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遊びは最良のトレーニング! 遊びの時間がサッカー少年の心と体を育てる

遊びは最良のトレーニング! 遊びの時間がサッカー少年の心と体を育てる

サカママコラムをご覧の皆さま、こんにちは! 今回は、以前からぼんやり感じていた、「遊びの大切さ」についてまとめてみました。

よく外遊びをする時期はパフォーマンスも上がる説

最近我が家の次男は、サッカーのチーム活動やスクールがない日は、日が暮れるまでお友だちとの外遊びを楽しんでいます。小学生男子の遊び方は豪快です。公園でお友だちとツリーハウス作りに夢中になっていた時期は、「木から飛び降りたときに腰を痛めた~」といって家に帰ってきました。また別の日は、もう11月だというのに公園で水遊びをしてびしょ濡れで帰宅し、「絶対風邪ひくと思うくらい寒かったわ~」と笑っていました。

そんな様子を見ると、スポ根寄りの私のサカママ人格は、呆れや不安など複雑な気持ちになります。

(は? ケガしたらどうするの? 風邪ひいたらどうするの? 大事な試合を控えているというのに…)
(ライバルたちはもっとサッカー練習をしているのでは? そんなにのんきでいいのかな?)

でも、冷静にこれまでの次男の調子を振り返ってみると、外遊びの時間が増える時期は、不思議とサッカーの調子も上がっているような気がしています。私だけの気のせいなのかと思ってパパにも意見を求めると、「それは間違いなく、よく遊んでいる時期はサッカーのプレイも冴えているよね」とのこと。この現象、ちゃんとした根拠はあるのだろうかと気になって、調べてみたくなりました。

遊びの時間は育成の基盤

日本サッカー協会(JFA)は、「JFAキッズプロジェクト」といって、子どもたちが遊べる機会を作る取り組みをしていました。外で遊ぶことが減った現代の子どもたちに、遊びや運動を通じて健康な身体づくりを行いながら、チームワークやスポーツマンシップを育んでもらうことを目的とした取り組みとのこと。主に下記のような能力を高める育成の基盤になるとして、遊びを公式に推奨していました。

身体能力の向上

これはマルチスポーツについてのコラムでも書きましたが、さまざまな遊びで身体を動かすことは、自然と俊敏性やコーディネーション能力が養われます。サッカーだけでは上達しにくい身のこなしができるようになるかもしれません。楽しみながら自然と身体能力が向上するのはありがたいですね。

創造性の向上

遊びは子どもが自分たちで自由にルールを作り、工夫しながら遊びます。自分で考える力、というのは、サッカーでも高学年になればなるほど求められますよね。誰かに教えられたやり方だけでなく、自分の中からイメージやアイデアがたくさん湧き出てくるようになるには、創造性が必要です。誰にも教えられず指示もされない遊びの世界は、創造性が自然と鍛えられるのかなと思いました。

社会性の向上

遊びの中では、友だちとの協力やコミュニケーションが盛んに生まれます。ときには失敗やトラブルも起こるかと思いますが、失敗経験こそ学びがあり、コミュニケーションスキルが身につくのだと思います。サッカーに限らずどんな分野でも、自分の能力やスキルを最大限に発揮するためには、相手の考えを聞き、自分の考えを伝える力が大事ですからね。

参考サイト

公園でのサッカー遊びから生まれる素敵な出会い

遊びによって社会性が養われるという説は、非常に納得ができます。特に公園でサッカーをして遊んでいると、いろいろな出会いがあるようです。

例えば、ある日公園で友だちとサッカーボールを蹴っていたら、「上手だね」と話しかけてきたお兄さんがいたそうです。話してみると、某Jユースでサッカーをしていた経験があるお兄さんだったらしく、しばらく一緒にボールを蹴ってくれたそうです。その日の夜、家で嬉しそうに話してくれました。

またある時は、幼稚園児の兄弟との交流の話も出てきます。公園でサッカーをしていたら、とてもかわいらしい幼い兄弟がサッカーに興味を持ち、輪の中に入ってきて一緒に遊ぶようになったそうです。「今日はずっとリフティングを教えてあげたんだ」とか、「小学生になったら俺と同じチームに入りたいって言ってて、すごく可愛いんだ」など、憧れられてまんざらでもなさそうな口ぶりです。

サッカー遊びをしていることでつながるご縁や出会いは、まさに社会性をどんどん養ってくれるありがたい経験だと見守っています。

遊びという余白がサッカーへの新鮮な気持ちを保つ

ジュニア世代のサッカー少年にとっての「遊び」の大切さについて、今まではぼんやりと感じていただけでしたが、今回のコラムを書くことで「なぜ大事なのか」という理由の部分がクリアになりました。

「遊んでないで、もっと練習したほうがよいのでは?」と、勝手に心配してしまう親心も分かります。でも、高いレベルの中でサッカーを真剣に続けていくなら、なおさら遊びは必要なんだと思いました。親子でサッカーだけに偏って、燃え尽きて熱量を失ってしまわないよう、遊びという余白の時間を大事にしたいですし、その余白が、いつまでも新鮮な気持ちで、高い熱量でサッカーを続けられる秘訣なのではないかなと感じています。

もし今お子さんに対し、遊びよりも練習を! と思っているママさんがいたら、「この遊びが、身体能力と創造性と社会性を育むのだな」と、余裕の笑顔で見守ってあげてくださいね。私も自分に言い聞かせていこうと思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

WRITER PROFILE

まりこ
まりこ

臨床心理士/公認心理師
オフィスkahunaカウンセラー
14歳と11歳のサッカー兄弟のママ。サカママ歴12年。
長男はおっとりマイペースに地域の街クラブでサッカーを楽しみ、次男は強烈な負けず嫌いを生かし強豪クラブで切磋琢磨。心理の専門知識が役立った経験を踏まえ、実体験や失敗も絡めながら情報を発信します。
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