実録!ジュニアユースセレクション~地域の少年団に所属していた我が子の場合~vol.2
最近、中1の息子が所属するチームの練習に6年生の体験者が参加しているようです。「今日はけっこう来ていたよ。みんな上手だよ」と、口ぶりはすっかり先輩気取り(笑)。
まだまだコロナの影響が気になるところではありますが、セレクションに向けたチームの活動スケジュールは少しずつ平常運転に戻ってきているようです。「あれからもうすぐ1年になるんだね~」と夫と二人で懐かしむ今日この頃でもあります。
さて、前回のコラムに引き続き、今回はいよいよジュニアユースセレクション本番と気になる合否の発表に至るまで、昨年の息子がどのような経験をし、どのような時間を過ごしたのかということをお話ししたいと思います。
いよいよセレクション当日!
練習会(=体験会)を経て、いよいよセレクション当日へ。練習会ではそれほど緊張する様子を見せなかった息子も、いざ本番となると少し表情がいつもと違う…? 中には練習会すら設定されずいきなり本番、というチームもあったので、その時によって臨むテンションも上下していたと思います。
ここで、実際にエントリーしたチームのセレクションがどのようなものだったのか、息子の記憶、夫婦の記憶を辿りながらではありますが、少しその内容を挙げてみたいと思います。
もちろん、これはあくまでも経験を基にしたものですので、1次審査のみでその先のご縁をいただけなかったチームに関しては完全網羅とは言えません。そのことを前提に、これからセレクションを控えている方の参考になれば幸いです。
- 受付時にナンバー入りのビブスを渡される
→その色&番号が自分の受験番号のようなもの。 - 短距離走(20m、40m、50m走など)
→その場でタイムを計り記録。1回のみではなく、複数回走る場合も。 - 簡単なミニゲーム
→すでにチームは割り振られているが、ポジションに関してはチーム毎に自分たちで話し合って決める場合がほとんど。
基本的に個人で行動していた息子のセレクションキャラバンですが、練習会やセレクションを受ける過程で、普段同じブロックで対戦する機会の多いチームの選手やトレセン仲間と一緒になったり、以前通っていたスクール仲間と久しぶりに再会するなど、心強くもあり、共に切磋琢磨する機会にも恵まれました。
中には公式戦等でのプレーが注目され、チームを通して個別に練習会に呼ばれるという選手もいたようです。また、レベルの高い選手が揃っている強豪チームの場合、1つのジュニアユースチームに対して、複数名合格者が出ることもあるそうですが、どんな経緯で合格したとしても中学からのスタートラインはみな同じ。そこは気負わずにどんどんチャレンジして欲しいと思います。
いつ、どのように?気になる合否発表
本番が無事に終われば、ついに合否発表です。チームによっては何回かの審査を経て合否を出すチームもあれば、1回の審査のみで最終的な合否を出すチームもありました。
受ける側としてはすぐに結果が知りたいという気持ちもありますが、いざその場で合否が発表されるというのも、結果によっては色々と複雑な心境になるものです。ですが、かえってそれが励みにもなれば、その悔しさが次に生かされるバネにもなる。セレクションを受けていく過程で喜び以上に悔しさを味わったであろう息子ですが、今思えばこの短期間に大きく成長したように思います。
ここで、実際に息子がセレクションを受けたチームや、他のセレクションキャラバン仲間から聞いた話を基に、セレクション初日からその後の流れについてご紹介します。
- チームA:セレクション初日にその場で1次審査通過者が伝えられる(2次審査は別日程)
- チームB:指定された日時にインターネット上で1次審査の合否を発表。合格者のみ、その後のスケジュールが伝えられる
- チームC:セレクション当日に次の審査に進む選手が発表され、その日のうちに2次審査以降まで行われる
- チームD:セレクションが複数回設けられており、各日に合格者とは別に補欠(再チャレンジ)枠が発表される。補欠枠の人は次回セレクションにて再チャレンジ可能
- チームE:セレクション後、定められた日程までにチームの担当者より直接電話連絡(合格者のみ)
この他にも、自チームを通してセレクションにエントリーしている場合は、チームの監督経由で合否が伝えられる場合もあるようです。こちらはまた別の意味でハラハラドキドキですね。
息子が感じた手ごたえとその結果
息子のセレクションキャラバン。序盤は2次審査にも進むことができず、苦戦をしていました。「シュート決めたよ!」「ダッシュのタイム速かったよ!」と本人的には良い手ごたえを感じながらも、実際は期待していた結果に結びつかない。それもそのはずです。大半が初めて会った選手同士で構成されたチームで、いかに自分が得意とするプレーをアピールすることができるか。大人でも難しい状況なのはお察しの通り。
スタートからの落選続きにだんだん自信を無くしていった息子…。親としては「まだまだ次があるよ!」と励ますくらいしかできませんでしたが、徐々にリズムをつかみ始めた頃、ついに初めての合格をいただきました。それをきっかけに何かがふっきれた様子で、その後はアピールすることばかりに固執せず、与えられたポジションで自分なりにできる限りのことを精一杯やる、そして何よりもセレクションそのものを楽しむ姿が見られました。その結果、まさか合格するとは思わなかったチャレンジチームを含め、複数チームから合格をいただくことができました。
いただいご縁。手放す時も丁寧に、大切に
息子が最終的な合格をいただいた時、どのチームからも「他に現在選考中のチーム、または今後セレクションを控えているチームはありますか」と聞かれたので、半ばドキドキしながらもそこは正直に答えました。
その際、親としてとても印象的だったのが、どのチームもまずは息子の気持ちを尊重する姿勢でいてくださった、ということ。「うちのチームとしては息子さんにぜひ来て欲しいのですが、まずはご本人ともよく話し合った上で改めてご連絡ください」という言葉にとても救われました。
だからこそ、結果的に合格を辞退することになったチームに対しては、息子本人から電話でその旨を伝えるよう促しました。息子が連絡をした際には、「連絡をありがとう。これからも頑張ってね」と電話口で励ましの言葉をいただいたそうです。初めは申し訳無さと緊張でなんとなく気が進まないような息子でしたが、電話を終えた後は清々しい表情を見せていました。
最終的には手放すことになったご縁ですが、息子に何か光るものを見出してくださったことには今でも感謝しています。だからこそ息子にもそこは真摯に向き合い、自分の言葉で伝えて欲しいと思いました。
セレクションで得られるもう1つのこと
練習会への参加を含めると約2ヶ月に渡った息子のセレクションキャラバン。「サッカーが好き」「中学でもさらに頑張りたい」「強いチームに行きたい」「もっと上手になりたい」……サッカーという1つのスポーツに対して熱い想いを持つ同級生たちが、住まいやチームの垣根を越えて集まり、自分の実力を出し合う貴重な時間でもありました。そして、その経験は自然と本人のプレーにも影響していたようで、セレクション後の息子はまた一段と成長した姿を見せてくれました。言い換えれば、短期間の集中レッスンを受けていたようなものです。
頑張った成果が必ずしも自分が思い描いていた結果になるとは限らない。でも、あの時あの場所で受けた様々な刺激、悔しさや喜び、楽しいと思えた瞬間、その全てが今の息子のプレーに活かされていると思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
私の経験談が、誰かのお役に立てることを願って…。