日本中を沸かせたカタールW杯戦士たちの“高校サッカー時代”の軌跡 | サカママ メインコンテンツに移動

日本中を沸かせたカタールW杯戦士たちの“高校サッカー時代”の軌跡

カタール・ワールドカップで新たな歴史の1ページを刻んだサッカー日本代表。彼らの多くが、高校時代に選手権の舞台を目指してきた。当時から注目を集めていた選手から、大会を機にブレイクした選手、そして出場こそ叶わなかったがその経験を糧とした選手まで──、彼らの“選手権時代”を振り返る。

写真/Getty Images、Adachi Masashi、Yamaguchi Kenjiro、編集部

日本中を沸かせたカタールW杯戦士たちの“高校サッカー時代”の軌跡

 

浅野拓磨
(四日市中央工業/VfLボーフム)

感謝の気持ちで磨いた得点感覚と俊足
第89回大会から3年連続で選手権に出場し、2年次の第90回大会では群を抜くスピードを武器に全試合で得点するという史上4人目の偉業を成し遂げ、得点王(7得点)に輝いた。7人兄弟という大家族への負担を考え、当初は入学すら諦めていたという名門・四日市中央工への進学。「家族の支えでプレーができる」ことを自覚し、ことある事に感謝の言葉を述べている。この人生の選択が、プロでの成功、そしてカタールW杯でのドイツ戦決勝ゴールへとつながる。

  • 1994年11月10日生まれ、三重県出身
  • 選手権出場歴:第89回(2010年度・1回戦敗退)、第90回(2011年度・準優勝)、第91回(2012年度・2回戦敗退)
  • 四日市中央工➡サンフレッチェ広島➡アーセナル→シュトゥットガルト➡ハノーファー96➡パルチザン・ベオグラード➡VfLボーフム

 

鎌田大地
(東山/フランクフルト)

先輩の存在がエースの自覚を生む
高校時代から空間を見つけ出す能力に長け、高いサッカーIQを備えていた鎌田の転機は1年次の選手権京都大会決勝。好機を外して試合に敗れるも、先輩たちの温かい言葉にチームへの献身性と責任感を身に付け、3年次には主将を務めている。3年間で選手権には届かなかったが、高円宮杯プレミアリーグWESTで10得点を記録し、プロ入りの扉を開いている。

  • 1996年8月5日生まれ、愛媛県出身
  • 東山➡サガン鳥栖➡フランクフルト➡シント=トロイデン➡フランクフルト

 

上田綺世
(鹿島学園/サークル・ブルッヘ)

天性のストライカーが体現した父子の研鑽の形
ナンバー10の絶対エースとして臨んだ3年次の95回大会。初戦の高川学園で圧巻の2ゴールを挙げ逆転勝利に貢献した。2点目のクロスに合わせた鮮やかなボレーシュートは、サッカーを始めるきっかけにもなった社会人プレーヤーの父と何度も繰り返した形だったという。この試合で負ったケガにより二回戦途中出場でチームは敗れたが、初戦でのパフォーマンスは天性のストライカーの名を全国に轟かせる内容だった。

  • 1998年8月28日生まれ、茨城県出身
  • 選手権出場歴:第95回(2016年度・2回戦敗退)
  • 鹿島学園➡法政大学➡鹿島アントラーズ➡サークル・ブルッヘ

 

前田大然
(山梨学院/セルティック)

高校時代に育まれた韋駄天の献身
相手GKまで食らいつく執拗なプレッシングから、カタールW杯「影の大黒柱」の献身性の原点は山梨学院時代に起因する。1年次の“やんちゃ”な行動から活動停止処分となった前田は、1年後の復帰までに、チームのために「走る」スタイルに変貌し、攻守に貢献できるストライカーとなった。3年次は決勝で帝京三に敗れ選手権出場は叶わなかったが、この激動の高校3年間の経験が、日本代表韋駄天の礎となっている。

  • 1997年10月20日生まれ、大阪府出身
  • 山梨学院➡ 松本山雅➡水戸ホーリーホック➡マリティモ➡横浜F・マリノス➡セルティック

 

谷口彰悟
(大津/川崎フロンターレ)

