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一生に一度?運動能力が発達する黄金期「ゴールデンエイジ」とは?

一生に一度?運動能力が発達する黄金期「ゴールデンエイジ」とは?

ゴールデンエイジという言葉を聞いた事はありますか?運動能力が急速に発達する一生に一度とも言われるとても大切な時期です。 サッカーをしていてお子さんの成長が気なっていると思います。

今回はそんな重要な時期の「ゴールデンエイジ」をテーマに書いていきます。

ゴールデンエイジとは?

ゴールデンエイジは、9~12歳頃の時期を指しますが、3~8歳頃をプレゴールデンエイジ、13~15歳頃をポストゴールデンエイジと呼ばれています。
※専門家によって1~2歳の幅があります。

この発達段階を考える基となっているのが、Scammon(スキャモン)の発達曲線というのがあります。これは、生まれてから20歳までの過程で、身長・体重・臓器・運動神経などをグラフに示したものになります。
20歳時点を100%として成長パターンを一般型・神経系型・生殖器型・リンパ系型の4つに分類し成長度合いを表わしています。

年齢別のゴールデンエイジとは?

身体の発達はお子さんそれぞれに違いますので、スキャモンの発達曲線に基づき適切な運動を行う事がお子さんの成長に繋がります。下記ではそれぞれの時期の特徴を解説していきますので、参考にしてみてください。

プレゴールデンエイジ

対象年齢:3~8歳頃
プレゴールデンエイジとは、神経系の発達が最も進んでいる時期です。リズム感やバランス感覚などの習得ができる時期で、運動能力の基礎ができる時期でもあります。
※前期と後期があって取り組むべき段階があるとされています。

ゴールデンエイジ

神経系の発達がほぼ完成し、運動能力を高めるために一番いい時期
この時期は、一生に一度だけ訪れる「即座の習得」を備えた時期でもあるため重要視されています。ただし、必ず即座の習得が現れるわけではなく、前段階のプレゴールデンエイジの時期の経験が土台になっていくようです。

この時期は筋肉が未発達のため、強さや速さに対する体の準備はできていません。筋力・体力トレーニングより「走る」「ボールをコントロール」「精度を高めるパス」など、基本となる動作を経験する事が大切です。

ポストゴールデンエイジ

対象年齢:13~15歳頃
ポストゴールデンエイジは、筋・骨格が伸びてパワーやスピードに関する筋肉が成長する時期になります。ただし、成長の個人差が大きくアンバランスな時期とも言われ「クラムジー(Clumsy)」とも呼ばれています。

クラムジーとは、英語でぎこちないという意味で、スポーツの現場で使われる通称です。一気に身長が伸びたりすることで、バランス感覚が異なり、今までのようなプレーが思うようにできなくなることを指します。

いきなり身長が一晩で10cm伸びるわけではないため、徐々に変化は現れているはずなのですが、突然現われたように感じる選手が多いようです。また、体の中で脚は重量があり、感覚の変化を受けやすいともいわれています。

そのため、サッカーや野球、陸上などの走る競技では起こりやすいともいわれています。この時期は、思春期とも重なる時期でもあり、本人の気持ちの負担は大きいものになるのかもしれませんね。そのため、新しいことを取り入れるのではなく、今ある技術を安定させるシンプルな運動・練習をするのがベストともいわれています。

子どもの成長過程を振り返ってみて

ここで、4月より高校3年になる息子の成長を少し振り返ってみました。プレゴールデンエイジの時期は、サッカー以外にも外遊びが大好きで色々なことをして遊んでいました。楽しみながら様々なことを吸収していたのだと思います。

ゴールデンエイジの時期は、チームでサッカーをする楽しさを知り、仲間とサッカーについて話す事が増え、うまくなりたいと自主練習をする機会が増えました。ポストゴールデンエイジの時期は、流行り病による自粛期間と重なり様々な壁にぶつかり悩んだりした時期でもあったようです。私自身、見守る必要性を感じながらも、もどかしさを感じていた時期でもありました。

息子の試合風景

成長時期に合わせた運動指導が大切

16〜18歳以降はインディペンデントエイジといい、自立にむけた準備の時期ともいわれます。この頃より、親としてサポートできる事はほとんどなくなり、自分で考え取り組むようになっていきました。

またこの時期は、⾃分の体重を負荷にしたトレーニングが望ましく、練習や筋トレ・食事など総合的に取り組むことで、体がかなり大きくなりました。

それぞれの時期に特別意識していたわけではなく、振り返ってみるとその期間にあった練習や体の動かし方ができていたように思います。それは、それぞれの年代の特徴に合わせた練習内容を指導者らが考えてくれていた背景があります。

このような特徴を保護者も理解しつつ、お子さんの成長をサポートしていけたら良いですね。

WRITER PROFILE

山村麻衣子
山村麻衣子

シングルマザーとして3人の子育てをしながら、救命センターで看護師として働き、スポーツナースとしても活動しています。末っ子は高校サッカーで全国を目指し奮闘中です。万が一が起きている現場にいるからこそ、スポーツの現場でも安全や予防の必要性を感じているので、コラムではメディカル目線のサポート情報などを中心にお届けしていきます。