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エナジードリンクって、ジュニアアスリートにはどうなの??

こんにちは。管理栄養士の佐藤彩香です。
スポーツ現場にいくとよく目にする「エナジードリンク」。選手に飲んいでる理由を聞くと、「エネルギーが沸いてきそうだから」「元気が出そうだから」といった答えが返ってくることが多いです。コンビニなどでも手軽に手に入ることもあり、今ではジュニアアスリートの子どもたちでも飲んでいることが増えてきたように思います。
「実際どうなの?」と聞かれることがありますので、今回は管理栄養士の目線でこの疑問にお答えいたします。

エネジードリンクのメリット、デメリットって?

 

まずはエナジードリンクの特徴をアスリート目線でメリット、デメリットに分けて紹介します。

エナジードリンクのメリット

①カフェインが入っている
カフェインには興奮作用があり、精神を刺激する効果があります。また、運動前に摂取すると運動効率があがるというデータも確かにあります。
ただエネジードリンクのカフェイン量がその規定を満たしているかとなると話は別です。カフェインを摂取することにより得られる効果にも個人差があるので、量を見極めて使用するためにはプロの選手でも栄養士と連携して慎重に使用しています。

②糖質が入っている
エナジードリンクは液体ですので、糖質がすぐに体に入ってきます。消化吸収も早く、すぐエネルギーになるところも良い点です。

③メンタルへの影響
これは現場にいての主観ですが、栄養素よりも単純にメンタルや気持ちへの影響があると思います。「これを飲んだから大丈夫」といった気持ちが、精神の安定に繋がっているのかなと感じることがあります。

エナジードリンクのデメリット

①睡眠の質の低下や疲労感の増加
エナジードリンクを飲んだ人を対象とした研究では、エナジードリンクを飲んだその晩はよく眠れず、翌朝ひどい疲労を感じたとの報告もあります。また、エナジードリンクを飲んでから数時間以内にイライラや神経の過度な興奮も報告されたそうです。こういった副作用があるということを知っておくことも大事でしょう。

②カフェイン慣れ
カフェインは摂取するほど、体がそれに慣れてしまいます。その状態から効果を得るためには、さらにカフェインの量を増やさないといけなくなるため、飲み続けるのはオススメできません。子どものうちからカフェインがないと…という状態になるのは心配です。

③低血糖のリスク
エネルギー源になる糖質は血糖値を上昇させますが、急激に体内に糖分が取り込まれると、血糖値を下げようとするホルモンである「インスリン」が働き、低血糖と言われる症状が現れることがあります。この低血糖状態になると、疲れやすくなり、集中力も散漫になってしまいます。この血糖値の急上昇と急降下が身体には大きな負担を与えてしまいます。

ジュニアアスリートにエナジードリンクは…?

これらのメリット、デメリットを踏まえると、管理栄養士としてはジュニアアスリートにエネジードリンクはオススメできないというのが結論です。
普段の食事のお米やパン、麺や果物から糖質を摂り、ゆっくり長くもつようなエネルギー補給をするほうが身体への負担は少ないです。そもそも子どものうちは急激にエネルギーを入れないといけない場面は少ないですし、低血糖やエネルギー不足の状態を作らないようにするためにも、普段から3食しっかり食べていくことや、運動前にしっかり補食をとる習慣をつけて欲しいと思います。

また、エネジードリンクにはビタミンミネラルが配合されているものもありますが、それも微量です。だったらしっかり食事で補給したほうがいいですよね。
カフェイン量についても、大人のアスリートは目安量がありますが、ジュニアアスリートではその目安が定まりきっていません。そういった要素も考えるとやはりデメリットが多いですし、中毒性のある砂糖やカフェインを子どものうちから摂ることは、あまりいいことではないと思います。

 
必要な栄養は食事から摂るのがキホンです!

3食の食事と水分補給、大事なことはシンプル!

エナジードリンクにはメリットもありますが、ジュニアアスリートにとってはデメリットの方が多くなってしまいます。「サッカーをする前に飲んでいる人が多いから」という理由や、「試験勉強の前の集中力アップ」などで飲み始める子どもも多いですが、管理栄養士としては安易に手を出さないでほしいなと思います。
しっかり3食の食事をとって、そこから栄養をとる。そして、こまめな水分補給をする。とてもシンプルですが、そのシンプルなことが出来ている選手がジュニアアスリートでもプロでも1番強いと現場にいて思います。ぜひこのことを心にとめておいてくださいね!

WRITER PROFILE

佐藤彩香

管理栄養士
企業や保育園で栄養カウンセリング、献立作成、栄養計算、店舗運営を経験し、その後独立。実践型の栄養サポートを行い、プロアスリート~スポーツキッズ、ダイエット希望の方など累計1万人を超える人々と関わる。現在はアスリート栄養サポート、専門学校非常勤講師、セミナー講師、レシピ開発なども行いながら、「あなたのかかりつけ栄養士」として活動。

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