攻撃的ボランチとして優秀選手に選出
高校2年次は高校総体4強、天皇杯で一勝をマークした注目チームとして第87回大会に出場。高い得点力を備える2年生ボランチとして攻守にわたる貢献をみせ、大会優秀選手に選出されている。大迫勇也(鹿児島城西)が10ゴールを記録した大会として知られる同大会だが、“国内ナンバーワンDF”も確かな足跡を残している。8年間在籍した川崎フロンターレの主将は、カタールW杯を経て同国1部リーグのアルラヤンで新たな戦いに挑むことが確実視されている。

  • 1991年7月15日生まれ、熊本県出身
  • 選手権出場歴:第87回(2008年度・ベスト8)
  • 大津➡筑波大学➡川崎フロンターレ

 

町野修斗
(履正社/湘南ベルマーレ)

規格外の“ナニワのイブラヒモビッチ”
J1の2022年シーズン、日本人選手で最もゴールを記録したストライカーは、高校時代に“ナニワのイブラヒモビッチ”の異名を持つ。184cmの身長ながら足元の技術に長け、左右両足のシュート精度、ヘディングも強く、世代トップの万能型FWと評された。名将・平野直樹監指導の元、唯一未熟とされたメンタル面でも大きく成長。3年次の大阪大会決勝で大阪桐蔭高に敗れ選手権出場は叶わなかったが、大会後日本高校選抜に選出されている。

  • 1999年9月30日生まれ、三重県出身
  • 履正社➡ 横浜F・マリノス➡ギラヴァンツ北九州➡湘南ベルマーレ

 

柴崎 岳
(青森山田/ CDレガネス)

端正なルックスと華麗なプレーで社会現象に
1年次から名門・青森山田の10番を背負い、第87回大会から第89回大会にかけ3大会連続で出場。FIFA U-17ワールド杯に挑んだ日本代表でも10番を付け、その端正なルックスと高校生離れしたプレーから、注目度は群を抜いていた。特に決勝まで勝ち上がった2年次の第88回大会は「大会の顔」として一大フィーバーとなり、全国で報道が加熱。優勝こそ逃したが、大会直後に鹿島への内定が発表されるなど、プラチナ世代の中でもその存在感は際立っていた。

  • 1992年5月28日生まれ、青森県出身
  • 選手権出場歴:87回(2008年度・1回戦敗退)、第88回(2009年度・準優勝)、第89回(2010年度・3回戦敗退)
  • 青森山田➡ 鹿島アントラーズ➡テネリフェ➡ヘタフェ➡デポルティーボ➡CDレガネス

Jリーグクラブユース セレクション

選手権を目指す高体連とは別軸の道を歩んだJリーグアカデミー組からも、一部ユース時代を紹介!


 

堂安 律
(ガンバ大阪ユース/フライブルク)

今と変わらない負けず嫌いの上昇志向
ガンバ大阪ジュニアユースでU-15年代全国3冠を達成して同ユースへ。高校2年次、16歳11カ月18日でクラブ史上最年少リーグデビューを果たし、翌年2016年に飛び級でトップチーム昇格。同年にはAFC U-19選手権の大会MVPに選出され、アジア年間最優秀ユース選手賞を受賞した。当時の本誌インタビューでは、同MVP受賞にも「全然ダメ」と答える上昇志向で、数万人の観客を動員する選手権に「悔しい」と嫉妬する一面も。

  • 1998年6月16日生まれ、兵庫県出身

 

冨安健洋
(アビスパ福岡U-18/アーセナル)

クラブ史上初の高校生Jリーガー
アビスパ福岡U-18所属の高校2年次、2種登録で公式戦デビュー。3年次にプロ契約を結び、アビスパ福岡史上初の高校生J リーガーとなった。同い年の堂安とはJFAエリートプログラムU-13から各年代の日本代表、そしてカタールW杯で共闘した。

※写真は平成26年度の国体九州ブロック大会の福岡県U-16少年男子チームの6番ボランチ・キャプテンとして出場した時のもの。

  • 1998年11月5日生まれ、福岡県出身

 

南野拓実
(セレッソ大阪U-18 /モナコ)

セレッソU-18のエースはあの選手と同級生!?
セレッソ大阪U-18では高校1年次からレギュラーを掴み、2年次は第19回Jリーグユース選手権大会で13得点を挙げて得点王に。高校3年次に2種登録選手となり公式戦初出場、天皇杯4回戦で公式戦初得点を記録している。ちなみに在籍した興國高校では高体連所属の古橋亨梧(セルティック)と同級生だった。

  • 1995年1月16日生まれ、大阪府出身