支え続けて29年目ルヴァンカップの意義【サッカーを仕事にするということ】
サッカービジネスの最前線で働く方々を紹介する本企画。今年はコロナ禍による大会の中止やJリーグの中断により、サッカーを仕事にする方々にとっても苦難の年となった。今回の特集では現在の仕事に辿り着いた道程や仕事内容だけでなく、withコロナにおける各々の取り組みについてもお話を伺った。
豊間根洋行さん
ヤマザキビスケット株式会社
マーケティング部 広告宣伝課
Q1 高校時代に熱中したことは?
英国でサッカーとバンドに夢中
高校2年から英国の全寮制の学校に編入しました。学校があるミルトンキーンズ(ロンドンから北に1時間)でサッカー部に所属していましたが、バンド活動をしてギターに熱中していましたね。ロックカルチャーの本場ですから、週末はロンドンにコンサートを見に行ったり、毎日が修学旅行のようでした(笑)。春休み等はケンブリッジのご家庭にホームステイしていたのですが、サッカーの本場だけあって、おじいちゃんも一緒になって地元チームを応援しているわけです。サッカーが文化として根付いているのを目の当たりにしました。
Q2 入社への経緯は?
誰にでも喜ばれるお菓子メーカーへ
ドラマの影響で弁護士を目指し法学部へ。しかし大学入学後はモテたい一心で(笑)、スキー同好会に所属し、冬は新潟県の須原スキー場で研修、インストラクターのお手伝いをし、SAJスキー準指導員の資格も取得しました。サッカー、音楽、弁護士、スキー……、思い返しても一貫性がないですね(笑)。ただやりたいことを全力でやっていました。就職活動では、長く携わっていく仕事は何が良いかと考えながら、様々なジャンルの一般企業を何社も受けました。結果、年齢、性別を問わず、誰に差し上げても喜ばれる、自分も好きなお菓子メーカーに就職いたしました。
Q3 入社後の仕事内容は?
広告宣伝課でカメラマン!?
4年間の営業職を経て、入社時から希望していたマーケティング部広告宣伝課に配属されました。業務内容としては、消費者向けのキャンペーン企画、流通(店頭)販売促進施策、テレビ、チラシ・カタログの作成、そしてサッカーの「イベントキャンペーン」としてJリーグヤマザキナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)のサポートをしていました。会場の写真を200枚くらい撮って走り回っていましたね。決勝戦などのテレビ中継にはビブスを着たプロのカメラマンに交ざって、スーツ姿の私が一生懸命撮影している姿がよく映っていました(笑)。ピッチレベルの最前列で試合を見られたのは役得でしたね。
Q4 ルヴァンカップの業務は?
本担当としてJリーグ、代理店と調整
2014年から本担当となったのですが、その年は代理店も変わり、Jリーグも村井満チェアマンが就任し、大きな組織変更があった年でした。国立競技場は五輪に向けた改装工事に入り、決勝の会場が埼玉スタジアム2○○2に移ったりと、大きな転換期に前任者から引き継いだことで、大会に関わる全ての方と一緒になって、新たに創り上げていった印象があります。
Q5 カップ戦サポートの意義は?
Jリーグ、地域社会の発展を願って
弊社社長の飯島茂彰が川淵三郎初代チェアマンとの話し合いにより、Jリーグ発足前年の92年からサポートさせていただいております。我々はJリーグに全幅の信頼を置いていますから、“バブル”が崩壊してリーグに浮き沈みがあった時も、「離れよう」ではなく、支えていくつもりでやってきましたし、その想いは今も変わりません。Jリーグは地域密着でリーグの発展を目指し、我々はお菓子で地域社会に還元していくのが使命。これからもJリーグと一緒になって、お子さん、ご家族のみなさまから引き続き愛していただけるように、全力で大会をサポートしていくつもりです。
Q6 苦労した取り組みは?
難題に挑んだ限定パッケージが大好評
これまで会場限定パッケージを配布していましたが、好評をいただいていたことで、今年からJ1、J2の40チームのクラブマスコットとコラボしたオリジナルデザインのルヴァンプライムを店頭でも発売することになりました。より多くの方に喜んでいただけるようにQUOカードを封入することになったのですが、工場の製造現場、関係各所のリーダーが難題にも前向きに取り組んでくれ、完成品を見たときは嬉しかったです。コロナ禍にも関わらず売上好調で、Twitter 等のSNSに多くの方の投稿があり感謝しています。
Q7 高校生に伝えたいことは?
何事も食べてみないと分からない
私が高校生の時は時間があったので、行ける場所には全て行っていました。ヨーロッパをひとり旅もしましたし、学生だからできることは沢山あります。何事も食べてみないと分からない。歳をとると制約やできないことが増えていきます。失敗して学ぶこともありますから、食わず嫌いをやめて、周りを気にせずやりたいことをやってください。食べられるときに食べておくことが大事。そしてぜひ、弊社のお菓子も食べてくださいね(笑)。
思い出の1ページ
商号変更時のエピソード
2016年9月に「ヤマザキナビスコ」から「ヤマザキビスケット」に商号変更したことで、村井チェアマンをはじめ、各クラブの皆さまがJリーグカップの大会名称・ロゴを速やかに移行していただき、当社社名、製品の「YBCルヴァン」がいち早く浸透した瞬間を見ることができ、心から感謝しています。