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伸びる選手を支える保護者の関わり方【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】

伸びる選手を支える保護者の関わり方【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】

サカママ読者の皆さま、こんにちは。大槻です。

12月に入って一気に冬を感じるような季節になってきました。
育成年代のサッカーは、次年度に気持ちを動きつつも、冬の全国大会を残すのみとなってきましたね。出場されるチーム、選手、保護者の皆さまは、とにかくその時間を楽しんでほしいと思います。

勝つチームもあれば、負けるチームもある勝負の世界の中で、これまで子ども達のサッカーに一生懸命な多くの皆さんの悩みに向き合ってきました。皆さん子どもの成長を願う気持ちは一緒です。しかし、我が子に対してちょっとしたことで焦ってしまったり、イライラしてしまったり...

そこで今回は、「伸びる選手を支える保護者の関わり方」について。これまで多くの選手とその保護者の方と関わってきて感じたことを整理していきたいと思います。
決して難しいことではありませんが、そこにはいくつかの共通点があるように感じています。

保護者は「子どものサッカーに興味がない」を装う!?

これは、不思議に感じるかもしれませんが、実はとても大切です。
ここでの「興味がない」は、サッカーのことは放任という意味ではなく、お子さんの技術的な部分や、試合の細かい結果に一喜一憂しすぎないという意味です。

保護者はコーチではありません。最大の敵は余計な「口出し」かもしれません。。。
皆さん。試合が終わった後、つい子どもに言ってしまっていませんか?

「なんであそこでシュート打たなかったの!?」
「もっと、走りなさい!」

保護者の皆さんの愛情からくるアドバイスや指示は、残念ながら子ども達の「考える力」と「自発性」をストップさせてしまう可能性があります
感情のままに伝えてしまうと子ども達は、「お母さん(お父さん)が言う通りにしないと怒られる」「失敗したらどうしよう」と、親の顔色をうかがうようになり、本来持っている創造的なプレーやチャレンジ精神が消えてしまうこともあります。

技術的な指導は現場のコーチに任せて、保護者の皆さんは子ども達にとって「安心できる最高のサポーター」でいることが大切です。

親が本当に注意すべきは「生活習慣」と「人間性」の土台づくり

では、どんな関わりが必要なのか?
私が長年、伸びる選手とそのご家庭を見てきて感じているのは、保護者が本当に注意すべきなのは、ピッチの外での「土台づくり」だということです。この土台こそが、選手として成長していくために不可欠な要素だと思っています。

1. 準備と片付け、挨拶、礼儀とマナー

◇準備・片付け(自立を促す)
練習や試合前に、必要な持ち物を自分で確認し、準備し、帰宅後に片付けを完了させる。これは自己管理能力の基本になります。

◇挨拶と返事
誰に対してもハッキリとした挨拶ができること。指導者やチームメイト、審判、対戦相手など。 まずは大人からその姿勢を見せていきましょう。

◇礼儀とマナー
これは社会で通用する人間性の基礎になるでしょう。
相手の立場に立って物事を考えられるように練習していきたいですね。

2. 仲間を大切にする心と取り組む姿勢

◇仲間を大切にすること
チームメイトやスタッフとの円滑なコミュニケーションや、仲間を思いやる心を持つこと。
チームスポーツでは、技術や戦術以前に大切なことです。

◇取り組む姿勢
サッカーの練習だけでなく、物事に取り組む姿勢をご家庭でまずは習慣化できると良いと思います。そのようなマインドがあれば、何事にも一生懸命に取り組むようになるはずです。好きなことに対しては尚更、一生懸命になるでしょう。

プロサッカー選手に限らず、まずは一人の自立した人間に成長していく必要があります。
技術や戦術も大切です。しかし、人間的な成長なくしては選手としての成長はありません。保護者の皆さんは、ぜひこれらの「サッカー以外の基礎力」を育むことの重要性を理解してほしいと思います。

3. 自発的に行動できる選手を育てる

伸びる選手をサポートする保護者の皆さんは、結果ではなく「努力の過程」に目を向けている傾向が強くあります。これはこれまでのコラムの中でも記事にしてきていますが、とても大切なポイントです。

*「今日の練習、楽しそうだったね!」
*「最後まで諦めずにボールを追いかけたところは気持ちを感じたよ!」
*「奪われちゃったけどあのタイミングでパスを出したの、すごく良かったよ!」

このような関わりは、子どもは「結果がどうであれ、僕の努力は認められている」と感じ、「また次もやってみよう!」と、自ら練習に立ち向かうようになっていきます。そしてこういった思考の習慣が、自発的に行動できる選手の土台になっていきます。

