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【睡眠×記憶】暗記力も運動技能もUPさせよう!知っておきたい睡眠と記憶の関係

みなさんこんにちは!
スポーツ×睡眠】をコンセプトにアスリートの睡眠サポートを行っている、スリープトレーナーのヒラノマリです。

これまで2年間、サカママライターとしてコラム連載をさせていただいていましたが、今月からは「睡眠を武器にする!サッカージュニアとママのための#スリトレ」として、引き続き睡眠に関する記事を書かせていただくことになりました!
#スリトレ」はスリープトレーニングの略で、プロ選手も実践している私の睡眠メソッドの略になります。さらにパワーアップした内容でお届けできればと思っておりますので、よろしくお願いいたします!

さて、そんな初回のテーマは『記憶力と睡眠』です。サッカージュニアにとって、学校での勉強も、サッカーの上達も大切なことですよね。今回は『学習の記憶』と『運動技能の記憶』の2つに分けて解説していきたいと思います。

記憶を定着させるためには、睡眠の過程が必要!

 

一夜漬けで試験勉強をして、試験のときはその内容を覚えていたのに試験が終わったらすっかり忘れてしまった、なんていう経験はありませんか?

私たちが勉強などで得た情報は、目や耳からバラバラのパズルの状態で次々と脳に入ってきます。この新しく入ってきたバラバラのパズル(情報)は、一旦記憶の司令塔とも呼ばれている『海馬』という場所で一時保存されます。海馬に一時保存されたバラバラのパズルは、睡眠中に整理され、どう並べれば一つの絵になるかがチェックされます。そして、一つの絵が完成すると、『大脳皮質』という場所に長期の記憶として保存されます。

つまり、私たちが得る新しい情報は、睡眠という過程を経ないと長期的な記憶として大脳皮質に記憶されないということなのです。

一夜漬けで勉強したことをすぐに忘れてしまうというのも、睡眠をとらなかったことで海馬の中でパズルの整理がしっかりされなかったことが原因。せっかく覚えたことがいらない情報として破棄されてしまったということなのです。

学習の記憶は睡眠の前半、運動技能の記憶は睡眠の後半に身につく!

 
(出典:睡眠学入門ハンドブック/日本睡眠教育機構)

私たちは眠っている間、上記のグラフのようにノンレム睡眠(脳も体も眠っている状態)レム睡眠(脳は起きていて体は眠っている状態)を交互に繰り返しています。睡眠前半はノンレム睡眠の中でも深いノンレム睡眠が多く、睡眠後半は浅いノンレム睡眠やレム睡眠が多いのが特徴です。そして、この睡眠前半と睡眠後半とで記憶への役割も変わってきます。

例えば、睡眠と単語の記憶の関係を調べた実験では、睡眠をとったグループの方が眠らずに起きていたグループに比べて明らかに記憶力がよかったという結果になったのですが、睡眠後半での時間帯ではほとんど差がなかったことから、単語の記憶に関しては、睡眠前半の深いノンレム睡眠で記憶力が向上すると言われています。

また、睡眠後半の朝方の浅いノンレム睡眠は運動技能の記憶を定着させる役割があり、日中の練習やトレーニングの効果を定着させ、運動技能やパフォーマンスの向上に関連しているという研究結果が2002年に発表されています。睡眠時間が少ないと、この朝方の浅い睡眠が出現せずに起床することになってしまうので、十分な睡眠時間をとることがサッカー上達の秘訣と言っても過言ではありません。

ジュニア世代にとっては、成績向上のためにもサッカーの技術向上のためにも睡眠の前半と後半どちらも大切ということですね。

スリープトレーナーも実践!暗記力UPの#スリトレ

それでは、睡眠を味方につけて暗記力をUPさせるには、どのように眠ればいいのでしょうか?

一応世間では難関と言われている(?)、アスリートフードマイスター2級やスポーツ医学検定2級に働きながら一発合格した私が実際に行っていた、暗記力UPの#スリトレをご紹介します!

  1. 午前中に問題を解き、できなかった箇所を付箋に書いてノートに貼る
  2. ブルーライトカットメガネをしながら、寝る前に午前中にまとめておいた箇所を見直す
  3. そのまま就寝

私が行っていたのはこの3ステップです。

体内時計のリズムから考えても、午前中の方が脳のパフォーマンスが良いとされているので、まずはこの時間に集中して問題を解き、自分の苦手分野やいつも間違ってしまう箇所をピックアップしていきます。それを大きい付箋に箇条書きのようにして簡潔に書き、ノートに貼っていきます。

そして、夜になったら作ったノートを見返して勉強します。就寝前に再度自分の苦手な問題や暗記したいものを見直すことによって、就寝中に海馬の中のバラバラのピースが整理されやすくなります。また、この時にブルーライトカットメガネをするのは、質の良い睡眠を確保するためです。ブルーライトや明るい光をシャットアウトし、手元の明るさが確保できるぐらいの明るさの部屋で勉強していました。その後は海馬に不要な情報を入れたくないので、他の情報には触れないようにしてそのまま就寝します。

あくまでも私の場合ですが、脳と睡眠のメカニズムを応用したこの学習方法は効果があったような気がしています!

睡眠の質にこだわり、暗記力&競技力をUPさせよう!

 

睡眠と記憶の関係、いかがでしたでしょうか?

プロアスリートの皆さんとの会話の中でも、「親御さんが寝る時間に厳しかった」「睡眠へのこだわりが強くて毎日お昼寝をするのが当たり前だった」という話も多く、トップアスリートの方ほどジュニア世代から親御さんが睡眠への関心や興味が強く、ご家庭全体で睡眠にしっかり目を向けていたケースが多いように感じます。

『ジュニア世代の睡眠』と聞くと、ただ睡眠時間をとればいい、ただ寝かせておけばいいといったイメージもまだまだ強いかもしれませんが、『睡眠の質』にもこだわっていただけたらと思います。睡眠の質によって成長ホルモンの分泌量などにも影響があり、お子さんの成長に大きく関わるためです。

今後もこの連載で睡眠の質をアップさせるためのポイントなどをお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。次回もお楽しみに!

WRITER PROFILE

ヒラノマリ
ヒラノマリ

『スポーツ×睡眠』をコンセプトにした日本で唯一のアスリート専門の睡眠のパーソナルトレーナー、『スリープトレーナー』としてプロ野球選手、Jリーガー、五輪代表選手など、多くのプロアスリートの睡眠をサポート。大のサッカー好きでスタジアムに足を運ぶことも。睡眠健康指導士、アスリートフードマイスター2級などを保持。
テレビや雑誌などのメディアでも活躍中。

https://sleeptrainer-marihirano.themedia.jp/

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