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新シーズンのスタートを支えるタンパク質の王様「パルミジャーノ・レッジャーノ」

新シーズンのスタートを支えるタンパク質の王様「パルミジャーノ・レッジャーノ」

小さなイタリア料理店を東京・渋谷にて営むサカママとして、「食トレ×イタリア料理」をテーマに日々実践していることを発信していきます。

新生活の始まりにドキドキとワクワクが入り交じる4月。この春、我が家も長男が6年生、次男が1年生へと進級し、新たな出会いが親子をまたどんな世界に導いてくれるのか、楽しみと不安が入り交じります。

子どもたちのサッカーも新たなチーム編成で新シーズンがスタート。この1年、何よりケガに気をつけて、自分の体のことを真剣に考え、初心を忘れずに頑張ってほしいと願うばかりです。

私自身も初心にかえると、食トレに興味を持ったのは、まさに今回のテーマでもある試合やハードな練習の直後に何を即座に摂取すべきかを知った時です。

試合後30分以内に摂取すべきはタンパク質&糖質

「アスリートのための食トレ」の著者:海老久美子さんは、一つの試合が終わった後に考えるべきは何よりも疲労回復。試合直後はホッと気を抜きたい気持ちも分かりますが、その前に「儀式」を済ませておきましょう。試合終了後のできれば30分以内に糖質源とタンパク質源を補給してくださいと記されています。

試合で酷使し、傷ついた身体にエネルギー補給をし、さらに修復するため。実感として疲労がなくても、筋肉や組織には確実に負担がかかっており、さらに試合直後は内臓も疲れているので、消化の良いものであることも大前提だそう。運動直後に摂取するだけで速やかな体の回復につながるというのだから、親としては絶対に学んで実践させたいものです。

時間も場所も取れないときは、柑橘系のフルーツが入ったヨーグルトやヨーグルトドリンクを、時間に余裕があるときは果物とヨーグルトを、お腹が空いているようであればチーズパンに100%果汁を。それを頭に入れておくだけでも、用意すべき補食は変わってきます。

我が家ではこの知識を得てから、お店で仕入れるブロックのパルミジャーノ・レッジャーノを小さくカットしてもらい、小分けにして遠征などに持ち歩くようにしました。

次男のサッカースクールでも、レッスン後にお菓子の代わりにチーズを交換したらとても喜ばれ、それをきっかけにチーズが好きになった子が多数いて、とても嬉しかったです。

小分けのパルミジャーノ・レッジャーノが売られているので持ち運びにも便利

パルミジャーノ・レッジャーノは24カ月以上熟成のものがおすすめですが、なかなか手に入らないので熟成期間が短くとも見つけたらぜひご賞味ください。

なぜ、パルミジャーノ・レッジャーノがジュニアアスリートにぴったりのアイテムなのか。それはイタリアで、医者も勧めるほどの滋養に満ち溢れた食材だからです。赤ちゃんの離乳食から、お年寄りの栄養補給まで担う、最強のチーズです。無添加で、しかも消化吸収が速いのが特徴の食材ですから、ジュニアアスリートには願ったり叶ったりの食材なのです。

今回は「パルミジャーノ・レッジャーノチーズ」にスポットを当てていきます。

元気なときも病気のときにも作りたい「パルミジャーノ・レッジャーノのリゾット風」

風邪をひいたり、胃の調子が悪いとき、私たち日本人はあっさりとしたお粥やおじやなどを食べて胃を休ませますが、こんなときイタリア人は何を食べるかというと、米やパスタを水で茹でた「リーゾ・イン・ビアンコ」や「パスタ・イン・ビアンコ」です。

消化が良くて口当たりも良い、スルスルっと入るものを好むのは同じですが、さすがイタリア人。味付けは粉末のチーズとオリーブオイルと塩。日本人は体調が悪いときにおよそ口にできないものですが、イタリア人にとっては小さい頃から食べ慣れた基本の調味料なので、一番ホッとする味なのです。

私自身も次男が赤ちゃんの頃、炊いたご飯にパルミジャーノ・レッジャーノをたっぷり振りかけて、出汁でお粥のようにお米を柔らかくさせて、離乳食としてパルミジャーノ・レッジャーノのリゾット風を作って食べさせていました。そのため、すっかり味覚はイタリア人のようなグルメ舌の子どもに成長しています。

