子どもが体調不良の時にこそ食べて治したい「トマトソースのパスタ」
小さなイタリア料理店を東京・渋谷にて営むサカママとして、「食トレ×イタリア料理」をテーマに日々実践していることを発信していきます。
1週間のオフ期に死守するべきは「生活リズム」
年明けて数日後に、胃腸炎になった小学5年生の長男。年末年始はチーム練習も休みとなり、1週間のオフ期に突入。すっかり気持ちに油断が生まれていたのではないかと思います。
『アスリートのための食トレ』の著者:海老久美子さんは、著書の中で「休暇は油断をして誘惑に負けるほど、休暇からの復帰に時間がかかる。休暇中に死守して欲しいのは生活のリズムで、ジュニアアスリートほど未熟がゆえに簡単に築きあげたリズムを崩してしまう時期」だとも記されています。
この休暇中、大きく生活リズムを崩した意識のなかった私たちではありますが、今回嘔吐でほとんど思うように食べられなくなってしまった長男。もともと痩せ型で体格も小柄なので、ますます体重が落ちてしまうのが最も懸念ポイントでした。
そんなとき、我が家ではイタリア人の古くからの知恵を取り入れて、快方へ向かうよう努めます。
体調が悪いときには「お粥」や「おじや」を食べさせるのが日本人の常識だと思いますが、イタリア的には「チーズのリゾット」や「トマトソースのパスタ」が一般的だそう。
本来ならチーズのパスタやリゾットをお勧めしたいところですが、美味しくて手ごろなチーズを一般家庭で入手することが非常に難しいのと、体調不良のときにチーズを食べることに馴染みがまだ日本にないことから、今回は「トマト」をあえて取り上げたいと思います。
赤いトマトの「抗酸化」の力で体をメンテナンス
シェフの友人のイタリア人は昔から、胃腸が弱っているときや風邪をひいた際に「トマトソースのパスタ」を食べて体調を取り戻すそうです。
トマトの赤色や独特の香りが元気を与えてくれるのはもちろんですが、実際の効能としてトマトには「抗酸化」作用があり、体に溜まってしまった活性酸素を排出する働きを助けてくれます。
紫外線やストレス、脂肪分の多い食事によって、体内に活性酸素が過剰に生み出されるようになり起こることが多い体調不良。夏の野菜トマトは、紫外線を浴び過ぎた体のメンテナンスとして理に適っているわけです。そんなジュニアアスリートの強い味方「トマト」。冬場はトマト缶をうまく活用して体の調子を整えていきたいものです。
「トマトソース」を作ってストックしておくのが吉
今回は、自宅でも簡単にできる美味しいトマトソースの作り方をシェフ監修レシピとしてご紹介しますね。
ホールトマト缶は、完熟した最も美味しい時期のトマトを凝縮して缶詰にしていることが多いので、自宅に常備しておくのがおすすめです。成分表示を見て、余計なものが入っていない缶詰を選んでくださいね。
開けたてのホールトマト缶を味見してみるとわかりますが、缶の匂いがついて鉄っぽい臭さと酸味が強いので、これを丁寧に煮込むことで美味しくします。
▼トマトソースの作り方
監修:カーサベッラ オーナーシェフ 越川徹也
材料
•ホールトマト缶:1缶
•塩:少々
•オリーブオイル:少々
作り方
- オリーブオイルで温めた鍋にトマト缶を入れて熱する
鍋にオリーブオイルをひと回し入れて熱します。
十分に温めた鍋に、一気にトマト缶を入れて強火にします。 - トマトを丁寧に潰す
トマトを潰す前に火を弱めたら、木べらやホイッパーでトマトを丁寧に潰します。熱いので火傷に十分に注意して潰してくださいね。トマトが潰れたら、塩を1つまみ、オリーブオイルを少々入れ、よく混ぜたら強火にします。 - 20分しっかり煮込む
強火にしてポコポコとしっかり沸騰してきたら、弱火にして20分しっかり煮込みます。
この3つの過程で驚くほどマイルドでまろやかな甘さのトマトソースができあがります。茹でたパスタに温めたトマトソースをかけてシンプルに食べるだけでもOK。グラナパダーノチーズなどのパウダー状のチーズがあれば最後の仕上げにふりかけて召し上がっていただくのもおすすめです。
本物の「トマトソースのパスタ」を召し上がりたい方は、ぜひ私たちのレストランにいらしてみてくださいね。
ジュニアアスリートの親にできるのは「食」と「生活」を整えることのみ
息子たち二人のサッカーライフと共に、私も気がつけば8年目のサカママとなり、あらためて思います。
ついつい子どものプレイについて言い過ぎてしまう反省の日も多々ありますが、親がサッカーのことに口を出す以前に、子どもの食についてもっと勉強して視野を広げることが、何より大事なのではないかと感じています。
私自身も日々勉強であると痛感し、情報収集しながらトライ&エラーを繰り返しています。サカママの地道な食トレ探究への一歩が、ジュニアアスリートを本当の意味で応援していくことになるのではないかと信じています。