中学から親元を離れた息子。3年間の寮生活を振り返って | サカママ メインコンテンツに移動

中学から親元を離れた息子。3年間の寮生活を振り返って

私のサカママコラムも今回で12回目。目を通してくださる読者のみなさまに励まされ、何とか一年間の任期を務めさせていただくことができました。
12歳で親元を離れ、山梨県のクラブチームの寮でチームメイトと共に生活をしている長男も、いよいよ卒団に向けた準備を始める時期です。最後のコラムは、この3年間の息子の成長を振り返り、母としての私の思いをつづらせていただきます。

12歳で息子を送り出す決断をした理由

 

12歳で息子を送り出したことについて、「ママ、よく決断したね~!」と言われることが多々あります。確かに、覚悟のいる決断だったかもしれません。中学年代のサッカー留学と言えば、大久保嘉人選手や香川真司選手の経歴で聞いたことはありましたが、我が子が選ぶ進路としては当初全く想定していませんでした。

きっかけはスカウトでしたが、現地を見学させていただいて、北に八ヶ岳、南にアルプス山脈、遠くに富士山を望む標高1,000メートルの自然豊かな環境に囲まれ、毎日スペイン人コーチの高度な指導を受けられることと、親元を離れることで自立心が育まれることに期待を持ち、「ここなら成長できると思う!!挑戦させて欲しい」と息子自身が山梨に行くことを選びました。
息子の覚悟を見て親としても反対する理由がなく、驚くほどすんなり決まりました。不安がなかったと言えば嘘になりますが、山梨から大阪に帰宅する車中で、自分の挑戦を宣言した息子の気持ちを尊重し、わくわくする気持ちの方が強かったと思います。

 
一番寂しくて泣いたのは次男坊でした(笑)

入寮当初起こった問題とは?

“世界に通用するサッカー選手を育てる”プロジェクトということで、テレビ取材なども入り華々しく始まった寮生活ですが、入寮当初は様々な問題を抱えていました。

  • 食事の準備や後片付け、洗濯・掃除といった家事の増加
  • 学校の宿題が増え、内容も難しくなる中で、勉強時間を確保することと学力の維持
  • 関西と関東の違い(方言やノリ)、都会と田舎の違い

等、親元を離れたことにより、これまで当たり前だったことが当たり前ではなくなり、上手く自立することができず、生活が乱れていたように思います。また、トレーニングも高度で難易度が高かったため、本来楽しいはずのサッカーでも悩みを抱えたり、生活面・サッカー面両方でストレスを抱えていたようです。

覚悟を決めて旅立ったものの、まだまだ12歳。当時は激しいホームシックに襲われたりもしていました。スタッフのサポートもあり、1~2か月の間で、息子自身が楽しみ方や乗り越え方をマスターして解決ましたが、親にも悩みは吐き出せず、親も遠く離れているためその変化に気付かず、今思えば本当に苦しんでいたと思います。

 

2年目は新型コロナウイルスの影響を受ける

2年目は新型コロナウイルスの影響を多大に受けました。これに関しては寮生活ではない子ども達も一緒だと思いますが、公式戦がなくなり、練習ができなかったことは、子ども達にとって我慢の多い期間だったと思います。
強豪高校のサッカー部の寮でクラスターが発生したなどのニュースを見ると、離れて暮らす親としては心配が尽きませんでしたが、山梨県は比較的感染者数が落ち着いていたため、チームは子どもたちを帰省させず、寮で生活を送ることを選択してくださいました。子どもたちの安全確保やサッカー環境を整えていただいたチームスタッフの皆さんには心から感謝しています。
保護者も大手を振って山梨県に行くこともできず、子どもと直接接する機会が減ってしまったことや、試合観戦が全く出来なかったことは、本当に寂しく感じました。

成長を感じた3年目

中3になった息子たちは、大事な公式戦に学校の学力テストや行事に加え、進路を決めなければいけず、大忙しになりました。離れていると親がサポートしてあげられることは少ないですが、その分チームメイトと背中を押しあいながら、自分で一つ一つ乗り越えられるようになっていたように感じます。

お盆休みに帰省した際には、その成長に驚かされたエピソードが1つあります。
長男が帰省しても次男のサッカーの送迎や仕事で疲れた果てた私は、家族で夕飯を終えてテーブルの片付けをする前についソファーで寝てしまいました。「せっかく長男が帰って来てるのにっ!!」と慌てて目を覚ますと、テーブルはきれいに片付き、洗い物が済まされていて、翌朝に必要な弟のユニフォームなど洗濯物も綺麗に干されていました。寝てしまったことを謝って長男にお礼を言うと、「いつもしてることだから何も問題ないよ。疲れてるんやから早く寝てな」と言ってくれて、嬉しくて泣きそうになりました。

もしも地元に残って生活していたら、きっと洗い物も洗濯もついつい母がする仕事として息子にさせる余裕はなかったと思いますが、寮生活の中でできることを増やし、自分から進んでやることが当たり前になったのだと思うと、それだけでも送り出した選択は間違いじゃなかったなと感じました。

3年間を振り返って母として思うこと

12歳で息子が家を出てこの3年間を振り返ると、母親として心配になることはたくさんありました。自然災害が起こった時の対応、食事や身体づくりに関すること、怪我の時のケア、学業面、サッカーに関わること、スマホの使い方、オフの時間の過ごし方、生活環境面など、折に触れて心配していたように思います。
でも、チームの仲間とまるで家族のような深い信頼関係を築いている姿を見た時や、キャプテンとしての立ち回りを評価いただいた時、ジュニア時代より技術や戦術理解が進み良いプレーを見せてくれた時など、内面も外面もしっかり成長できたことを実感しました。
また、寮の子どもたちは地元の公立中学校に通学していましたが、地元の在校生やその保護者の皆様、先生方も一緒になってチームの活躍を応援してくださったことも本当にありがたく感じました。今は心から勇気を出して送り出してよかったなぁ~と思っています。

読者のみなさんの中には、中学、高校からお子さんが家を出る選択をされた方や選択肢として検討している方もたくさんいると思います。きっと私と同じように、心配や不安がたくさん出てくると思いますが、意外と子どもたちは自分の力で順応し、心配を裏切って楽しく頑張ってくれるものです。
また、寮の環境や設備、準備物等についても、いろいろと疑問やわからないことが多いと思います。私も長男の高校進学のためにいろいろなチームを見たり話を伺ったりしましたが、どこもそれぞれのやり方があり、全然違う印象です。迷っている場合は、ネット情報などに惑わされず、きちんと足を運び自分たちの目や耳で確認して選択してくださいね。

今は離れていてもスマホのテレビ通話などを利用し、状況を把握することも容易になりました。お子さまが親元を離れる挑戦を選んだら、ぜひお子さまの選択を尊重し、背中を押して送り出してあげてください。
もうすぐ春がやってきます。我が家の長男も春から高校生!あと3か月でしっかり準備をして、いいスタートを切って欲しいなと思います。みなさんにも素晴らしい春が訪れますように♪ 1年間、ありがとうございました。

WRITER PROFILE

山田あゆみ
山田あゆみ

プロサッカー選手を夢見る中2・小3兄弟のサカママ。
長男が5歳でサッカーを始めてから、サカママ歴も早10年。子供達と一緒に泣き笑い、悩みながら母親として多くを学んできました。現在は、「食育、メンタル&ボディケア(講義・施術)」をテーマに、ジュニアアスリートが笑顔いっぱいでプレーできるよう、お子様のサポートついてサカママ視点で様々な情報発信を行っています。

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