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【サッカーの続け方】中川愛斗(JFA公認サッカー2級審判員)

サッカーに関わる仕事を紹介するこのコーナー。今回は一般企業に勤めながら1級審判員の取得を目指し、トレーニングと研究を続ける中川愛斗さんにご登場いただきます。“狭き門”と呼ばれるトップ審判員の世界とは?

 

中川愛斗(なかがわ よしと)

1997年10月6日生まれ、岩手県出身。高校卒業後にコーチを目指しJAPANサッカーカレッジコーチ・審判専攻科に入学。在学中にJFA公認サッカー2級審判員資格を取得。株式会社東北海老正の営業職に就きながら、1級審判員資格取得を目指し審判活動を続けている。

東北からJ1リーグ、天皇杯で活躍できる審判を目指しています

-一般企業で仕事をしながら、審判活動を続けているそうですね。

「はい、地元の岩手県にて、海老・魚介類、冷凍食品等を扱う専門商社の営業職に就きながら、東北社会人サッカーリーグ1部、東北大学サッカーリーグ、プリンスリーグ東北で審判活動をしています」

-いつから審判員を目指すようになったのですか?

「高校卒業までずっとサッカーを続けてきて、最初はコーチになることを考えていました。それで高校卒業後にJAPANサッカーカレッジ(JSC)のコーチ・審判専攻科に進みました。転機は2年生の夏、新潟キャンプに来ていたJ1チームのトレーニングマッチの審判をやらせていただいた時のことです。トップレベルの試合を目の当たりにし『プロってこんなにすごいんだ!』と衝撃を受けました。近距離でこのレベルの試合を感じられるのは、選手以外には審判員しかないと思ったんです」

-進路を変更するほどの衝撃だったわけですね。

「はい、それで審判になることを決め、猛勉強して在学中に2級審判員を取得することができました」

-審判員のライセンス取得者の構成はどのようになっているのですか?

「日本サッカー協会(JFA)の審判資格は1級から4級まであります。3、4級の取得者は全国で15万人ほどいますが、2級になると約3,500人くらいまで少なくなり、ハードルが上がります。審判活動だけで生活することは厳しいのが現状で、JFAが定める『プロフェッショナルレフェリー制度(PR)』の契約審判員は主審12人、副審4人の16人だけ。現実的に日本で審判活動を続けていくには、他の仕事と併行していく必要があります」

-もともと志望していたコーチを続けながら、審判員を目指すことは考えませんでしたか?

「たしかにそれは魅力的でした。ただし、コーチと審判員では専門性が全く異なります。サッカーに中途半端に関わりながら、審判員を目指すつもりはなかったので、仕事とはっきり切り離した環境に身を置こうと思いました。東京と比較して審判員が少ない岩手の方がチャンスがあると思い、地元の企業に就職しました」

-仕事の内容は?

「得意先はホテルや飲食店が主で、僕は営業職ですからハートは大分鍛えられましたね(笑)。ただ、会社は優しい人が多くて、僕の審判活動にも理解を持ってくれています。毎月数字のノルマがありますし、審判活動によって仕事が疎かになるようではいけません。あくまで仕事で結果を残した上での審判活動です。やりたいことのために、やるべきことがあると思って日々、働いています」

-審判員として目標・夢は?

「Jリーグの審判を務めるには1級審判員になる必要があります。昇級試験は、地域サッカー協会の推薦がなければ受けられず、東北からは2人だけと狭き門です。そのため、フィジカルや体脂肪率を意識し、仕事の後は日々トレーニング・研究を続けています。J1リーグ、そして天皇杯決勝の審判をするという夢を叶えるために、1日も無駄にできないと思っています」

 
平日は企業の営業職を担当し、週末は東北社会人サッカーリーグ1部などの審判員として活躍中の中川さん。狭き門とされるJFA公認サッカー1級審判員取得を目指し奮闘中だ。

高校生へのアドバイス

やりたいことのために、やるべきことがある
「僕はサッカーとは関係のない仕事に携わりながら、Jリーグの審判員という夢を目指して頑張っています。やりたいこと(審判活動)のために、やるべきこと(普段の仕事)があると思っています。周囲の応援や理解があって、はじめて夢を目指せることをみなさんには知ってほしいと思います」

ある1日のスケジュール

7:30 出社
9:00 営業外回り
16:00 事務作業
17:00 帰社
18:00 帰宅
19:00 トレーニング
20:00 夕食
21:00 審判の勉強、試合映像の研究
22:00 就寝
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