子どものやる気を奪う声掛け。私の失敗談
ついつい親の期待が強くなり
「練習しなさい」
「〇〇しなさい」
と言ってしまったことはないでしょうか。
今回は、私が子どものやる気を奪っていた可能性のある事例を紹介いたします。
良くなかったと思う声掛け
・移籍後、全くボールに触れない現状を見て、実力の差がとてもあったので
母「強くなりたかったらもっと練習しなさい。追いつけないよ」
子『今やろうと思っていた』
・家にいるときもゲームをしている姿を見てついつい
母「ゲームをたくさんする時間があるなら練習をしなさい」
子『分かったよ』と若干怒り気味。
・試合を見ていて、試合後に車の中で
母「なんで〇〇しなかったの?」と、良くないと思った部分を指摘。(否定的)
子『サッカーできないのに言わないで』たしかにその通りだと痛感しました。
以前の私は、子どもに対して強制的な言葉を言ったり、ついつい口をはさんでしまったり・・・。やる気を奪っていたと思います。
そして、まずは子どもの意見を先に聞こうと反省をしました。
実際に自分がサッカーを体験
それからは、ママさんサッカーを体験したり、子どもと一緒に公園でサッカーの練習をするようになり、サッカーの難しさを身をもって体感しました。それから「私にはできないから凄い」と認めてあげられる声掛けに変わりました。
そして何より、心理学を勉強し始め、声掛けについて学んだことが、私自身の声掛けの意識を変えるきっかけとなりました。
「〇〇しなさい」は命令
命令口調で言えば言うほど、子どもは親の言うことに反抗、反発するようになります。
なぜなら人は他人から強制されることを嫌がるからです。
人から命令口調で強制されると
「自分のことを信頼してくれていないんだな」
と思うようになり、無意識に反抗、反発するようになります。
また、命令口調で言い続けると“言われて動く”ようになり、人から指示されないと何もできない子どもになるリスクさえあります。
声掛けを変えた
声掛けを変えることで、家族とのコミュニケーションも変わっていきます。それはサッカーだけでなく、すべてのスポーツに通ずるものでもあります。
まずはポジティブな考え方から
「今日は何褒められた?」「今日はどうだった? 何が良かった?」
という長所をどんどん伸ばしていく会話をしていき、その後
「何か注意や怒られたことある?」「できなかったことあった?」
など、課題を明確にしていく作業をするようにしています。
そうすることにより、良かったことは“更に磨きをかけてもっともっとうまくなりたい”という気持ちに、良くなかったことは“これから練習すれば解決できる”という向上心をつけさせることができます。
やるべきことを明確にしてあげることができれば、子どもが自分で努力できるマインドになり、親が命令することも押し付けることもなくなります。
コーチ経験者の父親の考え方
サッカーを観戦している親御様たちが、
「あそこはパスだな」「そっちじゃないだろ」
とつぶやいているところをよく見かけます。それは試合に勝つためグラウンドレベルで感じているコーチがコーチングすればよいと思っています。
ただ、もっともっと改善してほしいと思うことは親として当たり前のことです。そのときにどのように試合を振り返らせるのかが重要です。
サッカーは、
“パスがつながった”“ゴールが入った”
という結果もそうですし、
“パスカットされた”“シュートを外した”“ドリブルをミスして取られた”“抜かれた”
など、さまざまなシチュエーションがあります。ですがそれをすべて言っていくと、マイナスな発言しかできなくなります。
サッカーはボールを使うスポーツ。極論360度どの角度にも転がる、進むスポーツです。結果論だけではなく
「あの場面パス出したけどどうだった?」「ドリブルで侵入したら視野の世界観変わると思わない?」「逆サイド確認したうえで選択したの?」
と、選択肢が何個考えられたのか? また自分でどこまで考えられていたのかを気づかせる会話をします。
すべての考えが正解で間違っていないこと。その選択がその時考えられるベストだったのかを考えることで試合の振り返りもできますし、今後の考え方をより柔軟にしていくことが長期的に見れば大切なことだと思います(ただ、大事な試合やここ一番の試合は勝つことが大前提になりますので、結果論になることは当然になってしまうと付け加えておきます)。
そのために、日頃から細かくコミュニケーションを取っていくことで、良い結果につながっていくと考えています。