我が子の「チームを辞める」宣言!その時親として…
みなさんこんにちは。ライターのYUKARIです。
息子がジュニアユースデビューをして8ヶ月が経ちました。正式に加入となる前のセレクション合格後にも時々チームの練習へ参加させていただくことがあったので、その時期を起点とすると早くも1年が経過したことになります。この1年の間に「サッカーが好き。その気持ちだけは変わらないけど、好きだけではどうにもならない」という思いも経験しました。今でも日々息子なりの葛藤がどこかにあると思います。それがピークに達したであろうとある日、息子から「チームを辞めたい」と言われたことがありました。今回は、その時親としてどう受け止めたか、どう対応したか、その時の判断や行動が正しかったかはわかりませんが、なんとか辞めずに今に至っている経緯をお話したいと思います。
ある日突然やってきた「俺、今のチーム辞めようかな」という息子からの告白
それは、ある日突然やってきました。
「ねー、ママ、パパって今日帰ってくるの遅い?」
夏休みに入る前くらいでしょうか。帰宅するなり息子が私に聞いてきた何気ない質問。生活を共にする家族として特に気にするような質問ではないかと思いますが、息子がわざわざ聞いてくることに母の勘が働きました。
私:「今日は遅いよ。たぶんみんなが寝た後になるんじゃない?」
息子:「そっか。ならいいや。ちょっと話したいことがあったんだけど」
そう返す割にはどこか安堵しているような表情を浮かべる息子。その時、私も半ば冗談交じりでこう息子に返したのです。
「もしかして、■■(←息子が所属するチーム名)を辞めたいって相談だったりして~」
すると息子がいともあっさり「うん、辞めようかな」と。
私が持ちかけた話題とはいえ、まさか本気でそんな返事が返ってくるとは……。夕食を準備していた私の手もピタリと止まりました。
チームを辞めたいと思った理由は「試合に出られないから」
息子の突然の告白に「何かあったの?」と聞かずにはいられませんでした。コーチに厳しい注意を受けたのか、チームメイトと何かいざこざがあったのか。とはいっても、練習は厳しいながらもサボらず楽しそうに参加していたのに……。色々な可能性が私の頭を巡りました。すると本人から「だって試合に出られないしさ……。俺は試合に出たいんだよ」と。
聞けば、公式戦のベンチ入りメンバーに選出されても、本番はベンチを温めるばかりで出番がほぼないとのこと。メインの試合の後はいつも控えメンバー同士でのトレーニングマッチが組まれるので、サッカーすらしないで帰宅をするということはありませんでしたが、息子としては公式戦に出場したい、という想いが強く、試合の度に悔しい気持ちを募らせていたようです。
親の私が言うのも何ですが、小学校時代の息子はチームメイトから「ストライカー」と言ってもらえるほど、試合では点を決めていました。公式戦でもよく起用していただき、本人も多少天狗になっていた部分があったかもしれません。だからこそ、今のチームから合格をいただいた際は「小学校時代とは違って、同じようにセレクションで選ばれた子やスカウトされた子もいるだろうから、このチームで試合に出たりベンチ入りすることはとても難しいよ。それでもこのチームで頑張れる?」と何度も念を押しました。それでも、本人は一貫して「強いチームに行く」という気持ちからブレなかった。親としてもそこは尊重したのです。
ただ実際に入ってみて、試合に出られない状態が続くと気持ちも揺らぐのか……。とはいえ、加入してまだ半年も経っていません。正直、「何をわがままなことを…」と言いたい気持ちもありました。でも、そこはグッとこらえ、ひとまず息子の話を聞き続けました。すると息子が「でもさ、僕が辞めたらママはやだ?悲しい?」と言うのです。特に試合に出られないことにプレッシャーなどをかけたことはありませんでしたが、子どもはやっぱり親の喜ぶ顔がみたいのですね。そんな息子の気持ちが嬉しいような悲しいような……そんなに思い詰めていたのか……とも思いました。
なので、母として言えることはただ1つ。「そんなことないよ。ママはあなたがサッカーを楽しんで、好きという気持ちのままで続けられるのが一番だと思うから、ママ達の気持ちなんて気にしなくていいよ」と返しました。そして、その流れで「じゃぁ、これまでお世話になったコーチにもきちんとご挨拶しなくちゃね。色々とアドバイスをしてくれたり、励ましてくれたこともあったしね」と言ったところ、息子から思いもよらない返事が返ってきたのです。
「辞める時はママが言って」息子の一言に思わず、喝!
