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夏の「ブッフェ」から考える野菜とフルーツの活用法

夏の「ブッフェ」から考える野菜とフルーツの活用法

小さなイタリア料理店を東京・渋谷にて営むサカママとして、「食トレ×イタリア料理」をテーマに日々実践していることを発信していきます。

長いと思っていた夏休みも過ぎ去ってしまうと、なんとも物悲しい気持ちになる9月。自営業の我が家は、サッカーの予定の合間を縫って1泊2日の旅行を中心に、長男にとっては小学生最後の夏休みを家族や友人と満喫しました。

普段以上に食トレにも親子で真剣に挑み、身長をググっと伸ばそうと試みていましたが、今ひとつその成果が出たのかは今のところわかりません。これらの努力はきっと貴重な助走期間となり、秋からグッと身長が伸びることを信じて、9月を過ごしていこうと思います。

好きなものに思い切り偏りがちなブッフェ食で大切にしたいこと

今年から、息子たちがお世話になっているチームの夏合宿の宿泊先が変わり、ブッフェスタイルに変わりました。食事の質自体も例年よりもかなり改善されたようで、親としては一安心。ただ、ブッフェはいろいろな種類の食べ物が必要な量だけ食べられるというメリットがありますが、自主性に任せすぎると好きなものだけに偏って食べてしまうという懸念もあるのが正直なところです。

こちらのコラムでも何度も紹介している「アスリートのための食トレ」の著者:海老久美子さん曰く、ブッフェでまずやるべきことは、どんなメニューがラインナップされているのか全体をチェックすること。そして全体を把握したうえで作戦を立てることがポイントだそうです。主食、主菜、副菜、乳製品、ドリンク、デザートをどのように構成するか作戦を立てるということです。

長男の夏合宿のブッフェにて自分で構成した1皿

ベーコン、ソーセージ、ハムは脂肪の摂りすぎになる肉類ですが、それ以前にブッフェに並ぶ加工肉はとんでもない量の添加物にまみれたものが多いので、あまり積極的に摂らないことを個人的にはおすすめします。肉野菜炒めや焼き魚でタンパク質を補ってもらうほうがベターです。それに加えて卵料理は必ず1品摂れると安心です。

納豆がカップのまま用意されていることも多いので、積極的に活用しましょう。お碗のような器に移し替えて、白くなるまでよく混ぜてからタレを入れ、またさらによく混ぜるのがポイントですが、タレも味付けが濃くなっているようなものも多いので、シンプルに醤油を垂らして食べるのが一番良いと私は考えています。

ブッフェで重視すべきは「サラダバー」と「フルーツ」

ブッフェの特徴の一つにサラダバーがあることが多いですが、試合当日や直前に生野菜をたくさん食べると体を冷やすことになるので、注意が必要だそうです。また、マヨネーズであえたものは脂肪が多いので試合前は避けたほうが無難です。食物繊維が多い野菜もお腹に不快感をもたらすことがあるので、わざわざ試合前に食べることはありません。

サラダバーのポイントは彩り豊かにチョイスすること。お皿をカラフルにするということはいろいろな種類の野菜が入っているということで、摂れる栄養素が豊かになります。

私は無類の野菜好きなのでサラダバーが昔から大好きで、かなり経験値を積んできました。海藻など用意されているときは積極的にサラダに乗せるようにしています。これは結構大事なことで、海藻でしか得られない栄養素があるので、旅行先で栄養素が偏りがちなときは特に見逃さないようにしたいです。極論サラダバーに最も力を入れてブッフェを活用することで、かなりのバリエーションの食材を体に取り込むことができます。

夏休みのホテルブッフェでの私のお皿。奥が山盛りサラダ。手前は納豆カップ。

とはいえ、鮮度が怪しかったり、薬で洗浄されていたりする野菜が用意されていることも多いので、注意が必要です。そんな劣悪な野菜には味付けの濃いドレッシングが用意されていることが多く、味をごまかして食べることになりがちですが、このときもサウザンドやシーザードレッシングのようなクリームタイプのものよりも、イタリアンや和風などのセパレートタイプのドレッシングのほうが脂肪分や添加物が少なめです。本当はシンプルに塩とビネガー、オリーブオイルで食べるサラダが一番美味しく野菜の味を引き立てます。

ブッフェに柑橘系100%果汁のジュースがもしも用意されていればラッキーです。ぜひ活用しましょう。ただ最近はボタン1つで出てくるような砂糖たっぷりのドリンクバーのような機械しか用意されていないブッフェも多いので、選べるものは正直少ないかもしれません。

