メインコンテンツに移動

徹底解説!寝苦しい夏もぐっすり眠れる「正しいエアコンの使い方」

まだまだ続く熱帯夜、夜眠るときエアコンの温度設定や使い方に迷ったことはありませんか?
第3回目は、プロ選手も実践している睡眠時のエアコンの使い方をご紹介します!

夏場の寝室は、室温26度・湿度50%をキープしよう!

夏の寝室の最適な室温って知っていますか?
最適な室温を知っておけば、エアコンの温度設定に迷わずに済むものです。
じつは、前回お話した「深部体温(脳や内臓の温度)」がポイントになってくるんです。
下記のグラフは、深部体温の変化(寝具を使用せず男性が裸で寝た場合)を表しています。

寝室の高温と多湿状況が、睡眠中の体温に与える影響 寝室の高温と多湿状況が、睡眠中の体温に与える影響
(出典:宮崎総一郎、林光緒、(2017) 『睡眠と健康』一般財団法人放送大学養育振興会)

「深部体温(脳や内臓の温度)が下がることで、眠りにつく」「深部体温が下がらないと、寝つきが悪くなったり、睡眠の質が下がってしまう」というポイントを踏まえながら、グラフを見てください。

室温35度では、深部体温がほとんど下がらず、入眠しにくく寝つきが悪い状態です。夏場エアコンを使用しない場合、寝室内が35度になると、これに近い状態になってしまうのです。
一方、室温29度は深部体温が下がり、同じ29度でも湿度50%の方がより下がっています。これは、湿度が低いほうが皮膚から汗が蒸発しやすく、深部体温が下がりやすいからです。
これらのことから、快眠には、温度だけではなく湿度も大切なポイントになってくるといえるのです。

しかし、この実験は寝具を使用せず裸で眠った場合の状態。
実際に布団を使用し、パジャマを着た場合の最適な室温と湿度については

『夏のオフィスの空調を28度に設定するように提唱しているが、寝衣や寝具を身にまとうと、28℃でも暑くて睡眠を妨害してしまう。夏の夜は、それよりも2℃低い室温26℃、湿度50~60%であれば、睡眠が良好に保たれる。それよりも室温が高くなると、寝つきが悪くなり、途中で目がさめやすくなる。』

(参考文献:宮崎総一郎、林光緒、(2017) 『睡眠と健康』一般財団法人放送大学養育振興会 より引用)

と言われており、最適温度は26度、湿度は50%となります。それよりも室温や湿度が高くなると、寝つきが悪くなり、途中で目が覚めやすくなってしまいます。

必見!身体がだるくならない正しいエアコンの使い方

正しいエアコンの使い方

エアコンを使うと起きたときにだるい…そんな方も多いのではないでしょうか。
しかし35度を超える猛暑日などは、昼間に熱を溜め込んだ家の壁や家具は、放射熱といって夜も熱を発し続けます。そのため、夜になっても部屋の温度がなかなか下がらず、タイマー機能を設定しても、タイマーが切れたあと一気に室温が上がってしまうこともあります。

そこで、寝室の『室温26℃、湿度50%』をキープするための、かしこいエアコンの使い方のポイントをいくつかご紹介します。

就寝1~2時間前に扇風機で壁を冷やす

こうすることで壁にこもっている熱を逃がし、エアコンで効率よく部屋を冷やすことができます。このとき、扇風機は首振りにして扇風機の頭を少し上に傾けると部屋全体の壁が冷えて効果的です。

就寝30分~1時間前からエアコンをつけ、寝室を冷やす

ベッドに入るタイミングでエアコンをつけても、部屋がなかなか冷えません。部屋の大きさやエアコンの機能にもよりますが、就寝30分~1時間前からエアコンの設定温度24度前後にして、冷やしておくようにしましょう。扇風機で壁を冷やす方法を併用するとさらに効率的です。

就寝時はエアコンの温度を26度、風向は上向きでひと晩中つけっぱなしにする

エアコンの設定温度=室温ではありませんが、26度がひとつの基準になります。機種によってエアコンの利き方も異なるので、一度26度に設定し、そこから温度を調整してみてください。

