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決めるゴールはサッカーだけじゃない!サッカーから広がるSDGs【Monocular #2】

サカママのみなさん、いかがお過ごしでしょうか? サカママライターのマツユミです。
コロナ感染の拡大が再び深刻化していますね。収束の見通しが立たない中、公式戦の延期や練習の中止などサッカー活動を制限されているお子さんも少なくないと思います。コロナ感染に怯えず、思いきりサッカーを楽しむ日が来るまでもう暫く時間がかかりそうですね。
そこで今回のコラムは、「自宅でできるサッカーを通した学び」について眺めてみたいと思います。「サッカーから広がるSDGs」をテーマにお話を進めていきましょう。練習が中止になった隙間時間を活用して、ぜひお子さんと一緒に取り組んでいただければと思います。

SDGsとは?

さて、今回のテーマ、SDGsとは、Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標の略称です。開発目標とは、2015年に国連サミットにおいて採択された17の項目ですが、下記の表からわかるように、その範囲は貧困や飢餓、教育やジェンダー、環境や生産、平和や平等など多岐に渡ります。これらの国際目標を通して、国際社会は2030年までに「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指すことを掲げています。

 

国際社会や開発目標など何だかとてつもなく大きなテーマに感じますが、実は子どもたちは学校での学習を通して、日常的にSDGsを学んでいます。特に、平成29年に告示された学習指導要領(学校で学ぶ内容を定めたもの)に、「持続可能な社会の創り手の育成」とその意義が明記されたことを受けて、SDGsが学びの中心的テーマの一つになりました。現在、小学校では家庭科、道徳科や総合的な学習の時間、中学校では社会科、理科などの授業内容としてSDGsが盛り込まれています。また、幼稚園や保育園でも同様に、SDGsにそった活動は積極的に展開されています。

サッカーを通してSDGsに取り組んでみよう!

そこで、サッカーとSDGsを掛け合わせて、学校での学びを超えた実践に取り組んでみてはいかがでしょうか。ちょうど学年が変わる節目の時期が近づいていることもあり、お子さんと一緒に身の回りにあるサッカー用具を点検してみることから始めることができます。

環境省(2016)のデータによると、使わないスポーツ用品の7割強が退蔵されているため、クローゼットや物置などに眠っているサッカー用具も是非点検の対象に入れてください。サイズが合わなくなったユニフォームや練習着、スパイクやトレーニングシューズ、ボールやナップサックなど「まだ使えるけど、もう使わないもの・いらないもの」はありませんか? サッカーに関する本や雑誌も探してみてください。こうして集めた用具等をリユースすることができれば、SDGsが掲げるたくさんのゴールに近づきますね

 
いらない、使わない用具がないかチェックしてみましょう!

また、コロナ禍で練習ができない高校生や大学生のサッカー部員が中心となりサッカー用具リユースプロジェクトを全国各地で立ち上げています。他にも、昨今注目されている子ども食堂では、リユースできるスポーツ用具を集めている場所もあるそうです。お住まいの地域でサッカー用具やスポーツ用品のリユース活動をしている団体や窓口などを探してみてください。

もっと国際的な活動に取り組んでみたいというお子さんには、サッカー用具を開発途上国に寄付する活動やサッカー用具や本、雑誌を回収して得たお金をワクチンや栄養補給品として飢餓に苦しむ子どもたちに寄付するという活動もあります。さらに、お子さんと一緒にJFAが取り組んでいるSDGs活動をチェックしてみるのも面白いのではないでしょうか

サッカーを通して子どもたちが学ぶことは、サッカーの技術やチームスポーツの良さだけではありません。サッカーは、子どもたちと社会をつなげ、そして自らが社会を創る担い手として何ができるのかを考えるきっかけを与えてくれます。コロナ禍でも、子どもたちのサッカーライフがより実りある時間になるように、これからもみなさんと共に知恵や経験を出し合っていければ嬉しいです。どうぞ、お付き合いください。


参考資料

WRITER PROFILE

マツユミ
マツユミ

「みんなちがって、みんないい社会とは?」を日々考える社会科学系研究者。2人のボーイズ(12歳・9歳)を育てるサカママ。兄は、サッカー8年目。一方、弟は兄の影響でサッカーを始めるも、現在はアイスホッケーに夢中。スポーツ医の夫と愛犬の5人家族。