食の「ピリオダイゼーション」を子どもと一緒に考えよう!
みなさん、はじめまして。毎月第二水曜日のコラムを担当することになりました、住岡靜です。
サッカーが大好きな7歳と4歳兄弟のサカママで、普段は保健師・看護師として活動しています。これから皆さんに、ためになる情報や、楽しい情報をお届けできればと思っています。よろしくお願いいたします!
「ピリオダイゼーション」って何?
さっそく、1回目のテーマ「ピリオダイゼーション」についてお伝えします。
ピリオダイゼーションって難しくて聞き覚えない言葉だなと感じるかもしれませんね。これは日本語で「期分け」といって、試合のタイミングで身体的・精神的にベストコンディションの状態にもっていくことができるように、1年間を準備(オフ)期・練習(トレーニング)期・試合期のサイクルに分け、「トレーニング」「食事」「睡眠」などの側面からアプローチすることをいいます。今回はこの中でも、「食事」のピリオダイゼーション方法について紹介します。
低学年と高学年での食事へのアプローチは違う?
フリーランスの保健師として活動する中で、ジュニアアスリート世代の子どもや保護者と関わる機会も多いのですが、その際にある事をよく感じています。それは、一言でジュニアアスリート世代と言っても、サッカーを始めて間もない低学年とこれから本格的にサッカーを続けていこうとする高学年では、サッカーに対する意識は全く違うという事です。
高学年になれば、「結果を残したい」「活躍したい」というように、サッカーに対するモチベーションを本人がある程度維持していることもあり、食事を通した身体づくりがパフォーマンスに直結することも理解できています。またそれらを守っていく力もついてくる頃です。一方で、低学年ではまだそこまでの意識を持っている子どもは少ないかと思います。そんな低学年の子どもに対して、高学年と同じ食事のアプローチをしてしまうと、本人の負担になってしまうこともあります。
ですから、“年齢やサッカーの経験“と”本人のサッカーに対する気持ち“を理解したうえで、食事へのアプローチを変えていく事が大切になります。
一方的な食事管理していませんか?
「試合前なんだから、これを食べなさい」
「試合前なのに、なんでそんなもの食べるの?」
「これは身体に良いから食べたほうがいい」
「バランスよく残さず食べなさい」
などと一方的に伝えてしまっていませんか? ただサッカーは楽しいもの、好きなものと考えている時期に、食事を決められてしまうという考えがついてしまうと、サッカーをすることが苦痛になってしまいかねません。
まずはどんな食材だと調子が良くなるのか、どんな食材をどれくらい前に食べると調子が悪くなるのか(ファストフードを食べた翌日によく下痢をするなど)を子ども自身で把握する事で、ファストフードやスナック菓子も日常生活に取り入れながらスポーツを楽しんでもらうことが可能になります。それをふまえると、食のピリオダイゼーションも考えやすくなってきます。
上手な食のピリオダイゼーションの方法って?
本人が食べたいと言ったものは、食べるタイミングを一緒に考えてあげるということだけです。低学年時期では、短期間的に数日で何回もサイクルを繰り返す方法が効果的です。ここで我が家の一例を図にしてみました。
息子はきのこ、乳製品、甲殻類を食べた翌日は下痢や腹痛をよくおこしやすいことがわかったので、そういった食材は練習・試合前日は避けます。その分、ミネラルや食物繊維などは違う食材で摂っています。息子と一緒に試合前に食べるものを一緒に考えていくうちに、我が家ではお鍋が試合前のスーパーフードとなりました。
お鍋は鶏肉・豚肉・魚など、いろいろな食材を入れて飽きがこないようアレンジがしやすいですし、なにより時短メニューというところが最高ですよね。
このように保護者が一方的にならず、子どもと一緒に考えて決めていくことで、自然と食べたものと体調の変化を意識するようになります。
これからサッカーを楽しんでいってほしい世代。周囲が本人の気持ちに寄り添ったサポートをしたうえで、子どもたちが自分自身で食事を選んでいけるようになると良いですね。