高川学園高校【全国強豪校REPORT2025】
嵐をも呼ぶ“主体性”を備えた西国の雄
高川学園高校
山口県/私立
【主なOB】永石拓海(アビスパ福岡)/田中誠太郎(テゲバジャーロ宮崎)/山本駿亮(レノファ山口FC)/土信田悠生(ツエーゲン金沢)
KEYWORD01:繋志
読み方は“けいし”。「歴代の先輩の意志を受け継ぎ、繋げていくことを意味します。また、校訓の『夢、志より高く』の一文字を入れることにもこだわりました」と江本孝監督が語るこのスローガンは、新チームになって選手たちが話し合って決めたものだという。互いの間に繋がりがあることは、サッカーで表すと選手同士や選手とスタッフの関係性。さらにチーム内だけでなく、地域の方々ともコミュニケーションを取り、密接な関係を持つことで愛されるチームを作っていくという意志が込められている。
宮城太郎(3年/MF)
「主将としてピッチ内外でチームをまとめて、より良い成績に導いていきたいです。今年は高校選抜に入るという個人の目標と、日本一というチームの目標を達成できるように頑張っていきます」
KEYWORD02:部署活動
高川学園サッカー部の特徴として知られる部署活動。用具部や分析部などサッカーに関わるものから、おもてなし部や農業部といった競技以外の活動まで多岐にわたり、「プレーヤーとしてだけでなく、将来社会で活躍するために一人ひとりがチームの一員としての自覚を持ちながら活動する」ことで、選手の人間的な成長も見据えた育成が行われている。
大森風牙(3年/FW)
「プレーにおいてもピッチ外でも、自分たちから主体的に動くことが大切だと思っています。部署活動でも、自ら積極的にアクションできる姿勢を持つことを心がけています」
KEYWORD03:トルメンタ
2021年度の選手権で披露し、海外でも話題となったセットプレー戦術「トルメンタ」。スペイン語で“嵐”を表す言葉のごとく、相手のゴール前で輪になって回り、相手のマークを惑わすこの奇策も、“強化部”の案から生まれたのだという。昨年度の選手権で青森山田(青森県)を破った際にも炸裂したこのトリックプレーは、今年も大舞台で見られるだろうか。
KEYWORD04:中国地区最多
通算30回の選手権出場、そして26回のインターハイ出場は、ともに中国地区最多を誇る。2013年の就任以降、全国の舞台へ16度導いてきた江本孝監督が大切にしているのは、「目配り」「気配り」「心配り」「言葉配り」の精神だ。選手それぞれが考えて動き、ピッチ内で攻守にハードワークする姿勢を生み出すのが、部署活動や江本監督のこういった考え方なのだろう。
水田岬希(3年/DF)
「攻守両面でチームに貢献できるようになって、日本一を目指したいです。江本監督は、普段は優しいですが、ミスをしたときは厳しく言ってくれるので、成長を促してくれていると感じます」
KEYWORD05:2つの人工芝グラウンド
学校敷地内の陸上トラック付きグラウンド、そして同じ防府市内にある旧校舎を活用した第2グラウンドを完備。DF水田も所属する“グラウンド部”が日々人工芝の整備を行い、安心安全な状態でプレーする環境が整っている。
写真/渡部幸和