単にできる美味しい「かぼちゃのポタージュ」の作り方をシェフ監修レシピとしてご紹介しますね。
なぜ「かぼちゃのポタージュ」が補食として最強なのか。それはカボチャの糖質+ビタミンを兼ね備えた万能さに加えて、牛乳が入ることでタンパク質をもプラスされるということに他なりません。
補食の選び方はその目的に応じて異なるわけですが、試合前であれば糖質を中心に、試合後であればタンパク質とビタミンを中心にした補食が、酷使した身体の素早い修復を助けてくれます。
ですから、「かぼちゃのポタージュ」を寒い冬のこの時期にスープジャーに入れて携帯していれば、試合前や試合後のタイミングを選ばずに、小腹が空いたときにいつでも活用できるというわけです。
かぼちゃのポタージュの作り方
監修:カーサベッラ オーナーシェフ 越川徹也
材料
•かぼちゃ 1/4個(300g程度)
•塩 適量
•牛乳 80〜100cc
•水 180〜220cc
•イタリアンパセリ 適量(お好みで)
作り方
- かぼちゃは蒸し器があれば蒸して柔らかくする。蒸し器の場合は種が付いたままでOK。蒸し器がなければ、種を外して柔らかくなるまで水から茹でる。
- 柔らかくなったかぼちゃの水気を切り、種と皮を取り除いて一口大の大きさにカット。鍋にお水とカボチャを入れて火にかけて15分程度煮込む。
- 塩を入れて、さらに5分煮込む。
- その後、牛乳を入れて中火にして、ポコポコしてきたら弱火に戻して5分火にかける。
- 火を止めて、ブレンダーやミキサーで回して鍋に戻す。再び5分火にかけて温まったら皿にうつし、あればイタリアンパセリを散らして完成。
蒸し器があるのがベストですが、蒸すのも茹でるのも難しい場合は電子レンジ500W で15分ほど温めて柔らかくする方法もあります。保存もできるので、一度にたくさん作ってしまって冷蔵庫にストックしておくと便利です。本物の「かぼちゃのポタージュ」を召し上がりたい方は、ぜひ私たちのレストランにいらしてみてくださいね。
ジュニアアスリートの親は「補食」≠「お菓子」と知っておきたい
8年目となる息子たちのサッカーライフをサポートする毎日は、日々私に気づきと学びを与えてくれます。
試合の合間や遠征先で、お腹が空いたら適当にその辺で何か買えば良いわけではないこと。適当なお菓子を与えれば満たされるわけではないこと。いつも肝に銘じ、口うるさく息子たちに話しています。
補食がどのような意味をもたらすのか、自分の身体にとって今何が必要なのか、ジュニアアスリートとして今からその意識を持つことが、これから長く続くであろうサッカーライフを大いに助けてくれると信じています。