肉離れからの復帰
肉離れのリハビリ方法も捻挫の時と同様、徐々に行っていきます。軽度のレベルであれば、RICEの処置を行い、その後交代浴など、温めたり冷やしたりを繰り返しながら軽いストレッチなどを開始します。
受傷から2~3日で完治する、というものではないので、あまり焦らず少し時間をかけながらじっくり治す方が再発のリスクが少なくなります。スポーツへの復帰の目安として、ケガをした部位がケガをしていない部位と比較して、
● ストレッチの角度が同じくらいできるか 同じくらいの力を入れることができるか
● 力を入れても痛みや違和感はないか 全力に近いスピードでダッシュやターン、ジャンプ、キックなどができるか。その際、痛みや違和感はないか
…などクリアにしてからにします。
では、そもそもなぜ肉離れは起きるのでしょうか? 筋肉が伸ばされた状態で急に力を入れたり、突発的な力が筋肉に加えられたりして筋肉が傷ついてしまうのが原因である、とされています。他には、不十分なウォームアップやストレッチ不足、 バランスの悪い筋力、不適切なフォームなども肉離れの原因となる、といわれています。
肉離れを予防するには、まずは練習前後の十分なウォームアップやストレッチが基本です。特に冬場は筋肉の温度が上がりにくく、下がるのも早いため、十分注意が必要です。
加えて成長期の子供の身長がぐんぐん伸びている時期は筋肉が硬くなりやすいので、いつも以上にストレッチを家でも行うようにします。そして一か所に負担がかからないようにバランスよく筋力をつけ、疲労をためないようにすることも大切です。
捻挫や肉離れなどのスポーツ外傷は時間が経てば痛みや腫れが減り、そのまま放っておいてもいずれ治るものではありますが、それは傷が治癒しただけであって、サッカーが前と同じ様にできるレベルになった、ということではありません。
復帰までにやるべきことを段階的にこなしていき、ケガをする前の状態に体を近づけてから復帰するのが理想の形である、ということを覚えておいてください。