走りが変われば、プレーが変わる!走力を伸ばすトレーニング
走力はトレーニングによって変わっていくもの。ここでは、サッカーの走りにつながるトレーニングをご紹介。回数をこなすより、一回でも“上手くできる”ことを意識して!
【TRAINING 1】肩甲骨落とし

- ❶右肩を引き上げて左肩を落とす→左肩を引き上げて右肩を落とす。
- ❷①を素早く6~8回繰り返す。3セット行う。
Point
- 肩甲骨を落とすような意識で行うこと
- 腹筋に力が入る感覚があればOK!
- 走るときに力を伝えるための原動力が肩甲骨。この動き(肩甲骨を落とす)を意識して走ると、身体の左右どちらにも力が入るように
【TRAINING 2】縄跳び[後ろ回し]
●後ろかけ足跳び

●後ろサイドステップ跳び

●後ろけんけん跳び

- ❶後ろ回しでけんけん跳びをし、大人が「ストップ」と声をかけたら止まる。
- ❷「右」「左」「右、右」など大人の声に合わせて、足を変えて跳ぶ。
- ❸大人が手をたたいたリズム(速さを変える)に合わせて跳ぶ。
★ ❶~❸をすべて跳ばなくてもOK。自由に楽しみながら親子でトライ!
Point
- それぞれ5分を目安に行う。回数ではなく、上手く跳ぶことが大事
- 後ろ回しをすることで自然と太ももが上がり、サッカーの走りで大切な前から足を捉える動作につながる!
- 「後ろサイドステップ跳び」を繰り返し練習すれば、走りながらターンしたり方向転換が上手くできるように
【TRAINING 3】腹筋けんすい
●骨盤を引き上げることを意識!

- ❶手を肩幅に開いて鉄棒を握り、膝を曲げる。
- ❷骨盤を引き上げることを意識して、身体を持ち上げる。
- ❸顎がバーの高さを超えたら元の姿勢に戻す。6~8回繰り返す。3セット行う。
●おろすとき腹筋に力を入れる!

- ❶手を肩幅に開いて鉄棒を握り、膝を曲げる。
- ❷顎がバーの高さを超えるまで、身体を持ち上げる。
- ❸骨盤を意識して身体をおろしながら、腹筋にも力を入れる。6~8回繰り返す。3セット行う。
Point
- 鉄棒は逆手(手のひらを自分の方に向ける)に握る
- 「腹筋けんすい」は難易度が高いので、最初はできなくてもOK。筋力が関係しているわけではないため、諦めずに続けていれば突然できるように
【TRAINING 4】シコ踏み
●ボールをつかんでシコを踏む

- ❶両足を肩幅より広めに開き、膝とつま先は外側にむける。
- ❷両手でボールをつかんで、シコを踏むように腰を落とす。
- ❸より深くしゃがみ、②に戻る。お尻を上下させるように、リズムよく②と③を繰り返す。3分を目安に繰り返す。
Point
- 両手でボールをぎゅっとつかめば、腹筋にも力が入る!
- 力のある子は、ボールではなく2Lのペットボトルを使うのがおすすめ
- 元の姿勢に戻る際(手順3)は、力を抜くことを心がける

- ❶両手でボールをつかんで、シコを踏むように腰を落とす。
- ❷さらに足を広げて止まり①に戻る。リズムよく繰り返す。
●膝と肘を合わせてシコを踏む

- ❶両足を肩幅より広めに開き、膝とつま先は外側にむける。
- ❷シコを踏むように腰を落とし、片方の膝と肘を合わせ、手首はくるぶしに近づける。
- ❸足をできるだけ高く上げ、ゆっくりおろす。反対の足も同様に行う。3分を目安に繰り返す。
Point
- できるだけ前傾にならないように意識する
- シコを踏むトレーニングを行うことで、股関節が柔軟に!
- 上げた方の足を使って、押し合い相撲をするのもおすすめ

- ❶片方の膝と肘を合わせて、後ろから足首を握る。
- ❷足を上げ、ゆっくりおろす。反対の足も同様に行う。
【TRAINING 5】曲線マーカー走

- ❶30mを目安に曲線になるようにマーカーを置く。マーカーの間隔は自分の3~4足幅分あける。
- ❷身体を斜めに倒しながら、マーカーの間を4足幅で、できるだけスピードを上げて走る。2~10セット行う。
Point
- 身体が斜めになっても足を前に出すことを意識
- マーカーの間を「4足幅」で走ることで、足がすぐ前に出るようになり、足を上げるベストな角度も身についていく
- 1セット終わったら、60秒以上休むこと
●直線マーカー走

- ❶30mを目安に、自分の3~4足幅分あけてマーカーを置く。
- ❷マーカーの間を4足幅で、速くリズムよく走る。2~10セット行う。
Point
- 「曲線マーカー走」の前に「直線マーカー走」を行うと、サッカーの走りで必要な足を速く動かす感覚をつかみやすい!
【TRAINING 6】腰引き前傾

- ❶大人は子どもの腰を両手でつかむ。
- ❷大人は腰を引っ張り、子どもは身体を前に倒して歩く。
- ❸3~5歩進んだら、軽くダッシュする。2~10セット行う。
Point
- 子どもは前に倒れないように踏ん張りながら進むこと
- 手で腰を引っ張ることで左右の力加減が変わるため、子どもはそれが刺激になり、身体の左右どちらにも力が入るように
- 大人は時々力を抜いたり、声をかけてから手を放すなど変化をつけて!
【TRAINING 7】坂道ダッシュ

10~30mの坂道を全力でダッシュする。連続で6~10セット行う。
Point
- 坂道は前に足を運ばないといけない環境なので、足を速く動かせるように
- 道路で行う場合は、歩道が3mほどある場所を選ぶこと
サッカー日本代表・三笘薫選手が「子どもたちに教えたい簡単にできる『走力』の伸ばし方」とは?
「人それぞれ子供の頃からの体の動かし方の癖があり、そうした癖は走り方にも出てくるものである。自分の歩き方を細かく意識してみてほしい。『つま先重心』なのか、『かかと重心』なのか、猫背気味なのか、胸を張って歩いているのか――など、必ず気がつくことがあると思う。(中略)そういう体の使い方の癖が走り方にも表れてくる。
普段何気なく動かしている体だが、その動きが1㎝でも変われば走った際のスピードも変わってくる。『走る』というのは『全身運動』であるため、体の一部を変えても変わってくるのだ。(中略)自分でも、日々の練習でもっと前傾を強めて走ってみようとか、腕の振りを意識してみようとか、試行錯誤してみるのも良いと思う」
写真/野口岳彦