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池澤波空(アルビレックス新潟テクニカルコーチ(アナリスト))

【サッカーの続け方】池澤波空(アルビレックス新潟テクニカルコーチ(アナリスト))

サッカーに関わる仕事を紹介するこのコーナー。今回はコーチとしてサッカー指導者を志し、現在はアナリストとして活躍する池澤波空さんをご紹介する。所属するアルビレックス新潟は昨シーズンのJ2ベストイレブンに6選手が選出され、J2リーグ優勝=J1昇格を果たした。好調のチームを陰で支えた分析家が歩んだ道程とは?

池澤波空

池澤波空(いけざわ なみと)

1998年11月25日生まれ、神奈川県出身。兄の影響で地元の少年団からサッカーを始め、鵠沼中学校サッカー部、長野県の創造学園(現松本国際)高校でプレー。2017年JAPANサッカーカレッジ サッカーコーチ研究科(4年制)へ入学。在学中にアルビレックス新潟のインターンシップで現場経験を積み、卒業後にテクニカルコーチとして正式に同チームに加入。

「選手、スタッフが一丸となった結果が6年ぶりのJ1昇格」

-現職の業務内容は?

「テクニカルスタッフ(アナリスト)が2人いて、赤野(祥朗)さんがスカウティング(対戦相手の分析)、僕が自チームの振り返りを担当しています。主には映像分析ツール『スポーツコード』を使って映像に付箋(タグ)を貼っていき、チームの指標で振り返りたいシーン(セットプレー、ビルドアップ、オフサイドなど)を短いクリップとして切り出し、プレー回数を集計しています。例えば日曜に試合があれば、試合後やオフに松橋(力蔵)監督と連絡して意向を汲み取り、火曜の朝には分析映像を提出します。その後は次節・その先の試合に向けて対戦相手の分析に必要な素材の用意をするサイクルです」

-こだわっている部分は?

「映像分析では良いプレーと悪いプレーのクリップを作成します。負けた試合だからといって悪いプレーばかりにフォーカスするのでなく、良いプレーもしっかり拾う必要があります。松橋監督のこだわりを咀嚼した上で、僕も考えながら映像をチョイスしています。チームの勝利に還元するためにも、一時も気を抜けない作業です」

-好調のシーズン、チームの雰囲気は?

「松橋監督は誰に対しても特別扱いは一切しません。その週にパフォーマンスが良い選手がメンバーに入るのが当たり前という空気がチームに流れていて、全員のモチベーションが高い。それは選手だけでなく我々スタッフにも浸透していて、普段の生活から自らを律して、目標に向かってチームが一丸になっている感覚がありました」

-池澤さんのサッカー歴を教えてください。

「3つ上の兄の影響で地元の少年団でサッカーを始め、自分に厳しくありたいと考え、高校は越境して長野県の創造学園で寮生活をしていました。元々サッカーコーチになる夢があって、高3の夏にはコーチの薦めから、新潟のJAPANサッカーカレッジ(JSC)に行くことを決めていました」

アナリストとして真剣な表情でPCに向かう池澤さん
アナリストとして真剣な表情でPCに向かう池澤さん。普段は屈託のない笑顔で場を和ませ、周囲からの信頼も厚い。その端正なマスクから一部でファンクラブも存在するのだとか。

-JSCで学んだことは?

「JSCの利点は何より実習の豊富さにあります。最初の2年間は学内チームで学び、トップチーム、女子、ユース、ジュニアのスクールとカテゴリーが分かれているので、いろんな年代で多くの経験を積むことができました。それがアルビレックス新潟でのインターンシップに活きたと思っています」

-就職の経緯は?

「インターンシップではテクニカルスタッフとしての業務のサポートをしつつ、マネージャーとして用具の整理なども行いました。自分から少しでも何かを得ようと、先輩や周囲の意見を聞きながら全力で目の前のことに取り組みました。4年次の年末には他クラブから内定をもらっていましたが、新潟の強化部長から正式にオファーをいただき、現在に至ります。『ここで働きたい!』という気持ちが強かったですね」

-J2優勝の昨シーズンを振り返っていかがですか?

「勝っても浮かれず、負けても落ち込まず、2つ、3つ先の試合ではなく、目の前の試合に向けて全力で準備をしてきました。本当に全力でやってきたので、気づいたら優勝していたっていう感覚です(苦笑)。だから、この1年で何が自分の中で成長できたのか実感がないんです…。それ(自分の成長)にいつ気づくのか分かりませんが、これからも全力でチームに貢献できるように取り組んでいきたいです。その先に、コーチとして子どもにサッカーを教えることができれば嬉しいですね」

読者へのメッセージ

目の前のことを全力で!それが未来のチカラになる
「もし目的が定まらずに時間が経過しているようであれば、それは目の前のことに全力でぶつかる努力をしていないからかもしれません。サッカーも勉強も、目の前のことを一歩一歩乗り越えることが10年後の自分のためになると思います」

ある1週間のスケジュール

オフ(自チームの映像分析)
監督・コーチに映像提出⇒MTG
映像分析
スカウティング担当に映像を提出
映像分析(対戦相手分析)
映像分析(対戦相手分析)
試合
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写真/©Albirex Niigata