サラダバーと同時にブッフェでうまく活用したいのがデザート系。ヨーグルトがあればカルシウムと乳酸菌を一挙に補給できるので、1カップを目安に食べたいです。

さらにフルーツは、抗酸化作用の要として活性酸素を除去してくれる役目もあり、腸内環境を整えてくれるプレバイオティクスが豊富なので、数種類のバリエーションを朝でも夜でも摂ることを意識しましょう。ミネラルバランスを整えるカリウムやエネルギー源の糖質が豊富な「バナナ」。トリプトファンというアミノ酸が豊富に含まれる「キウイ」は朝でももちろんOKですが、夜に食べるのがさらに効果的だそうです。疲労回復のクエン酸が多い「ミカン」などの柑橘類をバランスよく取り込めると良さそうです。

ちなみに我が家はキウイがかなり有効なフルーツであることを知ってから、凍らせて冷凍庫で予冷したスープジャーに入れて遠征に持たせることを始めました。試合後に冷えたキウイはかなり体に染み入るようです。

凍らせたスープジャーに冷凍させた「キウイバー」、下には「ヨーグルト・蜂蜜・バナナ・キウイ・塩を混ぜて凍らせた自家製シャーベット」

今の時期だと、梨やブドウが美味しい季節になってきたので、タッパーに入れて保冷バッグに入れておくだけで、途中休憩の栄養補給にぴったりです。ぜひお試しください。

37度まで気温が上がった遠征でも、フルーツは子どもたちの喉を通りやすく、すぐさまエネルギーとなってくれます

ちなみにですが、夜のデザートにはキウイが最も良いですが、実はフルーツ全般を最も摂取するのにベストなタイミングは間食です。つまり、補食やおやつに最も適しています。お腹がいっぱいになった後のデザートとしてたくさん食べるよりも、お腹が空いているときにエネルギーチャージとして体に取り込むことが一番効果を発揮してくれます。

色鮮やかなイタリアンピクルス「ソットアチェート」で体を急速リカバリ

我が家の子どもたちは山盛りサラダを毎食のように平らげるので、野菜嫌いのお子さんの家庭のご苦労は身をもって体感できないのですが、ポイントは美味しい野菜を探すことに尽きるのではないかと思います。

都内に住んでいる場合、残念ながら近所のスーパーには基本的に美味しい野菜は存在しません。それをサラダとして生で食べても美味しくない! と嫌いになってしまうお子さんの味覚はある意味正しいのだと思います。

そんなときにおすすめなのが、イタリアのピクルス「ソットアチェート」。私の大好物でもあり、我が家の子どもたちも大好きです。これはあらゆるレストランで食べ歩いてきましたが、うちのシェフほど美味しくソットアチェートを作れる人を私は知りません。

単に酸っぱくなりがちなピクルスですが、優しい酸っぱさで仕上げるのだから見事です。塩とビネガー、白ワイン、水を沸騰させ、すべての野菜を順番に茹でて火入れすることがポイントです。よく水を切ってからブレンドオイルに漬け込みます。

「塩・ビネガー・白ワイン・水」を沸かせて、色の白い野菜から順にしっかりと茹でていく

「塩&ビネガー=保存」であり、野菜の毒素を抜くのも塩、保存性を高めるのも塩。イタリア料理のポイントになるのが塩といっても過言ではありません。

カリフラワー、玉ねぎ、ニンジン、きゅうり、パプリカ、ミョウガ、マッシュルームなど彩りも鮮やかで美しく、あらゆる野菜が一挙に摂れるのも魅力です。残暑厳しい日差しのもと疲れた体を癒すのにぴったりの料理です。

私たちのレストランの夏のニュースといえば、元サッカー選手の小野伸二さん、原一樹さん、小野正朋さんが食事にいらしてくださいました。サッカーファミリーな私たちにとってこれほど光栄なことはないと痛感する夜でした。

後期に向けて親子で何を整えるか

9月となりサッカーは後期に突入です。小1次男には秋の区民大会や初めてのブロック大会が控え、小6長男には小学生最後の集大成となる全日本U-12サッカー選手権大会ブロック予選、後期リハウスリーグが控えています。

酷暑の中でハードワークを続けた体をリカバリしつつ、ケガを予防しながら、次にファイトするためのエネルギーを子どもたち自身が考えながら摂取していけるようにならなくてはなりません。

厳しい環境の中で頑張る子どもたちの体とメンタルを継続的にケアできるよう、親である私たちが正しい知識を身につけ、気持ちを整え、彼らに向き合いサポートしていきたいものです。

WRITER PROFILE

Doppietta

東京・渋谷にて小さなイタリア料理店【カーサベッラ】を営むサカママとして「食トレイタリア料理」をテーマに日々実践していることを発信します。

サッカー兄弟(4月より小6&小1)、夫(オーナーシェフ・地元チームのコーチ・現役フルサッカー選手)、サカママ歴8年目で野菜ソムリエ食育フードジャーナリストな私の4人家族。

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