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【サッカーを仕事にするということ】好きなことを仕事に!単身東北の地で奮闘中

この国にはサッカーを生業にしている人たちが大勢いる。そこだけを目指し人生を捧げてきた人たち、別の道から辿り着いた人たち、それぞれ道程は異なるが、彼らに共通するのは、サッカーに対する純粋な愛だ。 業界最前線で働く6人の方々を取材。“選手”としてではない、各々のサッカー人生をここに紹介する。

梶山由珠

CASE クラブスタッフ

梶山 由珠 YUZU KAJIYAMA

いわてグルージャ盛岡 事業・運営担当

Q1 サッカーとの関わりは?

地元・柏レイソルの熱狂的なファン
「日立柏サッカー場が近所にあり、小学4年生の時に家族で初めてJリーグの試合を観に行ったんです。当時はルールも分からなかったのですが、そこでのサポーターの盛り上がり、非日常の体験をしてからは虜になりました(笑)。家族で関西、四国のアウェイゲームまで追っかけるほど熱狂的なファンになりました。高校卒業後に地元の一般企業に就職したのですが、シフト制で思うように休めず、レイソルの応援に行けなくなってしまったんですよね。仕事をして気づいたのが、社会人になると生活の8割以上は仕事で占められるということ。だったら好きなサッカーを仕事にしようと思い、新潟にある日本唯一のサッカー専門学校『JAPANサッカーカレッジ(JSC)』に進学しました」

Q2 専門学校で学んだことは?

アルビレックス新潟などでの実習経験
「Jクラブで広報の仕事をしたかったので、JSCのサッカービジネス科に入学しました。実習では北信越1部リーグに所属するJSCのップチームの広報を選択しました。平日はホームゲームに向けたマッチデープログラムの制作や、チラシ配布、SNSの活用、週末はJSCのホームゲーム運営と、アルビレックス新潟のホームゲーム運営実習と、在学中の多くの時間を実習に費やしました」

Q3 働き始めて苦労したことは?

自ら発信手段を切り拓いた
「2年生の頃には千葉のVONDS市原(関東1部リーグ所属)にインターンシップに行きました。地元に近いこともあり、サッカークラブで働きたかったので、企画書を出して猛アピールをしました。どんな手を使っても入ってやろうって(笑)。結果、採用してもらうことになったのですが、当時はクラブに専任の広報がいなかったので、自ら外部に向けて発信手段を切り拓いてく必要がありました。メディアや行政とのつながりから、機能していなかったSNSの見直し、ハイライト動画の編集や、会報誌の作成など、広報活動でできることは全部やりました。仕事量は膨大でしたが、ここでの経験は自信につながったと思います」

Q4 現職への経緯は?

JSCの同級生からの情報
「VONDS市原で2年が経過した頃、グルージャ盛岡(現いわてグルージャ盛岡)で広報をしていたJSCの同級生から、クラブが運営担当を募集していることを知りました。運営はホームゲームを統括する役割なので、自分にできるのか、という不安がありました。でも『Jクラブで働きたい』という想いが強かったし、運営の正担当での採用なので、これはチャンスだと思いました。Jクラブでは正担当と副担当で大きな違いがあり、正担当として活動するなら、対外的にもパイプが一気に広がると思ったんです。クラブも強く求めてくださったこともあり、岩手に行くことを決めました」

Q5 現在の業務内容は?

運営として主にホームゲームを調整
「運営担当として主にホームゲームを取りまとめる役割を担っています。簡潔に言うと、そのための準備を日々行うことが仕事ですね。ビジターチーム、ボランティアスタッフ、中継局(DAZNやテレビ局)、警備会社、サポーターなどとの連絡・調整を行うのですが、例えばビジターチームなら、当日のタイムスケジュールや注意事項、選手やバスの動線などをお伝えし、ビジターチームの到着時間や車両ナンバー等を収集して警備に共有します。来場者や競技者の安全を確保し、スムーズに競技を進行することが、運営担当としての一番の役目になりますね」

Q6 仕事で感動したことは?

 
除雪道具を持参した地元の有志により、20cmの大雪はみるみるかき分けられていった。

最悪のコンディションから起死回生のホームゲーム開催
「今年の3月31日のホームゲームで、20cmの大雪が積もりました。グラウンドに除雪機も入れられなくて、朝の段階でキックオフの13時に間に合わせるのは不可能だと思いました。でも、地元の皆さまが朝の9時に集まってくださり、マッチコミッショナーの方との約束である11時までに除雪作業が完了したんです。盛岡の人の意地を見たというか、心から感動しました」

Q7 高校生に伝えたいこと

チャレンジを続ければ可能性は広がる
「高校生ってリアルに将来のことを想像できないと思います。だからこそ若いうちから、知らないところに飛び込む勇気は必要かなって。若い頃は失敗も許されるし、チャレンジを続けていれば、20代になった後の可能性もぐんと広がると思います」

思い出の1ページ

天皇杯での柏戦で夢が叶った!

思い出の1ページ

「今年の天皇杯2回戦で柏レイソルとの対戦が実現し、日立柏サッカー場に帯同しました。ずっと応援で通っていた会場に、クラブのスタッフとして立つことは私の夢でした。試合当日の7月3日には地元の友人、家族も会場に駆けつけてくれました。レイソルのフロントの方も私がずっとファンであったことも知ってくださって、私にとって特別な一日になりました」

ある日のスケジュール

サッカを仕事にするということ

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