夏場といえどもエアコンで室内が乾燥しやすくなることも。乾燥が気になる場合は、部屋に洗濯物を干したり、濡れたタオルを干すだけでも効果的です。

また、冷たい風が身体にあたってしまうと毛細血管が縮まり、血液の循環が悪くなってしまうことで代謝が悪くなり、起きたときに身体がだるくなる原因になりかねません。
「エアコンをひと晩中つける=身体に悪い」と思いがちですが、エアコンが悪いのではなく、冷たい風が身体に直接あたることが身体にとってよくないのです。ちなみに、私がプロのアスリートの方に睡眠指導をする際、必ず伝えていることの一つです。

エアコンの風向は自動にせずに、風向きを1番上に向けて、風が直接身体にあたらないようにすることが大切です。とくに二段ベッドの場合は、上に寝ている子どもに風が直接あたりがちなので注意が必要。数千円でエアコンの風よけカバーも市販されているので、利用してみるのもおすすめです。

エアコンが苦手な場合は、睡眠前半の4時間使用がおすすめ

どうしてもエアコンをひと晩中使用することに抵抗がある場合は、入眠時に深部体温を下げるためにも、睡眠の前半4時間程度は使用するようにしてください。

また子ども部屋のエアコンをつけると部屋が狭いため効きすぎてしまうということであれば、子ども部屋のドアを開けて、向かいの部屋や隣の部屋のエアコンをつけ、扇風機を合わせて使い、子ども部屋に風を送ってあげるとよいでしょう。

夏はさらに子どもの寝相が悪くなってない!? 腹巻を使おう!

正しいエアコンの使い方

子どもは、大人より深い睡眠(ノンレム睡眠)の比率が多く、大脳が休んでいるため、身体の位置を認識できず、寝相が悪くなりがちです。さらに、夏は気温が高く発汗量も増え、布団と身体の接触面が熱くなりやすいので、深部体温を下げて眠りやすくしようと寝返りが増え、寝相がより悪くなるのです。

寝相が悪いと、布団がずれてお腹が冷えてしまうため、胃腸の働きや免疫力が下がってしまうことも。そのため、夏場こそ、布団がずれてもお腹をカバーできる“腹巻”がおすすめです!

【番外編】遠征や合宿には「枕用の涼感パッド」が便利

自宅ではママたちがあれこれ考えながら、睡眠時の暑さ対策をすることができますが、遠征や合宿のときにはなかなか難しいですよね。

フランスベッド 画像提供:フランスベッド/クールデオドパッドN・クールデオドピロシートN
https://francebed.shop-pro.jp/?pid=75900164

そこで遠征や合宿のときに、ひとつ持っていても損をしないのが、マットレスや枕の上に敷くだけでひんやりする涼感パッド!
様々なメーカーさんから冷蔵庫で冷やす必要のない、涼感パッドが販売されており、年々その冷たさも進化しています。
枕用のものであれば、数百円~数千円とコストパフォーマンスもよく、かさばらないのでくるくる丸めて小さくして持ち運びができ、遠征の多いプロ選手の方にも好評です。頭を冷やすことで深部体温が下がりやすくなるので、寝つきが良くなり、氷ほどの冷たさはではないものの、日焼けでほてった肌を冷やすのにも便利です。

夏の間、正しくエアコンを使って快眠できていれば、新学期から秋にむけて、夏の疲れも出にくくなるものです。今回紹介した方法は、どれも今夜からできる簡単なものばかりなので、ぜひ試してみてくださいね。
最終回は、お子さんの集中力をアップする睡眠のポイントをご紹介します!

WRITER PROFILE

ヒラノマリ
ヒラノマリ
某大手インテリア会社でベッドや寝室のコンサルティングなどを経て、日本では珍しいアスリート専門の睡眠トレーナー『スリープトレーナー』としてJリーガーから五輪出場選手などの睡眠を指導。自身も子どもの頃睡眠に悩み、現場経験から得た商品知識やわかりやすい睡眠の豆知識はアスリートにも好評。大のサッカー好きでスタジアムに足を運ぶことも。睡眠健康指導士、アスリートフードマイスター2級などを保持。 Instagram: @maririn__gram https://sleeptrainermari.themedia.jp