今回は自宅でも簡単にできる「パルミジャーノ・レッジャーノチーズのリゾット風」の作り方をシェフ監修レシピとしてご紹介しますね。

名前が長いので半分に略されて呼ばれることの多いパルミジャーノチーズ。正式名は「パルミジャーノ・レッジャーノ」です。これもチーズの多くがそうであるように、生産地の地名に由来しています。

生ハム産地としても有名なパルマ、隣町のレッジョ・エミリア。それぞれの町の形容詞形であるパルミジャーノとレッジャーノをくっつけて、この名前になりました。

日本では粉末の「パルメザンチーズ」が早くから普及しましたが、これはアメリカのチーズで作ったアメリカの製品です。イタリアのパルミジャーノ・レッジャーノを手本にした似た味わいですが、同じものではありません。

出典:「イタリア料理の常識・非常識」 吉川敏明

パルミジャーノ・レッジャーノのリゾット風の作り方

監修:カーサベッラ オーナーシェフ 越川徹也

材料

・ご飯 1膳
・パルミジャーノ・レッジャーノ 150g
※固形の場合は削って使い、パウダー状のものがあればそのまま使う
・昆布出汁または かつお出汁 100cc
・エキストラバージンオリーブオイル 15g

作り方

  1. 出汁を鍋に入れて沸かしておく。
  2. 沸騰したらご飯を入れる。3〜4分木べらで混ぜながら火にかける。
  3. 水分がなくなってきたら弱火にして、オリーブオイルとパルミジャーノ・レッジャーノを半分入れる。
  4. よく混ざったら火を止めて残りのチーズを入れる。
  5. 空気を含ませながらよくかき混ぜ、皿に盛り付けて出来上がり。

トリュフとパルミジャーノ・レッジャーノのリゾット いろいろなバリエーションがあります

「パルミジャーノ・レッジャーノのリゾット風」の良いところは、炊いたご飯があれば手軽にすぐできるところ。冷やご飯や冷凍ご飯の場合は温めてから料理すると、素早く仕上がります。

ポイントはチーズを2回に分けて入れることです。オリーブオイルは風味や香りとして楽しむ要素もありますが、保温のために使用しています。リゾットがすぐに冷めないように、オリーブオイルを入れて作るのがおすすめです。本物の「パルミジャーノ・レッジャーノのリゾット」を召し上がりたい方は、ぜひ私たちのレストランにいらしてみてくださいね。

どんなに疲れ切っていても、精神面をフォローしながら食事へ導く

どんなに疲れ切っていたり、落ち込んでいたり、はたまた親がイライラしていたとしても、必要な栄養素を摂らないことには次への備えができないことを私たち親が忘れてはいけません。疲労回復のためにタンパク質、ビタミン、ミネラルは絶対です。

これまでご紹介した「かぼちゃのポタージュ」「ニンジンのサラダ」でビタミンとミネラルの補給は完結します。そこにプラスすべきが今回の「パルミジャーノ・レッジャーノのリゾット風」なのか「トマトソースのパスタ」なのかは食べる時間帯や材料の有無、本人の気分に合わせて変えてみてくださいね。

そんなことを綴っている私も、当然ながら毎回スムーズにうまくできているわけではなく、提案したメニューに子どもたちの気分が乗らないことも多々。そんなとき、こっちも疲れているんだからとガミガミ言ってしまう自分の失敗パターンを何度も踏んできましたが、その気持ちを大人が頑張って抑えて、本人たちの気持ちに寄り添ってメンタルフォローを優先できると、家庭の平和が保たれることを最近も学んでいます。

精神的な疲労は、肉体的な疲労以上に周囲からは分かりにくいものだそうです。私たち親は体への疲労だけでなく、心の部分にもより注意深く目を配る用意をして、適切な食事を気持ちよく摂れるように導いてあげたいものですね。

WRITER PROFILE

Doppietta

東京・渋谷にて小さなイタリア料理店【カーサベッラ】を営むサカママとして「食トレイタリア料理」をテーマに日々実践していることを発信します。

サッカー兄弟(4月より小6&小1)、夫(オーナーシェフ・地元チームのコーチ・現役フルサッカー選手)、サカママ歴8年目で野菜ソムリエ食育フードジャーナリストな私の4人家族。

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