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アメリカ少年サッカー記5 夏休みの練習には秘密がいっぱい

アメリカの学校は夏休みに入りました。州によって夏休みの開始時期はバラバラですが、住んでいる地域だと、夏休みは6月から8月中旬までの2ヶ月半に及ぶ長期戦です。

サッカーチームは、夏休みでもフル稼働で、しっかり練習が入ります。去年は、夏場の暑い時間を避けるために、早朝練習が週二回。朝6時半には家を出て子供を練習場に送迎し、1時間の練習が終わった後に、息子はサマーキャンプへ、私は職場に出勤しました。普段より早起きになるほど練習時間が早かったので、生活リズムが整いやすく、この早朝練は我が家にとっては都合が良かったです。

ところが、今年の練習予定を見ると、スケジュールが大きく様変わりしました。練習日は週3回に増え、練習時間も、朝8時、朝11時半、夕方5時、とバラバラに。去年は避けていた暑い日中にも練習が入り不思議でしたが、それにはコーチの意図がありました。

前シーズンのチーム成績は好調で、今年は大きなリーグ戦への出場権も得られそうなのですが、そのリーグ戦は暑い地域での試合も組まれます。暑い中でも試合をこなせるよう、あえて正午の暑い時間帯に練習を入れたそうです。さらに、このリーグ戦に参加すると、週末に2、3試合をこなす過密日程になるので、試合数が多くても、パフォーマンスを上げられるよう、練習日も増やしました。

息子のチームコーチは、パパがボランティアで行っていて、夏休みといえど、仕事をしながら日中の練習の面倒を見るのは難しいです。そこで、チームは2人の外部コーチにそれぞれ練習を委託して、子供達の練習が増えるように工夫しました。一人のコーチは技術練習が中心ですが、もう一人のコーチはチームのフォーメーションを元に連携や戦略を学ぶ練習で、この練習プログラムは息子のチームだけでなく、前後の学年のチームにも同じ週に同じ内容で行われます。参加者が多くないと成り立たないチーム練習のため、先日は人数が揃わなかった一学年上の女子チームの練習にも、息子は助っ人として参加しました。

こんな風に、夏休みは、たくさんの練習があるだけでなく、一年で出場する大会のうちの半分、3つの大会に出場し、毎月3、4日間の大会が入ります。さらに、州の代表チームの選抜のためのトライアウトや、州選抜を集めたリージョンキャンプ、アメリカのプロサッカーチームが主催する泊まり込みの1週間の合宿まであり、個人としてのスキルアップの機会も多いです。こうした色んなサッカーの機会を取っていくと、夏のスケジュールがあっという間にサッカーで埋め尽くされます。日本への帰省が難しいのが目下のところ悩みの種ですが、息子にとってはサッカーに打ち込める楽しい夏休みになっています。

近本めぐみ:「アメリカ発 少年サッカーの育成事情」https://utlogan.blog.fc2.com/ でも執筆中

WRITER PROFILE

近本 めぐみ
近本めぐみ

日米で色々な大学、研究所を渡り歩く理系研究者。現在はアメリカ在住、在米歴と息子のサッカー歴が8年のサカママ。サカママWEBでのコラムを通して、アメリカならではのサッカー育成の面白いところ、興味深いところを発信していきます。

★外部ブログ「アメリカ発少年サッカーの育成事情」でも執筆中