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試合期の食事で気をつけることとは?【鈴木啓太の腸内環境を整えよう vol.13】

腸内細菌に関わる研究を続け、腸内環境からアスリートをサポートしているサッカー元日本代表・鈴木啓太さんによるコラム。今回のテーマは試合期の食事。腸内環境から考えた食事のポイントをお伝えします。

試合期は食事で不安材料を取り除こう

試合前になると、食欲不振になったり、胃もたれや吐き気、下痢になってしまうお子さんもいるのではないでしょうか。

というのも、試合前は、緊張や興奮することで交感神経が優位に働くことから、消化吸収が抑制せれて、胃もたれや膨満感、吐き気、下痢などの症状がでたり、食欲不振になってしまうことがあるのです。また、試合中にエネルギー不足や脱水になってしまうのも、そうしたことが要因の一つです。

小学生のうちは自分の意思で体調をコントロールするのは難しいので、親御さんが試合前日の食事で、できる限り不安材料を取り除いてあげるといいでしょう。

腸内環境のことを考えると、普段なら、食物繊維はたくさんとってほしいのですが、消化不良を起こしやいすので、試合前日の夕食や試合当日は、控えるようにすることです。
また、ヨーグルトなどの乳製品も人によっては緊張時に消化不良を起こしやすいので、試合期には控えたほうがいいかもしれません。

とはいえ、試合前後は、免疫力が下がりやすく、緊張や興奮でストレスが溜まったり、便通が悪くなったりもするものです。そうしたことは腸内環境も影響しているので、やはり日頃から腸内環境を整えておくことが大事なのです。

ちなみに、今、様々な腸内細菌の研究が行われていて、陸上選手の腸内細菌を調べた研究では、大きな試合の前日に、ある菌が大幅に減少したことがわかっています。つまり腸内環境がかなり変化したことは確認できているんです。もしかしたら、試合の時、緊張によって下痢やガスが溜まりやすくなるなど、いつも以上に腸内環境が敏感になるのは、なにかしらの菌の変化が影響しているのかもしれません!

試合前日・当日の食事ポイントは?

 

では、ここからは、試合期の食事のポイントをお伝えします。試合前日と当日で大事なのは、「エネルギーをしっかり蓄えること」「身体の調子を整えること」を意識した食事にすることです。
そのため、積極的にとってほしいのが、糖質を多く含む食材です。ごはんやパン、うどん、餅など主食になるものの他に、バナナやジャガイモもオススメです。
なお、蕎麦は糖質を含むものの、食物繊維が含まれ、消化に時間がかかるため、試合前はできるだけ避けたほうがいいかもしれません。

また、身体の調子を整え、効率よくエネルギーを使うために、ビタミンやミネラルもとっておくことが大切。

 

フルーツの中でも、これからの時期は、ビタミンが多い柿がオススメです。また、脂質の少ない肉(鶏のむね肉)や魚もとるように心がけましょう。野菜は生野菜よりも温野菜のほうが消化がいいので、調理した野菜をできるだけとるようにすることです。鍋物や、うどんに野菜を入れて煮込むのもオススメです。

試合前日と当日の食事で避けてほしいのは「刺激物になりやすいもの」「脂質を多く含み、消化に時間がかかり、胃もたれするもの」「ガスが溜まりやすい食物繊維」を多く含むものです。

試合前日と当日に避けたい食べ物
から揚げ(揚げ物)、牛乳、生野菜サラダ、きんぴらごぼう(根菜類)、チゲスープ、刺身(生もの)

牛乳(乳製品)や刺身(生もの)は、普段は平気でも、試合期に食べるとお腹をこわしてしまう場合もあるので、できるだけ避けたほうがいいでしょう。

また、炒め物をする際も、油を使いすぎず、キッチンペーパーなどでふきとってもらうと、よりいいかもしれませんね。

親御さんの気持ちとしては、試合に勝つために「かつ丼」、力をつけてもあらうために「ステーキ」などを用意してあげたいところかもしれませんが、試合期は避けたほうがコンディショニングは整いやすいのです。

とはいえ、試合期にはこれを食べないといけないというものはないので、上記のような食事は避けたうえで、できるだけ糖質が多いもの、ビタミンやミネラルを多く含むもので献立を意識していただければと思います。

おにぎりは試合の2時間前までに!

 

いくら消化吸収のいいものでも、試合の直前に食べてしまうと、消化できない状態で試合に臨まないといけなくなってしまいます。そのため、試合の当日は食事のタイミングも大事になってきます。

できる限り、食事は試合の3~4時間前までにすませておくのがベストです。ただ、そこから試合までに時間があり、お腹がすいてしまったり、エネルギー不足を感じる場合は、補食を食べるようにしましょう。おにぎりやお団子などの固形物(消化に時間がかかるもの)は2時間前までに食べるように、バナナは消化吸収がよく糖質も補給できるので90分前までなら大丈夫です。試合30分前の補食は、手軽に補給できて消化が早いエネルギーゼリー(糖質メインのもの)を、試合直前は、糖質と水分をしっかり補給できるドリンクをとるといいでしょう。

なお、上記にあげたものをすべてとる必要はなく、その都度、調整してとることです。1度の試合では判断しづらいので、何度か試しながら、身体の調子いいタイミングをみつけてくださいね。

なお、これから寒くなると、汗をかいていないから水分をとらなくなりがちですが、こまめに水分はとることも忘れないように。

試合後の補食は、糖質とたんぱく質をセットに

 

試合では、練習より運動量が少なかったとしても、緊張や興奮でいつも以上に疲れている可能性があります。また、試合後は免疫力も低下しやすい状態でもあるのです。

試合後、食事がとれるのであれば補食は必要ないのですが、食事までの時間が2~3時間程空いてしまう場合は、できるだけ試合後、補食を活用して素早いエネルギー補給をすることが大事です。試合後の補食は、エネルギーを補給するために糖質をとるのはもちろん、たんぱく質も一緒にとることで、より効率的に疲労を回復することができます。ですので、下記の例のように、たんぱく質と糖質が多く含まれているものをセットにしてとるといいでしょう。

  • おにぎり(さけ、ツナなど)+ヨーグルト
  • サンドウィッチ(たまごなど)+オレンジジュース
  • バナナ+牛乳

疲れていて食欲がない場合は、無理をせずに、オレンジジュースやゼリータイプの飲料でもかまいません。ゼリータイプの飲料は、糖質+タンパク質が入っているものを選ぶのがポイントです。

試合後の食事は、バランスのいい食事に腸内環境を整える食材をプラスすることが重要に。というのも、腸内環境が整えば、免疫力もあがりやすく、ストレス緩和などにもつながりやすいからです。ですので、食物繊維や発酵食品をいつも以上にとるように心がけてくださいね。

なお、試合後は、焼肉など豪華な食事になりがちですが、まだ消化吸収が抑制されている可能性もあるので、脂っこいものはできるだけ控えたほうがいいでしょう。