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大きな声で応援したいママ必見! 親の応援する姿が子どもに与える影響

大きな声で応援したいママ必見! 親の応援する姿が子どもに与える影響

みなさんは、親の「応援」が子どもたちに影響を与えると感じた経験はありませんか? 私は、次男がある大会から帰る車の中でふと言った言葉で、応援ってやっぱり力があるんだなと気付かされました。

「今回優勝できたのはさ、応援のおかげもあったと思うんだよね。親たちの応援の声が一番元気だった」

こんな言葉をもらった私は、2日間、雨にも負けず風にも負けず(初日は嵐のような天候の大会でした)応援を頑張ってよかった~! と感動しました。それと同時に、いったいなぜ次男は今回の応援を良かったと感じたのか? いつもと何か違ったのか? 不思議に思って解明したくなりました。そこで今回のコラムでは、親の応援の影響力について考えてみたいと思います!

大きな声で応援する親は珍しくなっている?

長くなってきたサカママ歴を振り返ってみると、最近は子どもの試合観戦中、大きな声で応援する親が少なくなってきているような気がします。

なぜ大きな声で応援しないのか、または応援したくてもできないのか?

この疑問の答えを探して、いろいろな大会の動画を見返したり、サカママ、サカパパたちに話を聞いたり、試合中の観客席側を観察したりするなかで、大きな要因が3つあるのではないかと考えました。

① 失言をしないよう慎重になっている!

昨今は、試合中に親がコーチのような声掛けをすることはご法度として周知されています。ベンチ側からも観客側からも指示のような声掛けが飛び交えば、子どもは混乱してしまうでしょうから、これはとても重要なことです。

もっとまずいのは、親がダメ出ししている声や、審判のジャッジに文句を言うような声です。子どもは試合に集中できないでしょうし、気持ちは盛り下がると思います。だから、観戦中に興奮してこうした失言をしないよう、精一杯気をつけている親が非常に多いようです。思わず失言してしまうくらいなら、じゃあもう何も言うのをやめよう、黙っていよう、という気持ちで静かにしている親もいるようです。

② 試合を撮影する人が増えている!

今は昔と違って、誰もが気軽に動画を撮影できる時代です。動画を撮って後から見返したい親にとっては、自分がワーワー叫ぶ声が収録されていたらゲンナリするでしょう。そのため、静かに黙々と撮影をします。親たちが各々で撮影をしていたら、観客側は撮影機器を構えている人たちだらけで、より静かです。

私もたまに撮影を担当することがあるのですが、興奮すると画面はブレブレ、チームに元気がないと我慢できず盛り上げたくて大声を出し、ゴールが決まるとキャーキャー叫ぶ、とんでもない動画に仕上がるため、なるべく記録用は担当しないようにしています(泣)。

③ 大きな声での応援は恥ずかしいと思っている!

必死に応援することに恥ずかしさがあったり、逆に子どもが恥ずかしがるのではないかと不安だったり、子どもの邪魔をしたくないという気持ちの保護者もいるようです。

本当は大声で我が子にエールを送りたいけど、サッカーのことはよく分からないし、変に目立ちたくないからやめておこう、、、そんなふうに思っているサカママもいるかもしれませんね。

振り返ってみると、コロナの影響も少なからずあったなと思います。無観客、声出し応援NGなど、スポーツ界全体が応援を封じられていた時期がありましたよね。声を出すこと自体がマナー違反とされ、ただ黙ってソーシャルディスタンスで子どものサッカーを見守る数年間を経て、私たち親は、みんなで集まって大きな声を出してチームを応援する、という行為から遠ざかってしまったのかもしれません。

応援が持つ2つの重要な役割

そもそもの話、応援って必要ですか? という疑問すら出てきそうな時代ですが、個人的には声を大にして「必要です!」と答えたいです。応援には大きく2つの役割があるとされています。(※1)

① 試合時に選手がより良いパフォーマンスを発揮できるようにする

実際にさまざまな研究によって、声援がある状態とない状態では、選手のパフォーマンスに差があるという結果が出ています。(※2)

② 試合時に選手が抱える心理的な問題に対するサポートをおこなう

強い相手に立ち向かうとき、疲れてきたとき、失点したときなど、どうしても弱気になる場面はあると思います。そんなとき、観客側からの大きな声援は選手に力を与えます。

ある調査では、大きな拍手や「がんばれ」という声援によって「不安に感じる状態から脱することができた」「積極的にプレイできた」など、選手がポジティブになれたことがまとめられています。(※1)

