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イギリスサッカー便り【見て、考えて、自分の言葉に!言語化のトレーニング】

みなさん、こんにちは!

イングランドでは、4週間のナショナルロックダウンが終了し、現在は感染状況に応じた地域ごとの規制に移行されています。それと同時に、休止されていた育成年代のサッカーも再開されることになりました。

丸4週間のサッカー活動の休止でしたが、息子たちは休止となるや否やすぐにオンラインでの活動に切り替わりました。今回はオンラインでの活動の様子を少し紹介したいと思います。

充実のオンラインミーティング

ロックダウン中は、週3回のチームミーティング&フィジカルトレーニングと、週1回のコーチとのマンツーマンミーティングがオンラインでありました。春のロックダウンの時は、全てが手探りな状態でしたが、今回はもう慣れたもの。ロックダウンですから家にはいますが、学校から帰ってきたら毎日大忙し!という日々でした。

ミーティングでは、コーチが準備してくださったユース年代の試合の映像やプレミアリーグの試合の映像などを見ながら、毎週テーマを決めて分析していました。そこでは、コーチからの一方的な説明ではなく、バンバン質問が飛び交い選手たちも発言します。例えば、このパスにはどんな意図があると思う?この場面ではこの選手はどんなことを考えていると思う?などなど、いろんな角度から質問されます。

各自の課題も出されました。例えば、2018年ロシアワールドカップのスペイン対ポルトガルの試合を30分以上見て、好きなシーンをピックアップして、なぜそのプレーを選んだのか、どういうプレーなのかをチーム戦術に基づいてプレゼンするという宿題が出ていました。チームメイトがどのシーンを選び、なぜそのシーンを選んだのかなど聞くのも興味深かったですし、息子が息子なりの視点で試合を分析し、発表しているのを横で興味津々で聞いていました。

この映像を見て分析するという課題は、このロックダウン中に限らず、定期的に出されます。自分たちの試合の映像を見て、チームとして、個人として、どこが良かったか良くなかったか、改善点はどうか、などをメモして、コーチと意見交換するというものです。試合後に冷静になって客観的に自分たちのプレーを見ることは、たくさん気付きもあるようで、とてもいい振り返りになっているみたいです。例えば、ボールを失ったシーンを確認したら、ボールを受ける前にしっかり後ろをチェックできていなかったり、大きなスペースを見れていなかったりなどなど。これをコーチと一緒にディスカッションすることで、自分はこう思ってた、こうやりたかった、など素直に意見を言っていました。

4週間のロックダウン中には、コンディションキープも重要でしたので、トレーナーさんによるオンラインフィジカルトレーニングに加え、週末までに動画を撮って提出しなければならないチャレンジ(ランニングタイムや壁リフティング、マラドーナ7など一人でできる課題)もありました。

 

言語化するトレーニング

試合を「見て、考えて、それを言語化する」ということをオンラインミーティングではたくさんやっていました。普段、頭の中では色々考えているとは思いますが、自分の考えを言葉にして説明するということはとても大事で、実際の試合でもチームメイトやコーチとのコミュニケーションにも役立ちます。特に我が家の息子たちの場合、母国語ではない英語でのコミュニケーションになりますので、サッカーの試合を見て考えて言語化するという練習をたくさんできたことはとてもいい訓練となっていました。そして、普段コーチがトレーニングや試合中に言っていることを、頭の中で整理できる機会にもなっていたように感じました。

この「自分の言葉でまとめて説明する、言語化する」というのは、サッカーだけに限らず、普段の生活でもとても大事なことだと思います。こちらの生活では、「自分の意見を述べる」ことを求められる機会が多いです。みんなどんどん自己主張します。学校でもディスカッションする時間がとても多いと聞きます。どちらかといえば、大勢の前で自分の意見を堂々と発表することは苦手だった息子たち。サッカーを通じて、そんなスキルも養っていってくれたらと思います。この言語化するトレーニングは、今後もぜひ継続してやっていってほしいと思います。

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1ヶ月ぶりに再開されたサッカー活動ですが、選手たちが濃厚接触者として2週間の自宅隔離になったり学校閉鎖になったり・・・で、なかなかメンバーが揃わないことも多く、ギリギリの人数でリーグ戦を戦わなければならなかったり、試合自体が延期となってしまうケースも出ていました。そして、我が家の住む地域の感染拡大を受け、クリスマスを家族で過ごせるように・・・予定されていた週末の試合もキャンセルとなり、早々にクリスマスホリデーに突入しています。さすが、イギリス人にとって一年で最大のビックイベント、ファミリーで過ごすクリスマスを守るための決断はとても潔いと思いました笑 

年明けには3回目のナショナルロックダウンか・・・なんて危惧していたらなんとつい先ほど、私たちの住む地域が再びロックダウンに入るというニュースが飛び込んできました・・・・。またもやサッカーの活動ができなくなるかもしれませんが、これまで以上に感染予防に努めながらシーズン後半戦に向けて頑張っていってほしいと思います!

今年1年は、まさにコロナウィルスに翻弄された年となってしまいましたが、1年間お付き合いいただきありがとうございました。来年も引き続き、イギリスサッカー便りを執筆させていただくことになりましたので、来年もどうぞよろしくお願いいたします。

みなさま、お身体に気をつけてよいお年をお迎えください!

 

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WRITER PROFILE

クリストファーズ佳世
クリストファーズ佳世

イギリス在住、3兄弟(16歳、14歳、11歳)を育てる現役サカママ。 神戸市在住時は、地元の強豪クラブチームで6年間サカママ生活を満喫。2019年3月にイギリス移住後は、サッカーの本場・イングランドでシーズン1年目の新米サカママとして生活をスタート。 日本とイギリスのサッカー事情の違いなどを、サカママならではの目線で伝えていきます。