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ロンドンからブリュッセルへ!「Euro J Jr. Cup 2026 Winter」レポート

ロンドンからブリュッセルへ!「Euro J Jr. Cup 2026 Winter」レポート

昨年に引き続き、今年もサカママコラムを執筆させていただくことになりました、ロンドン在住サカママのカリアゲしょうこです。今年は毎月ではなく不定期の掲載となりますが、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします!

気づけば2026年ももう1カ月が過ぎようとしていますね。ロンドン在住でサッカーに関わっている日本人はみな、3月末に行われる日本代表対イングランド代表戦の開催をいまかいまかと心待ちにしています。その様子も今後のコラムでレポートできたらと考えております! どうぞご期待ください!

「Euro J Jr. Cup 2026 Winter」出場のためのベルギー遠征

去る1月18日、EU(欧州連合)本部のあるベルギー・ブリュッセルにて、「Euro J Jr. Cup 2026 Winter」が開催されました。筆者と息子の所属するわがフットボールサムライアカデミー(以下サムライ)は、ロンドンから40人の子どもたちを連れて、同大会に参加しました。大人数の子どもたちを連れて、国境を越えて参加する遠征は、クラブとしても一大イベントです。今回のコラムでは、スタッフ目線、保護者目線の両方から見た、遠征の様子をお伝えします。

「Euro J Jr. Cup」は、夏はドイツ・フランクフルト、冬はベルギー・ブリュッセル(室内サッカー)にて、毎年開催されています。日系少年少女サッカークラブの欧州No.1を決める大会で、下記を大会の目的としています。
・欧州に住む子どもたちに、スポーツを通した交流の機会を与えること
・現地のチームに入っている子どもたちだけでなく、すべての子どもたちに、真剣勝負の場を提供すること

過去のコラムでは、昨年7月にドイツ・フランクフルトで実施された「Euro J Jr. 2025 Cup」について詳しく書いていますので、よろしければそちらもご一読ください。

今回の大会には、ドイツ、ベルギー、フランス、オランダ、イングランドから7クラブ全29チームが参加し、熱い戦いを繰り広げました。
わがサムライからは、U8(小学校1・2年)1チーム、U10(小学3・4年)3チーム、U12(小学5・6年)1チームの計5チーム、40人の子どもたちが参加しました。

遠征経験を重ね、成長する子どもたち

大会前日の早朝にロンドンを出発し、いざブリュッセルへ。初めて遠征に参加する子ももちろんいましたが、半数以上の子どもたちは、既に遠征参加経験がありました。それもあって、出国手続き時も、現地での移動時も、行動がとてもスムーズでした。遠征を重ねるごとに経験を積んで、自分が今何をすべきか、すべきでないかをわきまえられるようになった子どもたちの成長した姿に、スタッフとして感心しました。

とはいえ、U8(小学1・2年)の子たちは初めての遠征、初めてのお泊り、という子もいます。移動中の車内では持参したぬいぐるみで遊ぶなど、なんとも微笑ましい様子を見せてくれました。ブリュッセル街中散策の際には、目に映るものすべてが新鮮で、ずっとまわりをキョロキョロしながら歩くので、引率者としては片時も目が離せず、ハラハラしっぱなし、少し寿命が縮まった気がします(笑)。

また、ホテルチェックアウト前に荷物を片付ける際には、着替えをうまく畳めずに、「リュックがしまらない~」と悪戦苦闘している子もいました。「次の遠征に参加するまでに、服を畳むことも練習しようね」と声を掛けながら一緒に荷物を整理すると「すごい! ちゃんと全部入った! ありがとう!」と、それだけで大喜びする姿に、まだまだ幼さと可愛さを感じます。

それに比べて、U10(小学3年)以上の子どもたちは、年齢的なことに加え、すでに遠征慣れしていることもあり、U8と比べると、とても落ち着きがありました。筆者の息子(小学5年)も遠征に参加していたのですが、U8の子たちの後ろに立っていると、大きく頼もしく見えました。息子も4年前はあんなに小さくて可愛いかったんだなぁと、母としてしみじみ息子の成長を感じた瞬間です。

欧州の寒さを吹き飛ばす、熱い戦い

大会本番では、各チームが見ごたえのある熱い戦いを繰り広げました。

U8チームは予選リーグを突破し、準決勝はPKで勝利。決勝進出を決めた最後のキッカーは、往路の電車でぬいぐるみを持っていた子です。PKを決めた瞬間に、ガッツポーズをして雄叫びを上げる姿は、ぬいぐるみで遊んでいた彼とは、全く別人のようでした。

決勝戦では惜しくも負けてしまいましたが、準優勝という結果は、彼らにとって大きな自信になったに違いありません。閉会式終了後、首にかけた銀メダルを「コーチ見て! このメダルは2位のチームしかもらえないんだよ!」と誇らしげに見せてくれた表情は、本当に晴れ晴れと輝いていました。

U10のカテゴリーには、サムライから3チームが出場。予選リーグは2つに分かれており、BチームとCチームは同じ予選リーグ、Aチームのみ別リーグでした。

予選リーグ最終戦はなんと、Bチーム対Cチームのサムライ対決。勝ったチームは上位トーナメント、負けたチームは下位トーナメントへの進出をかけた戦いとなりました。Bチームは4年生中心、Cチームは3年生中心のチーム。Bチームとしては「下の学年には負けられない」というプライドもあり、試合はやはりBチーム優位に進みます。しかし、3-0で迎えた試合終了間際、Cチームの選手が粘って1点を奪取。その瞬間、無情にも試合終了を告げるホイッスルが鳴り響き、シュートを決めた選手の瞳からは大粒の涙が溢れていました。

