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子どもの試合を「観に行かない」という選択

皆さまこんにちは!
サカママコラム第8回目。今回は、子どもの試合の観戦に2ヶ月行かなかった結果、親と子の関係はどうなったか、子どもの変化についてお話ししたいと思います。

子どものサッカー観戦を生きがいとしている私が、観に行かないという決断をしたきっかけ

チームを移籍して2ヶ月が過ぎた頃の長男。この日は午後から試合だったため、午前中は塾の試験を受けに行きました。その試験中にお腹が痛くなったようで、途中で帰宅。その時点で長男のテンションはだだ下がり…。

もともと気持ちの切り替えが得意ではない長男ですが、それでも何とか「試合は頑張る!」と会場に向かいました。

これまで観戦の人数制限がない試合は、夫と私と次男の家族揃って長男の試合を観戦していました。それが週末の楽しみでもありました。

しかし、結局この日は午前中のテンションの切り替えが出来ないまま試合に入ることに。

観ていてイライラが募る試合…。試合中、保護者が何か言うのはNGなので黙って見ていましたが、自信のないプレーでミスをする→どんどん落ち込む。そんなしょんぼりした顔でサッカーをしていては勝てるものも勝てない、これまで観た長男の試合で過去一番酷いプレーでした。

案の定その日は途中交代やらでいつもより出場時間が少なく。私のイライラはMAX!!

次男のスクールの送迎があり途中で帰る予定だったので、休憩に来た長男に「いつまでテストのこと引きずってんだ!そんな顔してる子、コーチも出そうと思わないよ!」と怒って、そのまま次男を連れて会場を出ました。

移動中、「『大丈夫、自信持ってがんばってね!』とか言えば良かったなぁ…」と後悔したり、過去一番酷かった長男のプレーを思い出して「いや、もっと言っても良かったかも」とイライラしたり。

なかなか気持ちの整理がつかないまま次男を送りました。

試合後、夫が長男と話し、私も帰宅後に
・ミス云々で怒っているのではないこと
・しょんぼりしている子は誰だって出したくないこと
・明日の試合は挽回出来るチャンス、自分でよく考えなさい
と伝えました。

 

初めて「行かない」選択をした日

そして翌日の試合。私は行かないことにしました。他の予定もないのに試合を観に行かないのは初めてでした。

私の期待に応えようと、知らないうちにプレッシャーをかけてしまっていたのでは? それとも、私のイライラが伝わり自信を無くしてしまったのかも、と考えたからです。

私自身、子ども達の試合を観るとどうしてもプレーごとに一喜一憂してしまうので、そう言うのも含めて一旦リセットしようと観に行かないという決断をしました。

この日の試合。長男はコーチに「今日は僕を先に出してください」と言って先発で出してもらい、最初のキックオフで「気合入れてこーーーー!!」と大きな声でみんなに言ったそう。

とてもシャイな長男が、まだ慣れないチームでそんなことを言えるなんて驚きました。自分なりに何とかしなきゃと考えて行動したんだなぁと。

 

その日帰宅した長男の顔を見て、良いプレーが出来たんだなと分かりました。

前日はあんなに落ち込んでいたけど、翌日はちゃんと自分で切り替えて行けた。親がいなくても、子どもは自分で乗り越えて行くものなんだなと実感しました。

ここで私が観に行っていたら、今日こそちゃんとやらなきゃ!とプレッシャーになっていたと思うので、行かなくて良かったなと。

毎試合観に行かなくても良い

それから2ヶ月。夫に行ってもらったり無観客だったりで、私は長男の試合を直接観るのをやめました。

私が観に行かない間、長男はよくゴールを決めるようになり、プレーものびのびしているのが分かりました。私自身も、試合会場にいるとちょっとしたミスでも「あぁ…」と思うところ、ビデオで観ていると何とも思わず(笑)。気持ちも落ち着いて観ることが出来るようになりました。

その後、2ヶ月ぶりに長男の試合を観に行きましたが、2ヶ月前のあの日とは違い、自信を持ってプレーしている姿を観て安心しました。

 

親が観ている、というのは子どもは少なからず意識します。
応援が力になることもありますが、逆に親の期待が伝わり、知らないうちに子どもにプレッシャーを与えてしまっているのかもしれません。

パパやママの息抜きも兼ねて、時には「行かない」という選択をしてのんびり過ごす週末も悪くないなと思います。

WRITER PROFILE

早坂英里
早坂英里

料理&テーブルコーディネート教室
【Eri’s Kitchen】主宰
アスリートフードマイスター/(社)日本テーブルデザイナー協会認定講師/専門学校 テーブルコーディネート講師

12歳と9歳の子を持つサカママ(サカママ歴8年)
兄弟それぞれ都内の強豪クラブチームに所属。5年以上続けている朝練は兄弟の日課。プロサッカー選手を目指す子どもたちの為に日々首都高を走り回り、食事やマッサージなどサポートに務める。