「え、辞める時はママが言ってよ。俺言いたくないし。言いにくいじゃん。電話かメールでいいじゃん」それが息子の言葉でした。
その言葉を聞いた途端、それまで心を仏にして息子が発する言葉に寄り添っていた私の気持ちが一気にリセット。幼い小学生ならまだしも、中学生となり、さらにはあれほど自分の意志で頑張ることを決めたチームに対し、なんという態度でしょう。「俺が辞めたら悲しい?」という言葉に一瞬惑わされましたが、仕切り直して辞めたいと思った理由を改めて聞きました。
私:「練習がつらいの?」→息子:「キツイ時もあるけど楽しいよ」
私:「コーチに厳しく言われて落ち込んだ?」→息子:「厳しい時もあるけどいい人だし」
私:「チームメイトと何かあった?」→息子:「そんなことないよ。仲良いよ。楽しいし」
私:「じゃぁ、なんで辞めたいの?」→息子:「だって試合に出られないんだもん」
ここまで聞いた時、私の心にもう「寄り添う」仏の気持ちは正直残っていませんでした。これは単に甘えているだけ。ベンチ入りできているだけでも喜ぶべきなのに、入部して半年も経っていないチームの公式戦に出してもらえないだけで「チームを辞める」宣言とは……。自分で退部の挨拶をする度胸もない中途半端な気持ちのまま、そんなことを理由に辞めてしまったら、この先色々な壁に直面する度に中途半端に逃げてしまう大人になってしまうのではないか、そんな風に思いました。
「そんな甘えた気持ちで辞めたいなんて言うなら、最低でも1年は続けて、それでも辞めたかったら最後は自分で直接監督やコーチにご挨拶しなさい!」そう言い放ち、あとは放っておいたのでした。
寄り添う、耳を傾ける。でも、それは全てを聞き入れることではない
その後、色々と文句を言いながらも、その日はそのまま寝た息子。私にそこまで言われながらも、自分で退部の挨拶をする勇気もないまま、夏休みに突入しました。こんな気持ちで大丈夫なのか……と思っていたのですが、ある日の招待試合で息子が突然覚醒したプレーを見せたのです。もしかすると、今までの悶々とした気持ちを吐き出したことで、色々と吹っ切れたのかもしれません。
それを機に公式戦に出場するチャンスも与えられ、気付いた時には「あの時辞めるなんて言って、俺どうかしてたわ」なんて言うまでに。それから現在に至るまで、公式戦に出られない時は引き続きあるものの、時間の経過と共に監督やコーチ、チームメイトとの信頼関係もどんどん深まっていき、あの日以来一度も「辞めたい」という言葉は発していません。
あくまでも私の個人的な考え方ですが、「我が子の気持ちに寄り添う」「意志を尊重する」という親としての姿勢と、「我が子のリクエストをそのまま聞き入れる」という行動は必ずしもイコールではないと思っています。今回のことを例に挙げるのであれば、もちろん第一にサッカーをするのは息子自身なのでその気持ちを尊重したい。でも、その根底にあるきっかけや想いは果たしてどういうものなのか、そこまで寄り添い、本心を聞いた上で初めて親として何かフォローできることはないか模索する、それで良いのではないかと。私の場合、結果的には「喝を入れる」というフォロー(?)になりましたが、息子は「辞めないでよかった」と言っています。というわけで、今のところは結果オーライとしましょう。
中学年代のサッカーもまだ始まったばかり。また同じような場面に直面することもあるかもしれませんし、その時はまた違う対応やフォローが求められるでしょう。その時もまずは「寄り添う」「耳を傾ける」ファーストな母でいたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。私の経験談が、誰かのお役に立てることを願って…。