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ジュニアユースセレクションの合否を分けた?そのポジション「絶対」ではありません

ジュニアユースセレクションの合否を分けた?そのポジション「絶対」ではありません

サカママ・サカパパの皆さまこんにちは。ライターのYUKARIです。春休み中に腰を痛め「まずは3ヶ月の安静」と医師からの指示を受けて数か月が経ちました。時に「それは安静とはいえないのでは?」といった息子の行動に親である私の方がハラハラした時期もありましたが、なんとか順調に回復しついに本格的にチーム復帰を果たしました。

今回はセレクションをキッカケにこれまでとは違うポジションを経験した時のエピソードです。これまでとは違うポジションを担当する事になった息子の心境やどのように向き合ったのかなどご紹介します。今後、お子さんがポジションで悩むような状況になった時の参考にして頂ければ幸いです。

ジュニアユースのセレクションをキッカケにポジションが変更?

見学をしていた時期は、どんどんスキルを磨いていくチームメイトの姿を目の当たりにし、焦りとやるせない思いを抱いていたようですが、中学生として最後の1年を迎えた先輩たちの熱い試合に刺激を受け、自分なりに新たな目標ができた様子。まずはこの離脱期間にすっかり衰えてしまった体力(=持久力)を少しでも早く取り戻すべく、苦手な走り込みのメニューも前向きに頑張って欲しいと思います。

というわけで、久しぶりに「今日の調子はどうだった?」「今日はどんな練習をしたの?」といった親子間の会話が復活している我が家ですが、ここ最近、耳にするのは息子からの「今日は途中からセンターバック(以下CB)をやったよ」という話。今もメインのポジションはフォワード(以下FW)であり、小学校時代もFWとしてプレーをしてきた息子ですが、実は今のジュニアユースチームのセレクションで合格をいただいた時はCBとしてのプレーを見込まれてのことでした。

どうしてそんな経緯になったのか?息子のようなパターンは誰にでもあることではないと思いますが、彼にとってはジュニアユースセレクションの合否を分けた出来事でもあったので、当時の様子を振り返りながら「そのポジションは絶対か!?」という視点で綴りたいと思います。

 

セレクションはドリブルとシュートが全てではない

小学校6年生の時に経験した息子のセレクションキャラバン。序盤はなかなか思うような結果が得られず、本人がどんどん自信を無くしていく様子が伺えました。

セレクションを受ける際、息子がエントリーシートに書いたポジションは「FW」。セレクション当日は、受付の際に番号入りのビブスやゼッケン等を渡されます。その色とその番号を身に纏った自分にいかに注目してもらうか…。試験官の目に留まるようなプレーをどれだけ披露できるか…。まだ小学生とはいえ、自分自身をアピールする事に必死な子も多いと思います。ボールを持ったら「とにかくドリブルをする」「シュートをする」「相手からなんとかボールを奪おうとする」。

万が一その波に乗り損ねてしまうと、ゲーム形式のチェックに移った際、1回もボールに触れないまま時間が終了してしまう事もあるかもしれません。予め組まれたメンバーでゲームが行われる事がほとんどでしたが、「今日はけっこうボールに触れたよ!」と喜んでいたセレクションでも「合格」には繋がりませんでした。

ポジション変更が転機になった?

そんな時、息子が初めて「合格」をいただいた、あるチームのセレクションがあったのですが、その時にゲームで息子が担当していたポジションはCBだったのです。聞けば「気付いたらCBしかポジションが余ってなかったからやったんだけど、みんなゴールめがけて俺の方に向かってくるから、ひたすらスライディングしたりして止めまくった」とのこと(当時の息子説)。なるほど、小学生で確かにそれは目立ちますね。

それまでは自分がボールを持って攻撃することばかりを考えていたようですが、視点を変えれば守備の強さも立派なアピール材料になる。比較的体格が良く、パワープレーを持ち味としていた息子にとっても、このポジション替えは良い転機でもありました。

