【持久力を高めるために】発育・発達のタイミングを理解しておこう
日々、成長している子どもたち。その中でも、神経系や心肺機能、筋力などには発育・発達のタイミングがあり、その時期に応じたトレーニングを行えばより向上していくものです。それは、持久力も同じこと。サカママとして、子どもの身体の発達・発育時期をしっかり理解しておこう!
“ゴールデンエイジ”とは?
“ゴールデンエイジ”って、聞いたことありますか?ゴールデンエイジとは、9~12歳のことを指し、あらゆる動作を習得するのに最も適している時期です。この時期には、集中力や運動学習能力が高まるので、短時間で難しい動作を覚えることができると言われています。また、その前にあたる3~8歳は“プレ・ゴールデンエイジ”と言われ、特に神経回路が発達していく時期。なお、13歳~14歳はポスト・ゴールデンエイジと言われ、神経系の発達はほとんど止まり、骨格や筋肉が成長していきます。
子どもの成長というと、ついつい見た目を気にしがちですが、脳や神経、心肺機能、筋力・骨格などの発育・発達のタイミングを知っておくことも大切です。
運動神経は12歳までにつくられる!
下記のグラフは「スキャモンの発達・発育曲線」といって、生まれてから成人になるまで(20歳)、どの年齢でどんな能力が発達するのか、その発達・発育度合いを表したもの。
注目してほしいのは、神経系型のグラフです。6歳くらいまでに飛躍的に発達し、12歳頃になるとほぼ100%に達しています。つまり、運動神経を含む神経回路は、12歳にはほぼ形成されると言えるのです。
この時期こそ、上記で説明したゴールデンエイジ、プレ・ゴールデンエイジにあたり、とにかくいろいろなスポーツをやることが大切。そうすると、脳や神経の働きにつながり、いずれはサッカーに通じるのです。また、いろいろなスポーツを行うことで、普段、サッカーでは使わない筋肉も使うので、バランスのいい体になっていくでしょう。サッカーのポジションもココと決めずに、いろいろなポジションにチャレンジすることが大事です。
いろいろなスポーツを行うコツ
親御さんがサッカー以外のスポーツを促そう!
キャッチボールやバドミントンなどを親子でやったり、親御さんが昔やっていたスポーツ(サッカー以外)をお子さんと一緒にやってみるのもいいでしょう。学校のクラブや選択授業がある場合、サッカーではなく「違うスポーツをやってみたら!」と親御さんが促してあげて!
どんなスポーツもサッカーに通じていることを伝えよう
例えば、バドミントン。どうやったらラケットに当たるのかを考えることがヘディングシュートの感覚につながります。またキャッチボールで身体の正面で捕ろうとする動きは、サッカーでパスを常に自分の足元で受けることにも似ています。いろいろなスポーツが、サッカー上達のヒントになっていることをお子さんに伝えるといいでしょう。
呼吸・循環系の発達は11~12歳頃から一気に高まる!
下記は「発育・発達パターンと年齢別運動強化方針」から抜粋した、発育・発達パターンのグラフです。
持久力を向上させる呼吸・循環系の発達は、11~12歳頃から一気に高まることがわかります。そのため11歳以降に、長短の走りが入るようなトレーニングを積極的に行うと、よりサッカーに必要な持久力がついていくと言えるでしょう。ジュニア時代は、心肺機能が発達する準備期間だと理解して、日々の中で下記の内容を習慣づけておくことです。
トレーニングは10割の力で
試合だけでなく、いつもの練習も10割のフルパワーでやるように促しましょう。全力でやる習慣がついていれば、心肺機能が発達する中学年代に、より持久力がついていくものです。
日々の活動量を上げる
サッカージュニアは日常生活の中でも、エスカレーターやエレベーターではなく階段を使う、よく歩くようにするなど、活動量を上げるように意識を。ただし、よく動くようになる分、筋肉が疲労し、硬くなりやすいので、日常的にストレッチをする習慣をつけることも大事です。また親御さんも、できる限り一緒に歩いて、親子で活動量を上げていきましょう。
体幹トレーニング
走る動作は脚を使い、体幹の軸を使うので、今から自体重を用いた体幹トレーニングはやっておくのがオススメです。各トレーニング1分を目安に毎日行うといいでしょう。慣れてきたらキープする時間を増やしていくことです。