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チームメイトが退団する!?その時子どもに伝えたいこと【Monocular#14】

サカママの皆さん、いかがお過ごしでしょうか? サカママライターのマツユミです。
まだまだグラウンドで子どもたちのサッカー練習や試合を見学するには寒い季節ですが、春の訪れを感じる出来事も増えてきました。例えば、この時期に届くのは、退団や移籍のお知らせですね。実は、先日もチーム保護者LINEにチームメイトの保護者から退団のご挨拶が流れました。
そこで、今回のコラムでは「チームメイトが退団する時に子どもに伝えたいこと」について皆さんと考えてみたいと思います。春は出会いと別れの季節、サッカーを通して出会った全てのご縁を大切にしていくために、私たちサカママができることはなんでしょう?

退団の理由って何がある?その時、どう子どもに伝える?

さて、チームメイトが退団する!というニュースに触れた時、チームに残る選手は驚いたり落胆したり、心を揺さぶられることもあるのではないでしょうか。そんな時、子どもが感じる「なぜ?どうして?」に丁寧に向き合うことが大切だと感じています。退団の理由は千差万別ですが、ここでは私たち親子が経験した場面を大きく3パターンに分けて綴ります。

パターン1 転勤による退団

まず1番多いのは、「転勤による退団」です。ご家族の仕事の都合により退団せざるをえない選手も少なくありません。この場合、子どもに伝えるハードルは高くありません。特に小学生年代の選手にとって、ママやパパのお仕事の都合だよという理由は、腑に落ちやすいのではないでしょうか。
我が家では、「住む地域やチームのある場所が離れても、サッカーを続けていればまた一緒にプレーする時が来るかもよ、お互いサッカーを続けようね」と話をします。実際に、息子も小学校低学年で転勤により退団したお友達と数年ぶりに再会した際、一緒にサッカーをしたり、Jリーグの試合観戦をしたりとそのご縁は続いています。

 
転勤で離れ離れになったお友達と再会しJリーグ観戦

パターン2 チーム間の移籍

2番目は、「チーム間の移籍」です。より強いチームに移籍するケースもあれば、より活躍できる場を求めて移籍することもありますね。同じ地域にあるチーム間での移籍は、選手登録や試合登録などへの配慮から、気を使うことも少なくありません。だからこそ、チームを移籍する決断をした選手とその保護者の思いを尊重し、エールを送りたいですね。
我が家では、「あの子にあったチームに出会うことが大切だね」と同時に「1つのチームに拘らないこと」と「移籍をしたいならばいつでもできるよ」と話をします。日本では何年も同じチームでプレーすることが多いようですが、諸外国では半年ごとにチームを移動することは珍しくありません。

 
今ではそれぞれ別のチームでサッカーを続けています

パターン3 サッカーを辞める退団

3番目は、「サッカーを辞める退団」です。サッカーを辞める理由は様々ですが、怪我などの理由以外で「サッカーをしない」という選択をしたチームメイトに対しては、子どもは「え?なんで?」となると思います。でも、実はこの場面が子どもにとって成長のチャンスだと感じています。なぜなら、「サッカー以外の選択があること」を知る機会になるだけでなく「なぜ自分は他のスポーツや習い事ではなくサッカーなのか」を考える時間にもなるからです。我が家では、この3番目の理由で退団する仲間を送り出す際に「なぜあなたはサッカーなの?」と問いかけます。今の所、「だってサッカー大好きだから」という返答しか出てきませんが(笑)。

サッカーで紡いだ縁に感謝して、エールを送ろう

さて、今回は「チームメイトを送り出す」をテーマに綴りました。送り出す選手も送り出される選手も、それぞれの気持ちに思いを馳せることで各々が進む道に対してエールを送ることが出来るのではないでしょうか。サッカーを通して紡いだ全てのご縁に感謝すること、私たちサカママも忘れたくないですね。

WRITER PROFILE

マツユミ
マツユミ

「みんなちがって、みんないい社会とは?」を日々考える社会科学系研究者。2人のボーイズ(12歳・9歳)を育てるサカママ。兄は、サッカー8年目。一方、弟は兄の影響でサッカーを始めるも、現在はアイスホッケーに夢中。スポーツ医の夫と愛犬の5人家族。