その後、その戦術で臨んだ他のチームでも息子はCBを担当。現在のチームにから合格をいただいた際も、FWとしてエントリーしていたにも関わらず、セレクション当日はCBでゴリゴリプレーしていたそうです。

 

CBとして新たな道を開いた息子

今のチームに入団後、息子本人も「僕はCB要員として合格したんだ」という自負があったそうで、普段の練習もCBとしての指導を受け、試合にCBとして起用されることも何ら疑問に感じず日々練習に励んでいました。小学生の頃はずっとFWだった息子が中学からCBとしてプレーをする。色々と慣れない動きもあり本人なりに、もがきながらポジションを担当していました。時々「トップやりたいな…」なんて吐露することも。

そんな折、中学1年の夏休みに入って早々、とある招待試合が開催されました。最後に出場チーム同士でトレーニングマッチ(以下TRM)することになったのですが、先にCB担当が埋まった、ということで「FWやれるか?」と監督に言われた息子は久しぶりにFWとして試合に出場。そこでちょっとした覚醒を遂げるのです。

息子にとってみれば、長年慣れ親しんできたFWの動き。TRMということもあり、ノビノビとした気持ちでプレーをすることができたのか、まるで水を得た魚のような動きをしていました。この姿に驚いたのは他でもない指導陣。「〇〇(←息子)のFWとしての動きがいいねぇ」「お前、FWのポジションってできたのか?」といった評価に繋がり、以来息子はCBからFW担当がメインのプレーヤーと転身しました。

攻守共に動けるプレイヤーになってきた?

晴れて?本来の自分が希望するポジションにおさまった息子。すでに絶対的なエースがいるので、本人が思い描いていたよりも厳しい環境ではあるかもしれませんが、自分の強みでもある脚力を生かしたプレーができる事は、本人にとっても頑張り甲斐があるはず。

ただ、ここで忘れて欲しくないのは、ほんの僅かながらもCBとして指導していただいた経験がとても貴重で、且つ息子の大きな武器となっている、ということ。その証拠に、今でも時折CBとして起用される場合もあるので、野球でいうところの大谷選手、というと親バカに聞こえるかもしれませんが、「攻守共に動ける二刀流プレーヤー」に近づきつつあるのでは…と密かに思っている私です。

 

どんな状況になっても前向きに受け入れる気持ち

他のチームの実情はわかりかねますが、色々と詳しい知人に聞くと、ジュニアユース入団後のポジション変更は決して珍しい事ではないようです。息子の他にも、フィールドプレーヤーとして入団後、たまたま担当したゴールキーパー(以下GK)でそのセンスを見込まれ、それ以降は正GKとして活躍している、というチームメイトもいます。

本人にとっては戸惑うこともあるでしょう。そのポジションにいる自分に絶対的な自信があるのならなおさらです。でも、中学年代の可能性は無限大。チャンスがやってくればどんどんその流れに身を任せて良いと思います。思い返せばセレクション時に「みんながFWをやって自分は入り損ねたから、枠が空いていたCBをやった」という、子どもらしい柔軟な判断が今の息子に繋がっているのかもしれません。

セレクションでエントリーしたポジションが必ずしも絶対ではない。結果的に自分が思い描いていた環境にならなくても「サッカーが好き」という気持ちを忘れず、楽しくプレーできる自分でいられたら、その先にはさらに成長した姿が待っていることでしょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。私の経験談が、誰かのお役に立てることを願って…。

WRITER PROFILE

YUKARI

中3サッカー男子とこの春中学生になった女子のママ。サカママ歴9年。
夫は息子が所属していた地域の少年サッカークラブでコーチをしています。生後半年からスタジアムでサッカー観戦をしていた息子もいよいよ受験生になり、「サッカーも勉強も頑張る!」と現在はジュニアユースで奮闘中。母はそんな息子を誰よりも信じるサポーター第1号として、日々奮闘中です。