大好きなことだからこそ、諦めないでいい!
早いものでもう3月。6年生の息子も先日小学校生活最後の公式戦を終え、あとはチームの卒団式を残すのみとなりました。思えばちょうど1年前の今頃は、最高学年である6年生への進級を目前に、息子の進路について色々と悩んでいた時期でもあった頃。
第3回目のコラムではその頃を振り返りつつ、息子と伴走した日々を振り返りたいと思います。
中学でサッカーに打ち込むために、受験を決意!
「僕、中学受験頑張る」
息子が最終的にそう決意したのは小学4年生も終わりに近づいた頃のこと。その動機のベースにあったのはやはり「サッカー」。地元の中学のサッカー部は人数が少なくあまり盛り上がりをみせていないことや、中学入学後も高校受験を気にせず6年間サッカーに打ち込みたいという思いから、最終的に息子自身が決めたことでした。そんなこんなで始まった息子の中学受験生活。5年生の間は順調でしたが、もうすぐ6年生のタームが始まるという時、ある転機が訪れます。
少年サッカーの集大成であり、受験本番を迎える「6年生」をどう過ごすか
息子が通っていた塾へは、中学受験を決めたきっかけはもちろんのこと、サッカーと並行して受験勉強を続けたい旨を予め伝えた上で通塾していました。とはいえ現実はそう甘くはありません。成績の状況はもちろん、6年生にもなれば土曜授業も避けられず、週末に試合が集中する息子にとっては厳しい状況でした。
そんな中、本当にこのままサッカーをやめずに受験を続けるのか、息子は塾の担当講師から改めて意思確認をされたそうです。特に我が家は父(=夫)が所属チームのコーチの一人でもあります。正直に言って、夫としては受験をやめてでもサッカーを続けて欲しいというのが本心だったかもしれません。だからこそ、時に意見が衝突しながらも、時には息子も涙しながら3人でじっくり話し合いました。
そんな時、たまたま申し込んでいた「サカママオンラインフェスタ」のイベントで、日本代表キャプテンの吉田麻也選手のお話を聞く機会があったのです。その名も「KUMON presents 吉田麻也 夢をかなえる力」。(イベントの内容はこちらで読めます)
サッカーをやめる時間がそのまま勉強時間になるのかどうか
内容は主に吉田選手が自分の経験をもとに、夢をかなえるために大切なことについて語っていただく、というもの。KUMON presentsということもあり、サッカーと勉強の両立についても学生時代の経験をもとに色々と話してくださいました。その中でも特に印象的だったのが「サッカーと勉強の両方を頑張るのが一番いい」という吉田選手の考え。
- サッカーが大好きなのに、サッカーの量を減らしたことでその分の時間やエネルギーをすべて勉強に注ぐというのは難しい
- サッカーの時間を減らしたことで必ずしも好成績につながるというわけでもない
- テレビやゲーム、スマートフォンなど、時間を削ろうと思えば他にもたくさんある
といった内容に、夫婦揃ってとても腑に落ちたのです。
もともとは、サッカーという息子にとって「好きなこと」を続けるために始めた受験勉強。それなのに、その核となる要素をやめてしまっては本末転倒だと思いました。
大好きなサッカーのためだからこそ頑張れる
改めてサッカーも受験も続けるということを決意した私たち家族。塾の先生にもそのことを伝え、理解をいただきました。そして、サッカーチームの担当コーチ陣にもその想いを本人から伝えるよう言いました。時に塾の授業や模試等で練習を休まざるを得ないこともあるかもしれない。そのために試合に出られないという悔しい思いをするかもしれない。でも、与えられた時間の中で精一杯頑張りたい。自分の口からそう宣言することで、息子本人にとっても改めて気を引き締め、意識する良い機会となりました。
もちろん、時間には限りがあるため、全てを手に入れるのは難しいという現実も避けらません。6年生となり、塾の授業時間が増えたことで、平日に通っていたサッカースクールやダンススクールは退会し、塾の授業にシフトしました。最終的に所属するサッカーチームの活動と受験対策という、「好きなこと」「今やるべきこと」の2つに絞ったのです。
親としてできること、親だからできること
息子がそうと決めたからには親も全力でサポートを。色々と数えたらキリがありませんが…
- 塾の開始ギリギリまで練習に参加する日は、少しでも身軽な状態で走って帰宅できるよう、サッカーバッグは母がピックアップ。走る息子の後を自転車で追いかける。
- 試合と模試が重なった日は、模試の会場近くの駐車場でスタンバイ。試験終了と共に会場から走って出てきた息子を車に乗せて、試合会場にてチームメイトと合流。
- 夜は疲れて勉強どころではないので、朝勉にシフト。早起きの息子に合わせて母の私も早朝から読書をするなど、伴走者となる。
などが今となっては良い思い出です。
息子が一人で頑張っているのではない。家族みんなでサポートをし、家族みんなが息子を応援している。時にぶつかることもあり、お互いの辛い思いを投げ合うこともしばしばありました。今となっては心許ない発言をしてしまったなぁ、と私自身反省することもたくさんあります。
ですが、最後まで「サッカーが好き」「勉強を頑張りたい」という2つの熱い思いを途絶えさせることなくやり遂げたが息子には心から拍手を贈りたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。私の経験談が、誰かのお役に立てることを願って…。