悔し泣きする選手にチームメイトたちが駆け寄り、肩を抱き合い、健闘をたたえ合う姿に、筆者はじめ、保護者とスタッフ一同、胸がいっぱいになり、熱いものがこみ上げてきました。

一方、別リーグのAチームは、去年の同大会および昨夏の「Euro J Jr. Cup 2025」での優勝チームとほぼ同じメンバー。超攻撃型のこのチームは、今大会でも安定した強さを見せ、順当に決勝戦に進みました。

決勝戦の相手は、サムライBチーム。Bチームは、予選最終戦はCチーム、決勝戦ではAチーム、というクラブ内チーム同士で2試合を戦うという、なんともドラマチックな展開に。見ている側としては、どちらにも勝ってほしいし、負けてほしくない、という複雑な心境でした。先制点を奪ったのはBチーム。そこから互いに点を取っては取り返すというシーソーゲームになります。3-3までは両チームとも拮抗していましたが、試合終盤、Aチームが攻撃のリズムに乗ってくると、最後は立て続けに3点を追加し、6-3で試合終了となりました。

Aチームは予選および決勝トーナメント全7戦負けなしで優勝。チーム総得点はなんと55得点という、圧倒的な強さを見せつけました。Bチームのメンバーは、もちろん負けた悔しさがないわけではなかったと思いますが、力を出し切って戦い抜いた、清々しい表情をしていました。

試合終了後、スタッフも保護者も、関係者みんなが、勝ったAチームと負けたBチームの両方に、惜しみない拍手を送りました。ピッチの外ではまだまだ幼さの残る3・4年生も、このときばかりは、一流のサッカー選手のようなたくましいオーラを放っていました。

試合ではお互いに「絶対に負けない!」という気迫を出し合い戦っていた選手同士が、試合後にはいつもの仲間としてじゃれ合う姿に、目尻が下がりっぱなしでした。

スタッフ目線と親目線、息子への接し方の難しさ

筆者の息子は、U12のチームで遠征に参加していました。スタッフとして帯同している以上、たとえわが子であっても、他の子どもたちと同じように見守り、接することを心がけていました。しかし、本音のところでは、なかなかそうはいかないのが親心。サッカー以外の場面における行動も目についてしまうし、チームメイトに対する接し方について気になる声が聞こえてきたことも。それでも、「ここは家じゃない。遠征中は必要最低限のこと以外は口出ししないようにしよう」と、かなり自制していました。息子自身も同じ気持ちだったのか、遠征中に、あえて彼のほうから私に声を掛けてくることはあまりありませんでした。

試合の場面でも、他の選手ならたとえ失敗をしても「大丈夫、大丈夫」と思えるのに、息子には「しっかりしろ!」と厳しい目で見てしまいがち。しかし、そこでもできるだけ心の声のみにとどめて、口には出さないようにしていました(と言いつつも、出してしまっていた部分もあったと思いますが…)。

U12チームとしての大会の結果は、準優勝でした。準決勝までは危なげなく順当に勝ち進み、選手たちも自信を持って戦っているように見えました。しかし、決勝戦ではそれまでの調子の良さが嘘だったかのように、チームの勢いが消えてしまいます。体格も実力も上のチームに対して、精神的にも試合展開的にも引いてしまい、結果は6-1と大差をつけられての敗戦となりました。悔し泣きする選手も多く見られ、「実力を出し切ることができなかった」という気持ちがあったのだと思います。

試合後、私から息子には、あえて何も声は掛けませんでした。後になって担当コーチに試合後の息子の様子を聞いてみると、「彼(筆者の息子)も、負けた理由は、相手にビビって遠慮してしまい、みんなが下がってしまったことだと感じていたようです。彼はディフェンダーなので、後ろからチーム全体を見てそう感じていたみたいです」と教えてくれました。

それを聞いて、「みんなが下がっていると感じたなら、なんで後ろにいる自分から声を掛けて、上げに行かなかったんだ」と思ってしまいました。もし、試合後に本人の口から聞いていれば、その思いを口に出していたかもしれません。親だからできること、親だからできないこと(しないほうがいいこと)、遠征中はその境界線を引いて、一スタッフとして接することは、ギリギリできたかなと思います。

実は、息子やその友人がいるクラブで働くことに、いつも少しの迷いがあります。私がスタッフとして関わっていることで、息子がやりにくさを抱いている部分を、日頃から感じているからです。しかし、同じクラブで働いているからこそ、こうして遠征を通して、いつもとは少し違った目線、違った立場で息子と接することができる。それはとても有難いことだと、今回の遠征であらためて感じました。このような機会を与えてくれたクラブおよび「Euro J Jr. Cup」を運営されている関係者の方々には、本当に感謝しています。

これからも、親として、スタッフとして、息子と共に、サッカーに関わっていけたらいいなと再認識するベルギー遠征となりました。サッカーって、本当にいいものですね!(水野晴郎さん風に読んでください)

WRITER PROFILE

カリアゲしょうこ
カリアゲしょうこ

ガンバ大阪のホームタウン大阪府吹田市出身の元奈良県民。
ロンドン駐在5年目の一男一女の母。2024年The FA(イングランドサッカー協会) Level1ライセンス取得。
サッカースキルは初心者レベルながら「フットボールサムライアカデミー」で小学生女子チームのコーチを務める。息子やチームの子どもたちと一緒に成長していくロンドンでのフットボールライフの様子をお届け。インタビューライターとしても活動中。トレードマークはカリアゲヘア。

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