【サッカーの続け方】小林丈晃(アルビレックス新潟トレーナー)
サッカーに関わる仕事を紹介するこのコーナー。今回は中学生からトレーナーになることを考え、今年からアルビレックス新潟の一員としてチームを支えている小林丈晃さんを紹介します。夢を叶えてプロの最前線で働きながら、小林さんが追い求める夢とは?
小林丈晃(こばやし たけあき)
1999年5月26日生まれ、兵庫県出身。中学ではサッカー部の部長としてフォワードでプレーし、報徳学園高校からセンターバックに転向。トレーナーになることを目指し、高校卒業後はJAPANサッカーカレッジのトレーナー専攻科に。2年次に開志学園JSC、3年次にJSCのトップチームに帯同し、トレーナーとして選手をサポート。インターンシップを経て、今年からアルビレックス新潟のトレーナーとして活躍している。
未来のある若きサッカープレーヤーに正しいケガの対処法を伝えたい
-サッカー歴から教えてください。
「小学2年から始めて、報徳学園高校を卒業するまでプレーしていました。高校からセンターバックでプレーするようになり、トップチームでプレーする機会には恵まれませんでしたが、サッカー漬けの3年間でした」
-進路については?
「中学生の頃、あるテレビ番組で紹介されていたことがきっかけで、『こんな仕事があるんだ』と、トレーナーに興味を持つようになりました。高3で実際に進路を選択する時期になり、トレーナーになるための専門学校を調べ上げ、たどり着いたのがJAPANサッカーカレッジ(JSC)でした。目指すのはトレーナーですが、僕はサッカーに関わる仕事がしたかったので、サッカーに特化し、業界に強いパイプがあるJSCは僕が求めていたものに合致していたんです」
-JSCで学んだことは?
「トレーナー専攻科では1年間の長期にわたって同じチームに帯同します。僕は2年生の時に開志学園JSCでユース年代を担当し、3年次でJSCのトップチームに帯同させていただきました。僕の希望カテゴリーは育成年代で、将来はクラブのアカデミーで未来ある子どもたちのサポートをしたいと思っています」
-その理由は?
「例えばケガをしたときにアイシングをして圧迫すべきなのに、知識がないと『いずれ治る』と放置してしまい、それが重大な容態になることがあり得ます。僕が高校生の時も、実力があるのにケガが原因でトップチームに上がれない選手を多数見てきました。知らないがゆえにケガの後遺症で悩んだり、パフォーマンスを発揮できない選手を一人でも減らしたい。そんな想いから育成年代のサポートを志すようになりました」
-現職までの経緯を教えてください。
「3年次にアルビレックス新潟で3カ月間インターンシップを経験していたことがきっかけで、正式にスタッフとしてお声がけをいただきました。育成年代をサポートするという当初の目標にブレはないですが、Jリーグクラブのトップチームに関われる機会は滅多にないことです。この経験は必ず将来に活きると思って快諾しました」
-現在の仕事内容について教えてください。
「選手のテーピングなどのケアを中心に、練習中は選手に何かあった場合の現場対応をしています。JSCでは高校生、社会人と各カテゴリーの選手を担当してきましたが、プロではチームの一戦一戦の勝利に懸ける想い、重みが違います。食事・サプリメント・トレーニングメニューも選手自身が調べて実践し、それに対して質問されることもあるので、しっかりと答えられるように僕も視野を広げる必要があります。選手のプロ意識、取り組む姿勢に毎日刺激を受けながら、好調のチームの中でいい緊張感を持って仕事ができていると思います」
-今後の目標は?
「クラブチーム、部活動を問わず、いずれ育成年代の選手をサポートするために、今を全力で取り組むようにしています。ここでの経験が、育成年代のサポートをするときの説得力になると思うので、将来のためにも日々、学びを続けたいと思います」
高校生へのアドバイス
自分の選択が間違いじゃないと言えるように
ケガには正しい処置というものがあります。例え診断では問題なくても、カラダに違和感があれば放っておかないこと。カラダからのSOSと思って、接骨院など専門家に話を聞いてください。取り返しのつかない事態になる可能性もあるので、この場を借りてみなさんに伝えたいです。
ある1日のスケジュール
6:00 | 起床 |
7:00 | クラブハウス着(選手・スタッフ受入準備、事務作業) |
9:00 | トレーニング(TR) |
10:30 | TR片づけ |
12:00 | 昼食 |
13:00 | 選手のケア |
15:00 | メディカルMTG・情報共有 |
16:00 | 事務作業 |
18:00~ 19:00 |
帰宅・夕食 |
写真/©ALBIREX NIIGATA