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100%の力を出してほしいワケ

サッカーママの中には、お子さんのサッカーに対して様々な関わり方をしている方がいます。「サッカー選手に育てたい!」という方もいれば、「楽しくやってくれればいい。」、「丈夫に育ってほしい。」という方もいます。

今日お伝えしたいのは、サッカーを通して、「100%の力」を出せる子に育ってほしいということです。
全力で走り、全力で考え、全力で勝利を目指してほしいということです。
私が主宰している「サッカー選手の育て方談話室」や親子講演会などでよく出る質問に「うちの子はプロも全国大会も目指していませんが、それらを目指している子たちと同じように頑張る必要がありますか?」というものがあります。
私はいつもこの質問に対して、こう答えます。

「社会に出て、改めて強く感じるのは、できる人は何をやってもできるということです。その人たちは周りを認めさせる力を持っているのです。周りを認めさせるだけの【違い】を生み出すことができるのです。
この【違い】を生み出すことができる力こそ、サッカーを通して一番身につけてほしい力だと自分は考えています。

サッカーにはチームの目標があります。一つの試合でいえば、それが勝利にあたります。チームの勝利のために、選手一人一人の役割があります。ゴールを守る選手、ボールを奪う選手、ゲームを作る選手、ゴールを決める選手、そしてベンチで声を出す選手。
すべての選手が全力を出すことで、チームは勝利に近づきます。逆にチームの勝利のために頑張れない選手ばかりがいるチームではどうでしょう。

育成年代では、試合の勝敗などその先の人生において大きな影響など与えません。ただし、子どもたちが勝利を目指さず、試合に挑むのは違うと思います。チームの勝利のために自分の役割を全うする。自分の役割を全うするために、毎日のトレーニングに全力で励む。
100%の力で勝利を目指すことが究極のチームプレーであり、そのために自分にできることを真剣に考える習慣こそが、他者との【違い】を生み出せる原点だと思います。

楽しくできればいいから。中学校までしかやらないから。それらは、全力で頑張らなくていい理由にはなりません。100%の力を出し切ることで人として大きく成長し、100%の枠までも大きくしていくのです。

30%の力でしかサッカー出来ない子は、他の世界に挑んでもまた同じ領域でしか頑張れなくなってしまいます。100%の力で挑戦することによって、様々な壁を乗り越えることができるのです。何度も挑戦することで乗り越えられる壁があるでしょう。考え、工夫して違う方法を編み出し、乗り越えられる壁もあるでしょう。

100%の力を出す習慣をつけることで、できないことができるようになるという究極の習慣を身につけてほしいと思います。」

サッカーを含め、チームスポーツは社会の縮図です。
社会に出て、生き抜くための力を自然と身につけられる最高の環境がそこにはそろっています。
その成長のチャンスにぜひ、親御さんに気づいていただき、全力でお子さんをサポートしてほしいと思います。

WRITER PROFILE

野田恭平
1981年、神奈川県生まれ。サッカー親子講師。東京V、琉球、岐阜などでゴールキーパーとして活躍。現在は、全国のサッカー少年と保護者を対象に親子向けの親子イベントを開催し、「スポーツを通した人間育成」と「子どもの可能性を最大限に引き出す親のサポートの在り方」をテーマに講演活動を展開。また、JFAこころのプロジェクトのメンバーとして、「夢を持つことの大切さ」と「夢に向かって努力することの大切さ」を子どもたちに伝える活動を行なっている。サッカー少年を育てるママの悩みに真剣に向き合い、絶大な信頼を得ている。