ジュニアサッカーチームでの降格。そのとき母と子は…
「AチームからBチームに降格」…その報せが心に刺さったとき、子どもは言葉が出ませんでした。私自身も胸が苦しくなりました。これは親子にとってまさに“心の試合”の始まりだったのです。
降格の知らせ、その瞬間に流れる時間
その知らせから元気がなくなり、食欲も落ちていきました。そこで私は気持ちを言葉にする場をつくることにしました。
息子に「どう感じてる?」と聞くと、最初は黙り込んでしまいました。そこで夕食後に散歩をしながら、彼の口から「悔しい」という正直な気持ちが少しずつこぼれ、涙が溢れてきました。ちゃんと自分の感情と逃げずに向き合うことは次のステージに進むため、とても大切なことだと思っています。
家族で“振返りミーティング”
親子3人で振返りをしました。試合内容、日頃の練習。。。
「次はどうしたら良くなる?」と話すことで、落ち込んでばかりではなく、“改善への思考”に切り替わりました。また「将来どのような選手になりたいのか」今だけに注目すると辛くなるので、長期的な目標の設定を行いました。
そしてそのために今できること、小さな目標も立てました。
Bチームへの降格は、逆に言えば「自分の成長のためのフィールド」。
「まずは練習で声出しを意識してやってみよう」
「練習では5点取ることを目標にする」
専門家は、スコアではなく過程に着目した“小目標設定”が自信再構築に効果的とおっしゃっていました。
「今週はパスミス3回以内を目指そう」「試合で全力の声かけを10回以上しよう」
こうした具体的なステップが、次第に子どものやる気を取り戻させてくれたように思います。
降格のショックから落ち込んでいた息子でしたが「自分がコントロールできる小さな目標」を設定することで、子どもの自尊心が少しずつ戻っていったように感じます。
子どもにとって、降格とは……
「終わり」ではなく「再出発の合図」だと思います。降格した今だからこそ気づける“子どもの強さ”。
母としての私も、子どもと一緒に一歩踏み出すことで、親子ともに強くなれると実感しています。
挫折を味わったからこそ気づけたこと、自分自身と向き合う時間。
辛い経験は人を強くするなと感じました。