応援されることで気付くサポーターのありがたみ

サッカーという競技にはサポーターと呼ばれる人々が存在します。熱心に応援や援助に力を入れるサポーターたちの存在が、サッカーの試合をより一層盛り上げ、魅力的なスポーツとして際立たせていると思います。実際に、観客数が増えるほどホームチームの得点は有意に上がるという実証データもあるほどの影響力です。(※3)

少年サッカーでそこまで盛り上げる必要はないにしても、外から懸命に応援してくれる人たちがいる、にぎやかな環境でプレイする経験は大事だと思います。声援によって自分の力がみなぎって、普段以上に頑張れた経験をすれば、子どもは応援してくれる親たちへの感謝の気持ちを自然と持つようになります。人間的な成長がそこにはあるはずです。

サッカーに限らずですが、応援する人・される人がいることで、スポーツは最高のエンターテインメントになり得るのだと思います。

どんな声援がプラスになるのか? 良い例と悪い例

それでは、具体的にどんな声援が選手たちのモチベーションを高め、パフォーマンスを上げるのか、良い例と悪い例をまとめてみました。

【良い例:選手を勇気づける声】

・シンプルな褒め言葉
 例)ナイス! すばらしい! かっこいい! すてき!

・シンプルに励ます
 例)できる! やれる! 大丈夫!

・黄色い声援
 例)キャー! と盛り上がる
黄色い声援には「え?」と思われた方がいるかもしれませんが、実は科学的に選手のモチベーションが高まることが証明されているそうですよ! (※4)

【悪い例:選手の心をくじく声】

・からかい、やじ
・指示、命令
・批判、ダメ出し

ちなみに「応援のおかげで優勝できた」と言っていた大会について次男に振り返ってもらい、どんな声援が良かったのか聞いてみたところ、パパたちの「うまい!」とか「できる!」という声を真っ先に挙げました。気持ちがのって、楽しくプレイができたそうです。

「ママも結構声出して応援していたんだけど、何か覚えてない?」と聞いたら「全く記憶にない」と言われました(爆笑)。少なくとも邪魔になる声援になっていなくてよかったと、プラスに捉えています。子どもたちの集中力を削ぐような声や、傷つける発言でなければ、あまり難しく考えなくてもいいんだなとも教えてくれました。

声援のある環境は素晴らしい

私の中でとても印象に残っている声援があります。それは、長男が小学生のときのチームメイトのママの声援です。いつもいたってシンプル、ただわが子の名前を呼ぶだけなんです。でも、ここぞという場面で、普段大きな声を出さないママが必死にわが子の名前を叫んでいる姿に、一緒に応援しているみんなの心までギュン! と高まるのです。そしてママの声援を受けると、子どもの動きのスピードも一段上がり、プレイが輝いていました。本当に忘れられない声援です。

せっかくの大事な大会で、子どものプレイを品定めするように押し黙って見ている環境は重苦しく、スポーツの魅力が失われるような気がします。何より子どもたちが楽しくないでしょう。だから、やっぱり私は子どもたちのチームのサポーターとして、とくに大会に出たときは元気に盛り上げる“声援”を送り続けたいです。

そして、恥ずかしがらずに元気に応援するサカママがもっと増えたら嬉しいなと願っています! 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

参考文献

※1 「運動中の応援の効果」 大阪府立高津高等学校
※2 「応援によってアスリートのパフォーマンスは向上するのか」 東京大学、パナソニック野球部、パナソニックAug Labによる共同研究
※3 「観客数がプロサッカー選手のパフォーマンスに与える影響の実証分析」 高知工科大学 経済・マネジメント学群
※4 「スポーツにおける声援がアスリートに与える心理的影響」 岐阜協立大学

WRITER PROFILE

まりこ
まりこ

臨床心理士/公認心理師/食育指導士
13歳と9歳のサッカー兄弟のサカママ。サカママ歴12年。
長男はおっとりマイペースに地域の街クラブでサッカーを楽しみ、次男は強烈な負けず嫌いを活かし強豪クラブで切磋琢磨。心理の専門知識が役立った経験を踏まえ、実体験や失敗も絡めながら情報を発信していきたいと思います。

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