【睡眠×インフルエンザ】睡眠の良し悪しでインフルエンザワクチンの効き目が変わる?!
みなさんこんにちは!
【スポーツ×睡眠】をコンセプトにアスリートの睡眠サポートを行っている、スリープトレーナーのヒラノマリです。
だんだんと寒くなってきて、今年は例年よりインフルエンザが流行するのではないかという話もあり、『今年は早めにインフルエンザの予防接種を打とう』と考えていらっしゃるサカママも多いのではないでしょうか。どうせ痛い思いをしてワクチンを打つのなら、しっかり抗体を作ってワクチンの有効性を存分に生かしたいところですよね。
そこで今回は、ワクチンの有効性と睡眠の関係についてお話したいと思います。
ワクチンの有効性は、睡眠によって左右されてしまう
睡眠不足とワクチンの効果について、カリフォルニア大学サンフランシスコ校が興味深い研究結果を発表しています。その内容というのが、健康な40~60代の方を対象にB型肝炎ワクチンを3回接種し、睡眠時間との関係を調べるというもの。
その結果、毎晩7時間以上眠っているグループと比べて、睡眠時間が毎晩6時間を下回る睡眠不足のグループは、ワクチンの有効性が11.5倍も低いことが判明したのです。
この研究はB型肝炎ワクチンの結果ですが、肝炎ワクチンだけでなくインフルエンザを含めた他のワクチンにもあてはまると考えられています。
また、2003年に大学生の若者を対象に行った、A型肝炎ワクチンと抗体の量を調べた別の実験では、ワクチンを接種した当日の夜、 通常通り睡眠をとるグループと一晩中起きている徹夜グループに対象を分け、血液サンプルを4週間後に採取し抗体濃度を調べたところ、睡眠をとったグループは、一晩中起きていた徹夜グループより抗体濃度が97%も高いという結果に。(抗体濃度が高ければワクチンによって抗体ができたということになります)
つまり、どちらの実験でも睡眠不足によってワクチンの効き目が下がってしまったということが証明されたのです。二つ目の実験なんて、たった一晩でワクチンの効き目が下がってしまったということですから、恐ろしいですよね。
抗体は睡眠中につくられる
それにしても睡眠時間でなぜここまでワクチンの効き目が変わってきてしまうのでしょうか? これはワクチンを打つことによってできる抗体が睡眠と関係があるからなのです。
私たちがインフルエンザのワクチンを打つと体内の細胞がそのインフルエンザウイルスを記憶して、いざ本物のインフルエンザウイルスが体内に入ったときにウィルスを見つけ撃退するための『抗体』を作ります。そしてこの抗体は睡眠中につくられます。
つまり、インフルエンザワクチンをせっかく打っても、睡眠が足りていないと抗体が十分につくられないため、ワクチンの効果を十分に発揮することができないのです。
また、注射嫌いのお子さんもいらっしゃるかと思いますが、睡眠不足だと痛みをより感じやすくなることも研究でわかっています。注射の痛みを軽減するためにも、予防接種の前には十分に睡眠をとって備えましょう!
睡眠の持つ役割は、私たちが想像するより大きいもの。受験生だったりすると日頃から十分に睡眠をとるということが難しいかもしれませんが、ワクチンを打つ1週間前くらいからは睡眠を意識してみてくださいね。