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サッカーを通して、何を学んでほしい?

体力、チームメイトに対する思いやり、コミュニケーション力、リーダーシップ、集中力、忍耐力…など、サッカーを通して学べることはたくさんあります。
成長期の子どもにとってサッカーにはたくさんの学びの要素が含まれていて、この先の子どもたちの人生に役立つスキルを身につけることができます。
親として、サッカーを通して、わが子を自立した人間に育てるために活かしてほしいと僕は考えます。

たとえば僕の場合、ゴールキーパーというポジションを経験することによって、自分で考える力(判断力)、自分で決める力(決断力)、そして人を動かす力(指導力)、そしてその決断と指示に対して責任をとること(責任感)を学び、キャプテンという役割を担うことでリーダーシップやコミュニケーション力を身につけることができたと実感しています。
これらの力は、この先の人生でも生かしていける自分の武器として今後も自分を支えてくれる存在になっていくと確信しています。

こういった武器を身につけることができたのもすべて、直面する課題に逃げずに取り組み、真剣に向き合ってきたから。壁にぶつかり、悩み、苦しんだ経験の末に答えを見つけることができたからだと思っています。

諦めずに続ける。もっと良くなる方法を考える。工夫する。人より多く努力する。
そういった小さな積み重ねが自信になり、自分の力で次のステップに進むことで、人として成長することができる。

逆に言えば、真剣に悩み、その壁を打破しようとする時にしか出せないパワーがあると思います。何をやっても上手くいかない時に、人は新しい方法に挑戦し、新しい道を切り拓きます。

自分と徹底的に向き合い、得ることができた判断力、決断力、指導力、責任感は、自分がこの先の人生を生きていくうえでも自分にとって最大の武器です。
親がしっかりと目的を持ってサッカーをさせることによって、目先の試合の勝ち負けに一喜一憂せずに、試合の中でできたこと、できなかったことを具体的に上げ、今後の成長につなげることができます。

勝負にこだわり全力でプレーをさせることは大切なことです。しかし、育成年代では勝敗だけが評価の対象ではありません。
勝敗だけに焦点を当てすぎると、「勝つためならどんな手を使っても良いのか」、「負けたらすべてがダメだったのか」と考えてしまいがちですが、決してそんなことはなく、負けた試合の中でもできたことや良いプレーはあり、勝った試合の中でも反省点や課題はあるはずです。

それこそが「確かな自信」や「成長のチャンス」で、そこに目を向けられる子が次のステップに進める選手だと思います。一番大切なのは、「子どもの成長」。その目的から外れることなく、子どもの人間としての成長をサポートしてほしいと思います。

WRITER PROFILE

野田恭平
1981年、神奈川県生まれ。サッカー親子講師。東京V、琉球、岐阜などでゴールキーパーとして活躍。現在は、全国のサッカー少年と保護者を対象に親子向けの親子イベントを開催し、「スポーツを通した人間育成」と「子どもの可能性を最大限に引き出す親のサポートの在り方」をテーマに講演活動を展開。また、JFAこころのプロジェクトのメンバーとして、「夢を持つことの大切さ」と「夢に向かって努力することの大切さ」を子どもたちに伝える活動を行なっている。サッカー少年を育てるママの悩みに真剣に向き合い、絶大な信頼を得ている。