サッカーを始める幼少期に大切な栄養とは
サカママの皆さまこんにちは。
今年も隔月ではありますが、コラムを書かせていただくことになりました。よろしくお願いいたします。
あらためまして、少し自己紹介をさせていただきます。
息子は幼稚園の年中からサッカーを始め現在高校2年生、サカママ歴は13年になります。幼稚園のサッカースクールからスタートして、小学校3年生から少年団に入り、中学は部活動でした。現在高校では部員100人を超えるサッカー部に所属し、日々部活と勉強の両立に励んでいます。
いよいよすべての大会で最後という言葉がつく3年生になり、大学受験も控えていますが、息子は最後まで両立することを目標に掲げていますので、私としても全力でバックアップしていきたいと思っています。
昨年は、幼児期から現在までのサッカーとの関わりを中心に、サカママとしての経験を書かせていただきました。
今年は、サカママとしてお伝えすると共に、仕事である栄養士として各年代の食に関することもお伝えできたらいいなと思っています。
スポーツと食は直接結びつく!
スポーツをする子どもたちにとって、食事はとても大切なつながりを持ちます。
普段栄養士をしているので、いろいろな相談を受けるのですが、特にスポーツをする少年少女の食事に関するお悩みは、皆さまさまざまお持ちのようです。
我が家においても、息子がとても食が細く好き嫌いもあり、食事に関しては日々試行錯誤をしてきました。
しかし、今まで小学校中学校は皆勤賞、高校に入っても本当に元気で、大きなケガをしてサッカーを休むということもしたことがありません。
毎日の積み重ね、ちょっとしたサポートが今に結びついていると思います。
そして、本人の意識もとても大切です。
練習や試合をお休みしない、ケガをしない体になるには、どんなものを食べることが大事なのかを、サッカーを始めた時から意識させることをおすすめします。
幼児期に必要な栄養とは
まず今回は、サッカーを始めるころ、幼児期(小学校入学までの世代)の年代についてです。
サッカーを始める年代で多いのは3〜5歳ごろ。
この幼児期に、1日に必要なエネルギー量は1300kcalくらいとされています。
成人男性の半分くらい。毎食大人の半量。多いなと思われる方もいらっしゃると思います。
子どもって、大人が思っているよりもエネルギーを必要としています。
バランスももちろん大切ですが、大切なことはまずはしっかり朝昼晩食べること。
1食あたり400キロカロリー。
しかし言い換えるとスナック菓子一袋分。
そう考えると、案外すぐに取れてしまうかなと思ってしまいますが、大人のご飯茶碗2杯分。食事で取ろうとするとかなりの量になります。
成長過程において必要な栄養素を摂るには、やはり食事が基本です。
ただ、この頃は食べる量は個人差が大きい時期でもあります。
つい、比べてしまいがちですが、その子にとっての適正な量がありますので、無理には食べさせなくて大丈夫です。5~6歳は特に食べる量に個人差が出やすく、大人と同じくらい食べるようになる子もいれば、好き嫌いが多く食が細い子もいます。
食べさせすぎかなと心配になる方もいますが、それだけカロリーを必要としているわけですから、栄養バランスが整っていれば、食事量を過度に制限することはありません。
また、好き嫌いが多かったり小食の場合も、発育に問題がなければあまり神経質になることはないです。
急に食べられるようになることがあるのもこの時期です。
「どうせ食べないから」と除外せずに、大人が食べている姿を見せてあげてください。
家族がおいしそうに食べていると、自分も食べてみようとなることもあります。豊かな食卓を少しだけ心がけると、視覚的にも効果があります。
おやつとの付き合い方
さきほどお菓子の話を少ししましたが、おやつがNGなわけではありません。
子どもにとっておやつは重要で、幼児期は3食で賄えない栄養の補給になります。
お腹が空いている時はしっかり食事としてしまってもかまいません。
おにぎりやバナナなどは手軽なので、いつも用意してあるといいと思います。
「菓子パンはどうですか」と聞かれることがよくありますが、なるべくシンプルな材料のものを選ぶようおすすめしています。
鉄分! カルシウム! タンパク質!
この時期は、成長が著しい時でもあります。しっかりとした炭水化物に加えて鉄分、カルシウム、タンパク質も必要不可欠です。
特に不足しがちな鉄分は体中に酸素を運び、カルシウムは骨の成長に欠かせません。
乳製品は脂質や塩分が少し気になるので、大豆類や小魚、卵をおすすめします。これらにはこのいずれもが多く含まれています。毎食どこかで使えるといいなと思います。1日ですべてを補うのは難しいですので、2.3日でバランスが取れればいいのかなと思います。
スポーツをする子に食トレという言葉がありますが、息子には食事がトレーニングという認識はさせずに、おいしく楽しく食べて、食事からしっかりと栄養を摂ることが大切と伝えてきました。
おかげさまで、病気もケガもなく今にいたります。
大好きなサッカーを全力で楽しめるよう、そして我々サカママは、お子さまが元気にグラウンドを走れる姿が見られるように、ぜひ毎日の食事の参考にしていただけたらと思います。