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「子どもはサッカーをいつまで続けるのか?」親として気になる…我が子が夢を“切り替える”時期

「子どもはサッカーをいつまで続けるのか?」親として気になる…我が子が夢を“切り替える”時期

こんにちは。サカママライターのHIROです。学校に通う子どもたちにとって、6月は1学期終盤です! 卒業学年の子どもたちにとっては、進路を決めなくてはいけない大切な時期かと思います。前回の記事では、「次は味覚のことを…」と張り切って記載しましたが、先立って書かせていただきたい内容(笑)がありましたので、予告とは異なったテーマで失礼いたします!!

我が子の「サッカー選手になりたい」の夢はいつ“切り替わる”のか?

これは本当に素朴な疑問です。私自身が幼少期に掲げた将来の夢は「キャビンアテンダント(CA)(当時はスチュワーデスと呼ばれることが多かったですね)」でした。私の場合は高校受験の際に受験校を決めるまでこの夢は継続していました。ですが、惰性で公言していた可能性があります。こうやって言っておけば格好がつくかな、みたいな。大人になって今、冷静に当時を思い出して…あの時本当にCAさんになりたかったのかといえば、すごく微妙! 両親を喜ばせたかっただけかもしれません。結局のところ、今は全然関係ない職種に就いています(笑)。でも確かに、CAさんもかっこいい!!

一方、小学2年生の息子の夢は「サッカー選手」です。サッカーが心から楽しいようです。リフティングの数もそこまで伸びていないように感じるのですが…相変わらず、小学校での休み時間はトータルで1時間半も毎日サッカーをしているようです。とにかく本人は、心からサッカーを楽しんでいます。そして、自分の好きな選手の出場試合のまとめ動画を何度も見返しては、音だけであっても(動画を見過ぎたときに…映像なしの音だけでピッチ上で何が起きているかをイメージしてみたらどうかと提案してみました(笑))、次のシーンで誰がどんな状態で結局どうなるのかまで説明できるほど、とにかく今はサッカーに夢中です。そんな息子の「サッカー選手になりたい」という夢はいつまで続くのだろう、と私は興味津々です。

自分の限界を自分で感じるのは「高校生」かもしれない

私は大学の教員をしている関係で、毎年、各高校に訪問して生徒さん向けに「大学とは何か?」「どんなことを勉強できる大学か?」「卒業後の進路」などなどさまざまな説明をしています。その中で、いかにもサッカー部の…まだ夏でもないのにこんがり小麦色に日焼けして、センター分けスタイルで、ATHLETAの大きなリュックを背負ってきた男子生徒さんたちに向けてお話しする機会がありました。

まず、まだ定刻ではなかったので、私は生徒さんへいつも聞いていることとして「どうしてここの大学の説明を聞こうと思った?」と尋ねてみました。「サッカーをしているようだけど、うちの大学でもサッカーをしたいのかな?」と。すると、男子生徒の1人が「サッカーはもういいかなと思ったので…」と発言し…私はびっくり!!!! 公私混同のいいところだったかもしれませんが、理由を尋ねてみました。もちろん、辛い部分は話さなくても良いし、私の息子のことなどを前置きした上で。

すると、「上には上がいることがとってもよく分かった」「ベンチの時間が長くて、もう自分はサッカーじゃないと悟った」など、ちょっとネガティブな回答でした。「親にやめろと言われたわけではなかったけど、ちょっと辛くなった」という生徒もいました。“怪我”という回答も想定したのですが、それは彼らからあがりませんでした。

少し前のデータとなりますが、令和4年に総務省統計局から公開された、過去1年間にサッカーをした人の人口に占める割合(10歳以上が対象)は、2021年の結果として10~14歳で22%、15〜19歳で17.2%、20〜24歳で9.6%であり、10~14歳は5人に1人がサッカーをしていることになります(※1)。逆をいえば、高校卒業と同時にサッカーに触れ合う時間は減少している(=辞めている?)可能性が読み取れます。

未来を見据えた自分の進路を取れる年齢に“夢の切り替え”をしている?

サッカー部の男子生徒さんと話を進めていくと、ネガティブな回答で終わるとヒヤヒヤしていた私の心配をよそに、彼らは自分の“夢”について話し始めました。

「サッカー選手のサポートをする側の職業に就きたいと思っている」「小さい頃から好きだったもの(乗り物や動物など)についてもっと学びたいと思った」などとポジティブな言葉がどんどん出てきました。彼らにとって、サッカーは自分の人生を切り開くための糧やきっかけになっていることが垣間見え、高校生までのサッカーをはじめとしたあらゆる時間を通して見えたいろんな物事を取捨選択した上で、進路を決めていることがよく分かりました。確かに、サッカー選手という夢を実現している方々も多いとは思いますが、それがすべてでもないと思える強い自分であることも大切だと感じました。

とはいえ、彼らは口を揃えて「もっとちゃんと勉強しておけばよかった」と言っていました(笑)。親としては、将来どの進路でも取れるように、先を見据えたフォローをする必要があるかもしれないな〜と…高校生の未来明るい彼らに教えてもらいました!

参考文献

※1 総務省統計局「統計トピックスNo.133 統計からみたサッカーの状況-『2022FIFAワールドカップ』にちなんで-(社会生活基本調査の結果から)」

WRITER PROFILE

HIRO
HIRO

東京生まれ、福島育ちです。小学1年生男児がおり、平日は都内某大学に勤務しつつ、休日はサッカー引率の日々です。とにかく物事を深掘りしたい性格のため、実用書から学術論文までとことん調べます。

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