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アメリカ少年サッカー記1 アメリカのサッカー事情

こんにちは。今年1年外部ライターとして、サカママにてアメリカの少年サッカー事情をご紹介します。私達家族は、息子が4歳の時に横浜からアメリカに移り、今年は在米8年目。日本にいた頃にサッカーを始めた息子は、11歳になった今でも、アメリカにて日々サッカーを楽しんでいます。

アメリカの少年サッカーは、大きく分けて、recreation とcompetitive の2つのカテゴリーがあります。recreation チームは、基本的に地元で開かれる小さなリーグ戦に参加し、気軽にサッカーをやりたい子向けです。一方、competitive  チームは、トラベルチームとも呼ばれ、週末に1〜2時間かけて近隣都市まで試合に行く必要性が出てきます。移動が大変な分、選手をセレクションして強いチームを作るので、練習量や試合数が多く、真剣にサッカーをしたい子供向けになっています。そんな中、息子は competitive  のサッカーチームに所属して、幸運にも州でトップリーグに参加することが出来ています。

アメリカは、サッカーに関して興味深い国で、小さな子供がまず最初に始めるスポーツとして最も人気なのがサッカーです。春先などシーズンが始まると、3、4歳のキッズ達が元気よくボールと走り回り、サッカーショップにはサイズの小さくてカラフルなスパイクが並んでいます。その後、バスケや野球、アメフトなど他のスポーツに移ったり、スポーツをしなくなる子も多いですが、それでも男女共にサッカー人気は健在。アメリカユースサッカー協会に登録する少年少女のサッカープレーヤーはなんと400万人で、ユースのサッカー競技人口は世界一位です。

私達が住むのは、ユタ州の山あいに囲まれた美しい地方都市です。お父さんがボランティアでコーチをするサッカーチームがほとんどの地域で、チームの年会費はたったの150ドル(15000円)。ただ、息子のチームは、州内の強豪チームと対戦するため、アルゼンチン出身の技術コーチをつけたり、州外の大会にも遠征し、年間で20万円ほどかかっているかもしれません。それでも、年会費だけでそれ以上払う都市部のクラブと比べると、サッカーが手軽に続けられます。

一般的には、ユースサッカーは、夏にシーズンが開始し、5月末にシーズンが終わります。シーズン中は、週2日の一時間半の練習と、週末に公式戦が1試合。雪が降る冬季はシーズンオフとなり、練習がなくなります。今は、春のリーグ戦に向けて週1日の練習をやる程度。活動にメリハリがある分、冬季はバスケなど他競技を並行する子も多いです。息子はバスケが好きではないので、冬季は体力つくりのためスイミングと週末のスキースクールに通っています。

このように、アメリカと一言で言っても、地域によってサッカー環境は大きく異なりますが、雪の降る地域では、サッカー漬けになりにくいのが特徴かもしれません。ただ、この街は子供のスポーツ観戦が一種の娯楽になっていて、ホーム戦の試合は家族だけでなくお爺ちゃんお婆ちゃん、従兄弟まで親戚総出で試合観戦に来て、子供のスポーツを楽しんでいます。

核家族である私達日本人家族が、ここで少年サッカーにどう関わっていくのか、どうぞお楽しみに。

WRITER PROFILE

近本 めぐみ
近本めぐみ

日米で色々な大学、研究所を渡り歩く理系研究者。現在はアメリカ在住、在米歴と息子のサッカー歴が8年のサカママ。サカママWEBでのコラムを通して、アメリカならではのサッカー育成の面白いところ、興味深いところを発信していきます。

★外部ブログ「アメリカ発少年サッカーの育成事情」でも執筆中

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