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教育先進国・オランダで得た子育てのための3つのキーワードとは

先日、オランダの小学校、中学校、高校を見学してきました。
教育先進国といわれるオランダでは一体どのような先生がどのような授業を繰り広げ、生徒はそれをどう学んでいるのか。
日頃、日本の小中学校をまわる生活をしている僕にとっては以前から非常に興味があり、この機会に行ってきました。

そこにはたくさんの成長のヒントがあり、育成期の子どもたちにとって大切なことが詰まっていました。

すべての授業を見学したうえで、先生方と生徒たちに時間をいただき、教育について、学校で学ぶことの大切さについて、そしてそれをどう将来に生かしていくかについて語りました。
これは子どもたちが成長していくうえで、子育てしていくうえで大きなヒントになると思うので、ここで書かせていただきます。

先生方と生徒たちに「オランダの教育の素晴らしいところ、大切にしているところ」を尋ねたところ、先生が一番にあげた答えが「刺激」でした。

オランダの私立中学・高校では一つの授業を受ける人数は最大でも10人。僕が見た日も多くのクラスで3人の授業やマンツーマンの授業も多く見られました。
つねに緊張感のある授業が維持できることは言うまでもありませんね。日本の学校が40人クラスであることに大変驚いていました。

そして、小学校から積極的に取り組むのはディベート。人前で自分の意見を発表することに力を入れていて、その意見に対してさまざまな議論がなされます。
これも子どもたちにとっての大きな「刺激」ですね。
小学校低学年の子たちが自分の意見をしっかりと主張し、他の子はその意見を尊重しながらさらに良くなる方向性を考え提案し、最初に意見した子もそれに対してしっかりと頷き、受け入れるのです。

こうやって日々の授業の中で、自主性、協調性、コミュニケーション力を培っていくわけですね。とりわけ感心したのは子どもたちの「共感力」。相手の気持ちを汲み取る力です。
相手の発言の真意や、その言葉の奥までを感じとり、理解しようとする力はとても小学生のそれとは思えないほどでした。
子どもたちが失敗を恐れず挑戦できる環境を整えるのは我々大人の役目です。
たくさんの良い「刺激」を与えられる機会をどんどん提供していきましょう。

そして、生徒たちから出た意見は「相互的」、「対等」でした。

「授業は一方的でなくつねにインタラクティブ(相互的)。だからつねに自分の考え、意見を準備しておく必要があるし、あらゆることに関して自分の考えを持つ習慣が自然と身につく。
そして先生と対等な立場にあることで自分の意見を発表できるし、すべての先生が素晴らしく、その環境を提供してくれている。」

これは子どもにとってだけでなく、大人である我々にももちろん言えることですし、サッカーの指導現場でも非常に重要なことですね。

子どもの可能性を潰すような社会であってほしくないし、そのために大人がどんな環境を作っていけるのか。
そのヒントを今回は見つけることができました。

「刺激」、「相互的」、「対等」。

この3つのキーワードが子どもたちの可能性を広げる、親として、一人の大人としての向き合い方、育て方のヒントになるかもしれません。
皆さんにとって、少しでもお役に立てたら嬉しいです。

WRITER PROFILE

野田恭平
1981年、神奈川県生まれ。サッカー親子講師。東京V、琉球、岐阜などでゴールキーパーとして活躍。現在は、全国のサッカー少年と保護者を対象に親子向けの親子イベントを開催し、「スポーツを通した人間育成」と「子どもの可能性を最大限に引き出す親のサポートの在り方」をテーマに講演活動を展開。また、JFAこころのプロジェクトのメンバーとして、「夢を持つことの大切さ」と「夢に向かって努力することの大切さ」を子どもたちに伝える活動を行なっている。サッカー少年を育てるママの悩みに真剣に向き合い、絶大な信頼を得ている。