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サッカー中にも起こる!3大事故とは?

サッカー中にも起こる!3大事故とは?

予期してないときに起こってしまうスポーツ事故。正しい知識を持っていないと、慌ててしまったり、対応が遅れてしまうことも!まずは、サッカー中に起こるスポーツ事故について理解し、いざというときに備えよう。

サッカーで起こりやすい脳しんとう。疑いがあればプレーからすぐに外すこと

「脳しんとうは、たいしたことない」と思っている方、いませんか?脳しんとうは、強く頭をぶつけることで脳が衝撃を受けて起こり、頭痛やふらつき、吐き気、意識を失うなど、普段とは違う変化が生じます。プレー中に相手と衝突することがあるサッカーでは、脳しんとうは起こりやすい事故の1つと言えるでしょう。

その多くは目に見える症状がないため、子どもは試合中に頭を強く打っても、監督やコーチから「今日は大事な試合だから、出られそうか?」と聞かれると「大丈夫です」と答えてしまう傾向があるのです。けれど、繰り返し頭を打撃してしまうと重症化してしまう可能性もあります。脳しんとうの疑いがあったら、練習や試合からすぐに外すというのがスタンダード。指導者は徹底するようにしましょう。

スポーツ事故の中でも心停止はとくに救命処置が重要

突然、心臓の働きが停止してしまう心停止。子どもの心臓が急に止まることは、想像しにくいかもしれません。確かに滅多に起こることではないものの、運動中に子どもが心停止を起こしてしまうことはあり、中でも陸上やサッカー中に多いことがわかっています。心停止は1分遅れるだけで救命率が約10%下がると言われ、スポーツ事故の中でもとくに救命処置が重要になります。

通常、Jリーグなどでは、試合中に選手がケガをしたり倒れたりした場合、審判が試合を止めない限りチームドクターはフィールドに入っていけません。けれど、相手選手などとの接触なく倒れたときは、心停止に陥っている可能性があるため、審判の指示を待たずにチームドクターが処置をしてもいいことになっています。それほど1秒の無駄も許されない状況なので、いざというときに備え、普段から救命の講習会などに参加して心肺蘇生の方法やAED(自動体外式除細動器)の使い方を学んでおくことが大事です。

スポーツ事故は災害と同じ。普段から準備をしておくことが大切

猛暑が続き、毎年のように最高気温が更新される昨今、熱中症による事故もサッカーの練習や試合中に多い事故です。熱中症は、症状が出た後、上手く対応しないと重症化し、命を失ってしまうケースも。けれど、熱中症は防ぐことができる事故でもあるのです。近年、サッカー中の熱中症を防ぐには、水分や塩分補給だけでなく、練習や試合直前に身体を冷やす「プレクーリング」が大事だと言われています。プレクーリングとは、身体を冷やして、深部体温(身体の中心の温度)を下げること。

熱中症は深部体温が上昇し、その熱を外に出すことができずに起こるため、運動前に深部体温を下げておけば熱中症予防になるのです。指導者や保護者が積極的に予防策を取り入れていかないと、熱中症から子どもたちを守れない時代になっていると言えるでしょう。

スポーツ事故は、思ってもいないときに起こることがほとんど。災害と同じだと捉え、いざというときのために準備をしておくことが大事です。日頃から知識と理解を深め、スポーツ事故に関する情報に対してアンテナを張っておくことです。WEBサイトにはスポーツ事故の対応法なども載っているので、印刷してチームで共有しておくといいでしょう。

頭を打った衝撃で起こる「脳しんとう」

頭を打った衝撃で起こる「脳しんとう」

脳しんとうは、頭部を強く打撃することで起こる脳の損傷です。直接頭をぶつけなくても、身体に衝撃を受けて脳が揺さぶられることで生じる場合も。プレー中、相手の身体の一部と頭が強くぶつかったり、ボールが頭部に直撃したり、強く蹴られたボールを頭で受けたときに起こりやすいでしょう。脳しんとうの疑いがあるときは、プレーを中止させ、身体はもちろん、脳を休ませることが重要。症状が悪化する場合もあるため、頭を打ってから24時間は観察を。

プレー中、急に倒れてしまう「心停止」

プレー中、急に倒れてしまう「心停止」

練習や試合中、他の選手と接触がなく急に倒れてしまったときは、心臓の働きが停止してしまう心停止を疑いましょう。即座に選手のもとへ駆け寄り、意識と呼吸を確認し、場合によっては救急車を呼んで、心肺蘇生やAED を行うことも必要です。救命処置が遅れるほど、脳への酸素が足りなくなり、命は助かっても後遺症が出てしまう場合も。練習や試合を行うグラウンドには、どこにAEDがあるかを確認しておきましょう。

水分を摂っているだけでは防げない!「熱中症」

水分を摂っているだけでは防げない!「熱中症」

熱中症は暑熱環境によって生じる障害の総称です。たちくらみ、足がつるなどの軽症から、頭痛や吐き気、反応が鈍くなる中等症、熱射病になる重症へとすすんでいきます。練習や試合中に熱中症では?と疑ったら、すぐにプレーを中止し、涼しい場所へ。身体を冷やし、水分を与えることが重要です。予防するためには、水分・塩分補給に加え、運動する直前に身体を冷やすこと。また、練習中はこまめに日陰で休ませ、水分を摂る時間を設けることも大切です。

COLUMN

AED常備の義務化はJリーガーの死がきかっけに

サッカー元日本代表の松田直樹さんが亡くなったのは、今から13年前。横浜F・マリノスから、当時JFL(Jリーグの下のアマチュアリーグ)だった松本山雅FCへ移籍し、半年たった頃。練習中にグラウンドで心停止で倒れ、緊急搬送されたものの命を失うことに。当時、JリーグのチームにはAEDの設置が義務化されていたもののJFL には規定がなく、チームにAED は置いてなかったとのこと。以降、Jリーグやフットサルリーグ、WE リーグ、そしてJFLでも練習や試合ではAED の常備が義務付けられています。

松田直樹
Photo: Getty Images

イラスト/アキワシンヤ

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