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やる気が上がって心が前向きになる・成長できる言葉がけとは?

やる気が上がって心が前向きになる・成長できる言葉がけとは?

サカママコラムをご覧のみなさま、こんにちは。元養護教諭でサカママ4年目のAYAです。
長かった夏休みがやっと終わり、空を見上げると雲が変化していることに気が付きました。まだまだ高温の日が続いていますが朝夜は少しずつ過ごしやすくなって、わずかに秋の気配を感じています。

夏休み明けや季節の変わり目などはメンタルが不調になりやすいと言われています。そこで今回のコラムは元養護教諭としての知識・経験などを交えて、子どもたちの「心の健康」にフォーカスを当てようと思います。

私たち親世代とは、確実に変化した新時代を過ごしている子どもたちに「響く声かけ」や「やる気を上げる声かけ」「メンタルを伸ばしてあげられる声かけ」とはなんだろうか?勉強やサッカーの練習に日々奮闘している子どもたちのメンタルサポートを大きく担っているサカママ&サカパパのみなさんへ少しでも参考になれば嬉しいです。

子どもたちの個性や考え方を尊重する大切さ

以前のコラム(成長期のケガはデリケート!サッカーと学校のバランス、保ててる?)にも書きましたが学校生活やサッカー活動など、子どもたちが必死に向き合っている「必要なこと・やりたいと思っていること」に【共感・ねぎらい・励まし】が必要と思っています。

それは、子どもだけではなく大人でも「練習中・習得中でうまくいかなかったこと」「ミスしたこと」「何度も挑戦していること」に強い気持ちを持って向き合い続けることは、並大抵なことではないと思います。

【成長の途中】という段階においては、ミスやうまく出来ないのも当然の事です。まだまだ成長途中の段階で、ミスしたことや出来てないことを強調して伝えるよりも「出来ていることと出来ていないことを理解しその後に生かしていく」「色々な個性や考えを理解し多様性を認めていく」「お互いを尊重しながら協力し高め合う」という事を伝えていくのが大事と思います。

子どもたちにも子どもたちなりの、彼らのまだ短い経験のなかで構築された考えを持っています。それが大人から見ると未熟なことも多いですが、それを否定したり大人の考えを押し付けたりするのではなく、ひとりの人間として尊重して、見守っていくのも私たち大人の役割ではないでしょうか?

 

子どもたちが求められている力 ・自分が直面した問題を解決する力
・自分ができる事を把握して実行していく力
・多様な個性や考え方を認めていく力
大人に求められている対応 子どもを1人の人間として向き合って、これまでの過程や考えを認め褒める

『子ども達のために考えてほしい』と思って声をかけたことが、その言葉の表現によっては、ただ「怒られた」という印象が強く残ってしまったり傷付いてしまったり、その後の行動が消極的になるなど成長に影響を与えることも考えられます。私たちが子どもの頃に比べると変化した新しい時代にいる子どもたちを理解し、伸ばしていけるようにしたいですね。

子どものやる気(モチベーション)を引き出す方法とは?

 

どうすれば子どもたちの持っている力ややる気(モチベーション)をもっと引き出してあげられるのか?やる気(モチベーション)とは、【行動を起こさせ目標に向かって維持する心理機能のこと】で、充実感・やりがい・動機づけなどともいわれます。動機づけにも内発的・外発的とそれぞれに意味と特徴があります。

  意味 特徴
内発的動機づけ 好奇心や関心など、子ども自身の内なる欲求から出てくるもの 自発的に出てくるものなので持続しやすい
外発的動機づけ 行為そのものではなく人から評価されるなど外部からの影響を受けて出てくるもの
(例:いい成績を残して上位リーグに行くためにやろう など)
刺激や目標がなくなると効果がなくなる

報酬や対価が欲しくて(外発的動機づけがきっかけで)生まれていた「やる気」や「チカラ」が、いつの間にか次第に興味や関心が深まることで、内発的な動機づけに変化することが多くあると言われています。他人に認められたいという気持ちも「やりがい」であり、自分の夢を実現させたいという気持ちも「やりがい」になります。

言葉は「言霊」と言われるように大きなパワーを持っていると言われています。とっさに出たマイナスな意味の言葉も、相手を大きく傷付けて自信をなくして自己肯定感が下がってしまい、成長を停滞してしまう恐れもあります。だからこそプラスの意味の言葉で、子どもたちから感じる「やりたい」「うまくなりたい」というパワーをもっと伸ばして継続させてあげたいという思いを込めて、子どもたちの力を引き出す声かけをしてあげたいですよね。

誤解しないで頂きたいのは、いつも機嫌をうかがったり・何でも言うとおりにしたりと、甘やかすという事では決してないということです。

子どもの能力を引き出す言葉・マイナスに働く言葉

プラスに働く関わり ・ポジティブな言葉を選ぶ
・具体的に「ここが良かった」と褒める
・重すぎるプレッシャーをかけない(その子に合ったレベルの負荷であれば、期待の意味が込められるのでいい方向に働く)
・子どもの考えや言い分を受け止めて認める(修正やアドバイスが伝わりやすくなる)
・「あなたならできる」「うまくいく」と信じる
マイナスに働く関わり ・強制する
・他人と比較する
・子どもの存在自身またはやった行為・過ぎてしまったことを否定する
・大人の解釈や価値観で「こうだろう」と決めつける
・子どもなりの考えや言い分を認めない・聞かない

同じ意味のことを伝えるときでも『このプレーは全然ダメ』と言うのと『このプレーはここまでは順調だったけど、このあとのここが惜しかった』と言うのでは印象が違いますよね。

試合後や日々の何気ない時間でも、声をかける時には「出来たこと」や「良かったこと」に触れるなど「あなたの自信があることはこれだね!カッコよかったよ!」と言葉にしてあげる事で、自信アップに繋がったり自己肯定感を高めたりするキッカケにもなります。

ポジティブな点が何も見つからなかったとしても、小さなことを見つけて褒める言葉にするという経験を重ねていくと、そのあとに続く修正点も聞いてもらいやすくなりますし、「自分を見てくれている」「分かってくれている」と信頼関係ができるので、子どもから質問や相談しやすい環境作りにもなると思います。

 

子どもたちがサッカーに向き合いながら、成長途上にいる中でコラムをご覧になってくださった皆様は『子どもたちを成長させてあげたい』『やりたい夢に向かって生き生きとしていてほしい』などの、前向きな想いをお持ちだろうと思います。もちろん私もその1人です!

練習や試合で何度も何度も挑戦してできなかった時、仲間と連携が取れなかった時、気持ちは強くあるのにどうしても上手くいかない時は誰だってあるはず。子どもたちがまた貪欲に立ち向かっていけるチカラは、やっぱりプラスに働く言葉たちがとても大きなパワーをくれるのではないかと思います。

サカママ&サカパパのみなさん。子どもたちのイキイキとした笑顔とハツラツとしたプレーを一緒に見守っていきましょう!


【参考】
モチベーションの心理学 | 心理を学ぶ文部科学省後援「こころ検定」 (cocoroken.jp)
https://www.cocoroken.jp/columns/motivation/

WRITER PROFILE

AYA
AYA

サカママ歴4年目、小6サッカー少年と小4の兄弟のママ。
慎重派内弁慶な「The長男」と本能型チョロ助の「The末っ子次男」に、日々悩み振り回され、奮闘しながらも一緒に成長中。前職は養護教諭(保健室の先生)をしていたので、学校との関係や子どもたちの心身のケアについて、栄養学、心理学の知識もあわせて発信していければと思います。
★LINE/@064tmubk