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仲間のために・・・10歳の心の変化

仲間のために・・・10歳の心の変化

皆さまこんにちは!
我が家の次男(小学4年生)が今のチームに移籍して11カ月が経とうとしています。

前のチームには2年間お世話になりました。全国でも有名な強豪クラブチームのため試合や合宿も多くハードな日々でしたが、本当にたくさんの良い経験をさせていただきました。監督やコーチは時に厳しく、時にあたたかく、選手想いの指導も素晴らしく、大変お世話になりました。チームメイトもとても技術が高く上手な選手ばかりで、たくさんの刺激をもらいました。

学年が上がるにつれ練習時間が遅くなるなか、自宅からの距離が遠かったため睡眠時間と勉強時間の確保が難しくなり、泣く泣く退団することになりました。最終日にはコーチやチームメイトがみんな集まってくれて素敵なアルバムを頂き、監督からも有難いお言葉を頂き、素晴らしいチームにいられたことを本当に感謝しています。

このアルバムは次男の宝物になりました

退団してからしばらくは長男の卒団式や次男のケガもあり、新しいチームを探す時間がなかなか取れず、現在のチームに移籍をしたのは次男が4年生になって少し経った頃でした。

移籍先は神奈川県のチームですが、自宅から車で30分ほどで行けるため、移動時間は大幅に短縮されました。我が家の住まいは東京都で、長男も次男も東京都のチームしか経験していなかったため、全国的にも強いチームが多数揃っている神奈川県は未知の世界でした。

そして、クラブチームだと思っていた神奈川県の強豪チームの中には少年団も多数あるということも初めて知りました。東京都の強豪チームはほとんどがクラブチームなので、時にJ下部チームにも勝利する少年団が多いことに驚きました。

次男が以前所属していたチームにいた、とても上手でリスペクトしている友達がそのチームで楽しそうにサッカーをしている姿を見て、体験に行かせてもらったところ、とても楽しかったようで入部することに決めました。

次男の気持ちが変化したきっかけの大会

チームを移籍してからは塾にも通い出し、平日は朝練とサッカースクールと塾、土日はチーム活動と以前より少し時間に余裕をもった生活をしていた次男。

3カ月前、神奈川県横須賀市で毎年行われているU-10の招待杯に参加しました。神奈川県の40チームが参加する大会で、過去3年間は次男のチームが優勝しているということで、この代で途絶えてしまうわけにはいかない・・!! と、選手も保護者もなかなかのプレッシャーを感じていました。

予選リーグと決勝トーナメントも順調に勝ち進み、準決勝で対戦したのは横浜のJ下部チーム。

立ち上がりから両チーム身体を張った激しい戦いが続きました。そして前半10分に先制点を決められてしまいます。取り返すぞ! と仲間たちで声を掛け合い、チームの司令塔が同点ゴール! その後すぐに仲間が素晴らしいドリブルからの技ありゴールで逆転!

しかし、さすがのJ下部チーム。相手の技術も高く、いつ点を取られてもおかしくない拮抗した状態で、その後は何度かピンチを迎え、前半残り1分。仲間のハイプレスから奪ったボールを走りこんでいた次男がゴール右隅にズドン!

スタンドから見ていた私も思わず立ち上がってママたちとハイタッチ!!
無事に決勝に進み、準決勝も決勝も全員出場して優勝することができました。

チームメイトの優しさが心境の変化につながった瞬間

次男がゴールを決めた後、ベンチに向かって何かしているのを見ましたが、保護者のスタンドからは遠かったので何をしていたのか分からず。
あとから動画と写真を見て、ユニフォームのチームエンブレムをベンチに向かってアピールしていることが分かりました。

「これは何をしていたの?」と次男に聞いたところ、
『チームみんなで勝つぞ! って気持ちでやった。2-1のまま前半終わるより、3-1で終わったほうがベンチのみんなも早く交代できるでしょ。だから絶対前半で決めてやる! って思った。予選も決勝トーナメントもみんなで勝ってきたから、この試合もみんなで出て勝ちたかった』
と言いました。

今まで『俺が俺が』なタイプだと思っていた次男がこんなふうに仲間のことを想っていたなんて驚きました。

「どうしてそう思ったの?」と聞くと
『今までは自分がたくさん出て、たくさん点決めて活躍してMVPを取りたいと思っていたけど、みんな優しいしチームのことを考えているから、自分だけそう思っているのがなんかかっこ悪いと思った。サッカーはチームスポーツでしょ?』
と。思いがけない次男の言葉に涙が出そうになりました。

声掛け一つから変わった次男

次男がゴールすると必ずタッチしに来てくれ、良いプレーには拍手、ミスしても責めることは無く励ましの言葉をかけてくれる仲間。
そんなチームメイトの優しさ、思いやりに触れて、少しずつ次男自身の声掛けも変わっていきました。

これまでは自分がゴールしたら、俺のゴールだ! と言わんばかりに『っしゃー!』と叫んでいた次男。今はアシストしてくれた仲間に『ナイスボール!』と言うようになりました(っしゃー!! は言いますけどね(笑)。

仲間のミスは『どんまいどんまい!』と励まし、ポジティブな声掛けがたくさんできるようになりました。
仲間への思いやりの意識が強くなったのは、次男の濃いキャラを受け入れて優しく接してくれたチームメイトのお陰です。

自分で感じて、自分で気付いて、自分で変えていく。
心の変化を感じることができました。

これからは、次男自身が仲間に良い影響を与えることができるような存在になっていけたらいいなと思いながら、見守っていきたいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

WRITER PROFILE

早坂英里
早坂英里

料理&テーブルコーディネート教室
【Eri’s Kitchen】主宰
アスリートフードマイスター/(社)日本テーブルデザイナー協会認定講師/専門学校 テーブルコーディネート講師

12歳と9歳の子を持つサカママ(サカママ歴8年)
兄弟それぞれ都内の強豪クラブチームに所属。5年以上続けている朝練は兄弟の日課。プロサッカー選手を目指す子どもたちの為に日々首都高を走り回り、食事やマッサージなどサポートに務める。

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