【サッカーの続け方】半澤紀・片瀬雄介(湘南ベルマーレ U-15コーチ/フットサルコート管理)
サッカーに関わる仕事を紹介するこのコーナー。今回は湘南ベルマーレで、地域への社会貢献、そして海外でのサッカー普及に尽力してきた二人を紹介する。「サッカーが社会に対してできること」に向き合う彼らの仕事内容に迫る。
「サッカーを楽しませる」スペシャリストでありたい
半澤 紀(はんざわ はじめ)
1993年3月23日生まれ、山形県出身。中学からサッカーを始め、日大山形高校ではサイドバックでプレー。JAPANサッカーカレッジのサッカービジネス科に進学し、モンテディオ山形へ。ジュニア庄内コーチ他、普及・育成部門で6年間活動し、3年前から湘南ベルマーレに。現在は『U-15EAST』でU-13カテゴリーの指導を担当している。
「高校時代はサッカーに没頭し、将来については漠然としていましたが、純粋に『サッカーの仕事がしたい』という思いから、JAPANサッカーカレッジに進学しました。Jリーグクラブのフロント、サッカーショップ、サッカー雑誌の編集もやりたかったのですが、インターンシップでお世話になった地元のモンテディオ山形に、スクールコーチとして採用していただきました。
モンテディオ山形では6年間普及・育成部門で活動させていただき、ジュニア庄内のコーチとして、クラブ史上初めて全日本U-12選手権大会に山形県代表として出場することもできました。それまで人前に出ることから逃げてきた人生でしたが、人の先頭に立ってサッカーを伝える仕事ができていることに感謝しています。
2019年に湘南ベルマーレに来て一年目、フィリピンのサッカースクール『マニラ校』に赴きました。海外生活は初めてだったので、言語、文化、生活、気候の違いに戸惑いましたが(苦笑)、サッカー未開の地で、こうして普及活動に努められたことは大きな経験でした。現地では僕の他にも多くの日本人選手や指導者がフィリピンサッカー界の発展に尽力しています。僕もその一助になれたかはわかりませんが、東南アジアのサッカーは今後、さらに急成長を遂げることになると思います。あと、日本に帰ってきて最初に食べたコンビニのおにぎりの美味しさに感動したのも強く覚えていますね(笑)。
今はベルマーレのホームエリア東部をカバーする『U-15EAST』というチームでU-13カテゴリーの指導を担当しています。『すべてはピッチにつながっている』と考え、指導理念として『挨拶、返事、聞き方、身だしなみ、整理整頓』の5つは『当たり前』として選手に伝えています。僕は普及コーチからキャリアをスタートしたので、『楽しませる』ことのスペシャリストでありたいと思っています。そのためにはサッカーにおいて自分自身が楽しむことを意識していましたが、これがけっこう難しいんですよね(笑)。子どもの未来を担うという責任のある仕事ですが、毎日壁を乗り越えながら、『サッカーの楽しさ』を追求していきたいと思います」
高校生へのアドバイス
人生で二度と戻らない3年間。今を楽しみ、迷っていることがあるのならやるべきです。僕も海外へ行ってみて初めて知ることがありました。若いうちに経験することで、無駄になることなんてないと思います。
感謝の気持ちをサッカーを通して多くの方に還元していきたい
片瀬雄介(かたせ・ゆうすけ)
1985年3月3日生まれ、神奈川県茅ヶ崎市出身。Jリーグ開幕の1993年、小学校3年生からサッカーを始め、県立湘南台高校でGKとしてプレー。プロ選手になる夢を追いJAPANサッカーカレッジに入学。サッカー専攻科で経験を積み、湘南ベルマーレでは普及コーチとしてスクール業務、小学校の巡回授業を担当。現在はアスレティックセンターフットサルコートの管理、株式会社湘南ベルマーレ社会連携部で地域貢献に尽力。
「アスレティックセンターフットサルコートの施設の管理・運営、クリニックの企画進行が主な業務になります。またベルマーレの社会連携部として、地域課題解決の取り組みを続けています。私は『人に喜んでもらうこと』を第一に考えています。フィリピンのマニラ校が設立された初年度に赴任しましたが、サッカーを楽しむことに年齢、性別、国籍は関係ありません。東南アジアへの貢献、ホームタウンでの社会貢献もすべて等しくやりがいを感じています。JAPANサッカーカレッジで色んなことを学び、ベルマーレで多くの人に出会うことができました。その感謝の気持ちをサッカーというツールを通して今後も多くの方に還元したいと思っています」
高校生へのアドバイス
高校生の自分に伝えることがあるとすれば「もっとバカになれ」と言いたいです。やりたいことがあれば周りの目を気にせずに追求すべき。今の高校生の方がよっぽど考えていると思いますが(笑)。