これはサッカーだけに限らず、日常の中にチャンスがたくさんあります。
日常の積み重ねですから、大人側の姿勢が重要です。

「ピグマリオン効果」で自信を育てる

「ピグマリオン効果」って聞いたことがありますか? 簡単に言うと、「人は期待されると、その期待通りに成果を出す」という心理学の法則です。

1. 子どもは小さな大人ではない! 期待の伝え方が大切

私たちはつい、子どもに大人の基準を求めてしまいがちです。「こんな簡単なこともできないの?」なんて思ってしまうこともあるかもしれません。

でも、子どもは小さな大人ではありません。彼らの感情や思考は、発達段階にあります。大人の論理でダメ出しをしたり、他人と比較をするのではなく、我が子をしっかりと見てあげてください。そして「ポジティブな期待」を言葉と態度で伝えてあげましょう

「〇〇は何でもできるから大丈夫だよ」「必ず良くなるから続けてごらん」という保護者の方の揺るぎない信頼こそが、子どもがプレッシャーを跳ね返す最高のエネルギーになります

2. ポジティブな関わりは「行動」を具体的に承認する

単に「偉いね」と褒めるだけではなく、子どもが自発的に起こしたポジティブな行動を具体的に承認することが大切です。

練習の準備を始めたら: 「自分から準備を始めたのは、素晴らしい!」
失敗を恐れず挑戦したら: 「今のプレーは失敗しちゃったけど、そこを狙ったことは何よりすごいよ!」

「子どもは小さな大人ではない」ということを常に頭の中に留めて、子どもの目線で、彼らが頑張ったこと、成長したことを見つけてあげてください。保護者の方の「信じる力」が、子ども達の勇気を引き出します。

まずは保護者が楽しむ!

これまで多くの子ども達と触れ合ってきて、伸びる選手を支える保護者の方に感じることは、皆さん本当に「人生を楽しんでいるな」ということです。
「人生を楽しんでいるな」というとすごく抽象的ですが、保護者の方が子ども達を通した出会い、試合観戦に行った場所、経験のすべてを一緒に楽しんでいる姿が思い出されます。
「子ども達のサッカーを通して自分の人生も楽しむ」余裕を持っている。
そんな姿勢が垣間見えます。

子ども達のサッカーが生活の中心になりすぎると、視野が狭くなってしまい、他人と比較して焦ってしまったり、不安になったり...我が子のちょっとしたミスにも感情的になってしまうこともあるかもしれません。子ども達の試合がない週末には、自分の趣味や仕事に集中したり。親御さん自身がリラックスして充実していると、子ども達にもポジティブで寛容な態度で接することができると思います。

サッカーは人生を豊かにしてくれます。
そんなサッカーとの関わりを築くことができれば、心からサッカーを楽しめるのではないでしょうか。

保護者がチームの活動を心から楽しんでいる姿は、子ども達にとって「サッカーを通じて出会う仲間や経験は宝物だ」という最高のメッセージにもなります。これが、「サッカーが楽しい!」という心を育てることにつながり、子どもが苦しいときも頑張り続けられる精神的な支えになるのだと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は「伸びる選手を支える保護者の関わり方」について整理をしていきました。
私達、保護者も子ども達を通して日々成長をしています。
この記事を読んで、何か新しい気づきにつながったら嬉しく思います。

これまで私は多くの子ども達の指導に関わってきました。
その中で日本代表選手に成長した選手、プロの舞台で活躍する多くの選手に関わることができました。
大切にしていたのは、まずはサッカーというツールを使って〝人〟としての教育を軸にすること。
もちろんサッカークラブで見せる顔と家庭で見せる顔が違うこともあります。
そんなときは、保護者の方とコミュニケーションを繰り返して子ども達に関わってきました。

サッカーをサッカーだけで切り取るだけでは、選手は育たない。

これは私が大切にしている言葉です。
そんな視点で日常の子ども達の様子を見てあげてください。

WRITER PROFILE

大槻邦雄
大槻邦雄

1979年4月29日、東京都出身。
三菱養和SCジュニアユース~ユースを経て、国士館大学サッカー部へ進む(関東大学リーグ、インカレ、総理大臣杯などで優勝)。卒業後、横河武蔵野FCなどでプレー。選手生活と並行して国士舘大学大学院スポーツシステム研究科修士課程を修了。中学校・高等学校教諭一種免許状を持ち、サッカーをサッカーだけで切り取らずに多角的なアプローチで選手を教育し育てることに定評がある。

BLOG「サッカーのある生活...」も執筆中
★著書「クイズでスポーツがうまくなる 知ってる?サッカー

株式会社アクオレ株式会社ティー・パーソナル

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