環境を替えることで得られるものがある。新チーム移籍から親子で学んだこと
先月お話しさせていただいた移籍について。親子共々、卒業までこのチームでと思って入団した小5の3学期からのお話です。
息子にとってはベストマッチだったのですが、人それぞれだとも思います。良い取り組みだなと思ったことや嬉しかったことなどを紹介させてください。
体験に行った際の出来事
新しいチームの在籍は、小学校卒業までのたった1年3カ月でしたが、息子がとても成長し充実した期間だったと思います。体験にお邪魔した際、子どもたちがすぐに声掛けをしてくれました。知らない親子がグラウンドに入ってきたから、体験だろうと察してくれたのでしょう。すぐにコーチが来てくれて私と息子に軽く説明をしてくれた後、練習に入りました。
2度目の体験の際はすでに入団の意思もあったのですが、ほかのチームへの体験などに参加していたので期間があいてしまいました。けれど初回と同じように「前に体験に来てくれた子だよね」とグラウンドに入ってすぐ気づいてくれました。お察しの通り、グラウンド入りしてすぐの声掛けにまずホッとさせられ、さらに「前に来てくれた」という言葉遣いにも驚きました。謙虚に相手に接することができる、素敵な子がいるチームなんだなと思いました。
新チームで学んだこと
ジュニアサッカーチームのスケジュール
我が家はサッカー事情を知らないまま最初にスクールという整った環境から始めたため、チームに入ったときの衝撃は大きかったです。まず、スケジュールがあってないようなものということ。平日の練習はほぼ予定通りですが、週末の予定が正式決定されるのがその週の水曜か木曜で、稀に金曜になることもありました。
のちにどこのチームも似た感じと知りましたが、入団以前は土日の休日は寝坊をしてお出かけという生活スタイルだったため、サッカーのスケジュール次第で計画しなければいけないことに戸惑いが大きかったことをよく覚えています。移籍したチームは大まかなスケジュールを知らせていただいていて、大きな変更がほぼなかったため、家族の予定を組みやすくてありがたかったです。
コーチやトレーナー陣のサポート体制
また、コーチが多く、実際にプレーしながらの指導だったので分かりやすかったと思います。練習最後のゲーム時には、コーチも入ってくださるので学ぶことが多かったはずです。
試合の応援に行くと、怒鳴り声で指導をするコーチを多々見掛けるかと思いますが、こちらのコーチは声を荒げることは一切ありませんでした。その代わりに、得点時や良いプレーが見られたときは子どもたちと同じくらい喜び、盛り上がってくれます。
トレーナーも在籍していて、サッカー後のアフターケアについて教えてくれたり、不定期でしたが身体の悩みを一人ずつ聞いて、それに見合ったトレーニングを紹介してくれたりしました。成長痛が始まる年代でもあったし、痛みに関してだけでなく「速く走るためにはどんなトレーニングがよいか?」「キック力を上げるためにはどうしたらいいのか?」などの問いにも答えてくれました。また、保護者も参加できるオンライン開催での熱中症対策など、さまざまな提案をいただきました。
自ら考えて動く姿勢を育てる指導
こちらに入って一番驚いたことは、練習試合のあとのミーティングです。コーチからのお話ももちろんありますが、子どもたちで試合のフィードバックをしている姿、各々考えながらそのプレーをしていて試合後に思い出して反省ができている姿に驚きました。負けちゃったね、悔しいね、で終わるのでなく、どんなところが至らなかったのか、良かったプレーはなどとずいぶんお話ししていて、子どもたちにも考える時間を与えてくれていい指導だなと感じました。
私は息子が幼稚園に入園したタイミングで復職したのですが、復職してから自分にゆとりがなくせっかちになり気味で、息子ができないことがあると待てずに手を出してしまったり、声を掛けてしまったりと先回りしてしまうことが多々ありました。学年が上がるごとに先回り育児が良くなかったとは気付いていたのですが、習慣になってしまってなかなかやめられなかったので、考えなくても答えを用意してもらえる状況に息子も慣れてしまっていました。
ですがこのチームに出会えたことにより、自身で考えて動くことを学びました。さらに希望者は「7つの習慣J」のオンライン受講ができました。ジュニア年代でこちらを学び、自分との向き合い方や問題解決するための考え方などの知識を楽しみながら得られました。高校受験が迫り、自分自身の進路を真剣に考える時期にきた現在でも、再度テキストで復習できたらと思うような学びの多いものでした。
コーチはフランクな方が多く、隙間時間などによくお話しさせていただけたのですが、私たち両親にとってはとても励みになるお話もいただけました。成長の過程なのでしょうが横に伸びてきていて、もともと優れていないであろう動きが更に鈍くなっていった頃に「いまは身体が急に大きくなってうまく動かないけれど、きちんと考えてプレーをしているからこの先きっと伸びていくよ」と。
実際の息子はまだまだ発展途上ですが、中学に入って体重の伸びから身長の伸びへシフトしたため動きは軽やかになり、本人も足が速くなったほか、頭で考えたことがプレーに出せるようになったなどいろいろな変化を実感しているようです。
挙げるとキリがないのですが、子どもたちのフラットさが一番良かったです。新しいチームメイトを受け入れる早さ、分け隔てないところ、元気なところ、良い意味での子どもっぽさ。このチームメイトに出会えたことも息子の宝であると思います。
最後に、チーム紹介から抜粋引用させていただきます。
「楽しむことはもちろんですが、常に上を目指してほしいと考えています。ボールを蹴る楽しさからサッカーを好きになった次は、できなかったことができた喜び、勝てなかったチームに勝てた喜びを体験してもらいたいと思っています。それがコーチ達が選手として体験したサッカーの楽しさでもあります。より高いサッカーの楽しさを体験して、自信をつけて、もっともっとサッカーを好きになり大人になってからもサッカーを続けてほしい。。。」
チーム紹介はどこも良さそうなことが書かれているのでそこまで気にしていないのですが、実際にサッカーが楽しいという気持ちを損ねることなく退団できました。そして、まだまだ不足だらけですが、上を目指す(とりあえずはジュニアユース)ということで続けていくことにもなり、今のところその意思は続いています。このまま、楽しいサッカーの上に成り立つ、上を目指す人となってくれたらいいなと思います。
初めからこのチームに在籍していたらまた違った見え方だったのかもしれません。移籍してきたからよいところばかり見えていたのかもしれません。
ただ、息子にとっては良いターニングポイントとなったようなので、みなさんも、お子さんがチーム替えしたいとなると慎重になりがちでしょうが、無理や我慢をさせるよりスパっと違うチームへというのもひとつの道なのかもしれません。
こちらのコラム掲載に関してご相談に乗っていただいたコーチに感謝をこめて。