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【サッカーの続け方】阿部直樹(ジュビロ磐田サッカーコーチ)

サッカーに関わる仕事を紹介するこのコーナー。今回は自身のサッカー経験を存分に活かし、ジュビロ磐田でスクールコーチを担当することになった阿部直樹氏にお話しを伺いました。選手としてプロの夢が途絶えた時、彼を支えたのは「サッカーに関わる仕事を続ける」という想いでした。

CASE サッカーコーチ(ジュビロ磐田)

JAPANサッカーカレッジに入学して、サッカーコーチを目指そうと思った

──まずは阿部さんのサッカー歴から教えてください。

「幼稚園のときにモンテディオ山形の試合を見に行ったのがサッカーを始めたきっかけでした。スタジアムが家から近かったこともあり、地元のスポーツ少年団に入ってからは毎日がサッカー漬けでしたね。中学年代からユースまでモンテディオ山形の育成組織でプレーし、その後JAPANサッカーカレッジ(以下・JSC)のコーチをされている有田(一矢)さんのご紹介からJSCに入学し、1年目はトップチームで選手として活動していました」

──プロを目指しての入学だったのですか?

「いえ、僕はもともと指導者になることを考えていました。『サッカー専攻科』の共通過程として1年間だけ選手としてプレーするのですが、2年目以降は目標とするコースを選択することができました」

──指導者を目指したきっかけは?

「ユースで同年代の摂津颯登(モンテディオ山形)がGKとしてチームで初めてトップに昇格した年、自分の限界を知りました。プレーヤーとしてプロへの道は断念しましたが、『サッカーに関わる仕事がしたい』という想いが消えることはありませんでした。 そこで、チームのスタッフの方がJSC出身ということで色々とお話を聞かせていただき、進学に至りました。学校では実践で学ぶことも多く、今を振り返っても進学は間違いじゃなかったと思います」

──昨年からジュビロ磐田で指導者としての第一歩を歩み始められたわけですが、就職に至った経緯は?

「ヤマハ発動機でプレーされていた有田さんのご紹介もあって、2018年1月からアルバイトとして磐田に来させていただきました。おかげ様で2月には正式に入社が決まり、4月からサッカースクールの指導をさせていただいています」

──業務内容はどのようになりますか?

「ジュニアサッカースクール、巡回指導が主な活動となります。そのほかにジュビロ磐田のU-15チーム(4会場4チーム)の一つ、「ジュビロSS浜松」の2年生のアシスタントコーチを務めさせていただいています。3月の期間は春休みだったので、いつもとは違うスケジュールでした。遠征やキャンプ、イベントに帯同しましたが、食事の支度など初めてのことばかりで何も分からず大変でした(苦笑)」

阿部直樹さん
©JUBILO IWATA
ジュニアのスクールコーチ、ジュニアユース「ジュビロSS浜松」のアシスタントコーチと1年目から多忙な阿部さん。「あらゆることを吸収したい」という。

──すでに多くの経験をされているようですね。実際に現場で、これまでの経験が活きたと感じたことはありますか?

「実習に尽きると思います。JSCでは2年目に審判、座学でのコーチング論を学び、3年目には現場での実践が主となります。実際にクラブチームの6年生を任せてもらい、自分が試合・リーグ戦、練習のすべてを管理しました。そしてクラブの上の方からフィードバックを日々いただき、年間を通じてブラッシュアップを繰り返すことで、多くの貴重な経験を積むことができたと思います」

──指導で大事にしていることはありますか?

「今はサッカースクールで下の年代の子どもたちを指導する機会が多いので、ちょっとしたことでも褒めてあげるように意識しています。子どもたちは何が良いプレーなのか分からない。ですから理由なく褒めたり、指導する側の基準がブレていては意味がない。そこはしっかり理念を持ってやるようにしています」

阿部直樹さん
©JUBILO IWATA
「褒めること」を一番に心掛けているという阿部さん。子どもの笑顔に触れたときに幸せを感じるという。

──今後の目標は?

「目指すのはトップチームのコーチですが、今はあらゆることを一つでも多く経験して吸収していきたいです。まずはJFA公認B級コーチライセンスを取得したいです」

──スクールコーチという仕事において、阿部さんが幸せを感じる瞬間は何ですか?

「子どもの笑顔です。彼らが心からサッカーを楽しめる環境をつくってあげられるよう、これから努力を続けていきたいと思います」

阿部さんから高校生へのアドバイス

「目標がブレないことですね。僕は選手としてではありませんが、『サッカーに関わる仕事』という目標を軸に、努力したことで、ジュビロ磐田で指導する機会をいただきました。高校生のみなさんも目標をしっかりもって頑張ってください」